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そしてタロウがここにいる。

僕がまだ4歳だか5歳だか、とにかく小学校に上がる前、我が家では黒い犬を飼っていた。

名前はタロウ。

確か名付けたのは僕のはずだ。

当時、再放送で観ていて好きだったウルトラマンタロウから取って付けた名前だった。(記事のタイトルはウルトラマンタロウのOP曲の一節だ。懐かしい。)

子犬だったタロウを両親の友人から譲り受け、家族の一員になった。

ウチにやってきた時は小さな子犬だったタロウはみるみる大きくなり、真っ黒なダルメシアンのような雑種犬へと成長した。


幼い僕は大きくなったタロウに引っ張られながら近所をよく散歩した。

散歩用のリードを付け、鎖を外すと物凄い勢いでロケットダッシュするタロウに何度転ばされ、引きずられ、泣かされたか分からない。

そんな当時、すぐ近所の家でも犬を飼っていて、名前は確かポチだったと思う。

そのポチのエサ皿にあるドッグフードを勝手に持って帰りタロウにあげたりなんかしていた。もちろん両親に猛烈に叱られポチの飼い主に謝りに行ったことが何度かあった。子供のやる事はなんてムチャクチャなんだろう。


そんなこともありつつ、1年だったか2年ぐらいはタロウがいる生活が当たり前に過ぎていた。


タロウとの別れは突然だった。

ある日、首輪が抜けてしまったようで外飼いだったタロウは気付いたら居なくなっていた。

数日経たない内の夜中頃、タロウが家に戻ってきたのだが様子がおかしかった。

次の日、保育園から帰って様子を見た時に、近くには血便があり、タロウはぐったりしていた。

病院に連れて行ったが既に遅かった。

僕の家はめちゃくちゃ田舎にあって、周りは畑しかない。おそらく脱走した時に畑に撒かれた農薬を食べてしまったのではないかと言うことだった。


まだ幼かった僕だったが、初めて味わう身近な死に対する感情、両親には見えないように誤魔化して泣いた記憶が今でも強く残っている。

さて、この記事はペット自慢と言えるのか分からなくなってきた所で終わりにしとこう。

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