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アナログなのが良いところ 実力診断テスト振り返り(村越彩菜)

7. 村越彩菜(旅立ちの春が来た/スマイレージ)


情報誌を制作するにあたって、古参オタからの大きな賞賛を受けていることを改めて感じた村越彩菜ちゃんです。

魅力は何かと言われれば、アナログっぽさだと言います。原稿の中でも、「村越デパート 新築に老舗の香り」という見出しを付けられていましたが、そのキャッチコピーがぴったりと当てはまるくらいには、新人なのに玄人系というか、オールドスター感が出ています。

もうそのような話は、オタクの皆さんは何万回もしていることでしょう。私からは、『アナログとデジタル』という観点から、一つお話を。

高校生の頃、情報という科目でお勉強したのですが、アナログとデジタルの違いについてです。

それまでは、針で示すのがアナログ、カクカクの数字で示すのがデジタルだと思っていたのですが、それはあくまで時計での話でした。ちょうどその頃の日本では「地上デジタル放送」への動きもあり、情報の授業でその違いを詳しく教えて頂けたのを覚えています。

でまあ、簡単に言うとですね、はっきりさせるのがデジタル、はっきりさせないのがアナログだそうです。

時計を例にして説明すると、アナログ時計は針で時刻を示します。

一方でデジタル時計は数字で示しますね。ここまでは皆さんご存知過ぎることだと思います。

この時例えば、9時0分0025秒だった場合、アナログ時計だと厳密には秒針が0025秒分だけ寄っており、それに伴って分針も少しだけ1の側に寄っており、またその分だけ時針も同じように寄っているそうです。

ただデジタルはそこまで示しません。0025秒の瞬間は0秒と示してあるか、1秒に変わる瞬間です。いずれにしても、その間は「0秒」と「1秒」しか、表示できない仕様になっています。

どちらが便利かと言われれば、今はこのような時代なのでデジタルを推す人が多いでしょう。けれども、少なくともより正確なのは、実はアナログのほうなのです。

時計の例に限らず、デジタルというのは人々にとっては分かりやすく見える反面、多くの人には必要のない情報が失われているのです。それがあまり貴重ではないという、判断のもとで。

レコードで音楽を聴いている人が、iPodで音楽を聴くのを嫌がるのも、そのあたりの理由から来ています。多くの人にとっては必要のない、貴重な音が消されている…。よく考えると、割と大変なことになっています。

さて、村越ちゃんがアナログっぽいということですが、これは単に昭和の哀愁漂うという意味だけに留まらないと思います。

パフォーマンスをきっちり基準通りやることは表現者としてはとても重要でプロ意識にも関わって来ます。ですが、この村越ちゃんのなんとも“はっきりしない”ところこそ、アナログの魅力の真髄なのではないでしょうか。

ダンスを見てみると、本人の中ではきっちり厳しく仕留めているつもりなのでしょうが、どこか揺れというか滲みというか、悪く言えば決まり切っていないようなものが見られる。はっきりさせてしまえば捨ててしまうものを、表現したいという欲なのかもしれません。

そこについては、ちゃんとしなさい!、正しく“はっきりと”踊りなさいと叱られるのが本来の指導なのかもしれません。でも、実はアナログの村越ちゃんの方が正しいのかもしれない。

私だったら、とりあえずこのままやらしてみたらいいと思っています。

パフォーマンス後の受け応えでも、選曲の理由や衣装のこだわりなどを聞かれていましたが、みつばちまき先生から、整合性がないように思える、とのツッコミがありました。

これは就活生だったら落ちていることでしょう。最後の方は圧迫面接のような雰囲気で、それに上手く答えられていない村越ちゃんがいました。

でも、仕事のできる人を選ぶ会ではないし、そのようなどっちつかずな面は、今の村越ちゃんにとっては貴重な性質なのではないでしょうか。

歌も含め、はっきりしないパフォーマンスも現段階ではスキルの未熟さから来ているのは間違いありません。

ですが今後、練習を重ねていってスキルの良いメンバーになった際にも、このアナログ感というのは失くさないで欲しいな。

都合の良い大人に消された“貴重な情報”にはなって欲しくないなと、切に願っています。

老舗はずっと続いているから凄いんです。ずっと同じものが続いている。

研修生に「変わらないもの」を求めることってあまりないと思うので、この子は特殊な存在だし、貴重な種だと思います。推しでなくても、成長過程を見てみるのは面白いんではないでしょうか。

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