夜明け前に思い出す、二人だけの"イチバン"
深夜2時を過ぎた頃、僕はいつものように東京のとある町にある小さな、少し歪な形をしたマンションの一室のベランダで、立ち並ぶビルディングと空を眺めていた。
僕はマンションの4階に住んでいて、それだけを聞くとそれなりの景色も望めるように思えるかもしれないが、僕の住んでいる町はとんでもなく大きな坂の下にあり、大した景色は見えない。
坂の上にある、いかにも金持ちそうな高層マンションにいくつかの灯りが灯っていて、手前には壁に日々が入った低層マンションが目に入るが、低層なお陰で空も意外と