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【書評】農家はつらいよ② 完

①の続き。どきどきしながら読み進めています。


〇D2Cがいいわけ

農協や市場への委託販売は、生産に集中できていいが、価格が相場に左右される。

個人で対企業に販売するのは、相手との価格交渉や、対応業務が多く、また貸し倒れのリスクもある。


〇米農家は仲間意識が特に強い

米農家は、機械を共有したり、作業を一緒に担当したりと、共同体意識が強いため、仲間内から抜けようとすると、特に強い反発を受けることが多い。米は政府管掌作物でもあり、国からの補助金なども多いため、自治体として取り組んでいる、という側面もあるようだ。


〇D2Cの訴求方法とクラファンの訴求方法は違う

D2Cでは、ストーリーを作って感情に訴えかけるプロセスエコノミー的な手法が重宝されるが、クラファンでは時にそれは反感を買うことも。

畑に除草剤を撒かれて枯れたメロンの補填のためにクラファンをすることになった筆者だが、「犯罪者に負けない、復活」みたない売り出し方をしようとしていたところ、クラファンの運営会社に止められる。なぜなら、その書き方だと、「売名のために自分で除草剤を巻いたのでは」と批判するネット民を助長することになるから。

今回のクラファンの一番の目的は、一千五百万の赤字を何とか補填して、経営を継続し、この農園を応援してくれている人に引き続き美味しいメロンを届けること。

目的を誤ると、炎上するんですね。



後半は、家族との関係、地域との関係などについて、個人の内面的な葛藤を踏まえて描かれていました。読んでいてつらくなるような部分もありましたが、約500ページ、あっという間に読了いたしました。


一人で戦い続けた著者はすごいと思いますが、やはり、どうしても仲間が欲しいので、同士を作れるように取り組んでいこうと思った次第でした。

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