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第2回-B面「夏休みの宿題」

海の日をすぎて、世間が夏休みの雰囲気を出し始めると、文房具売り場やらおもちゃ屋さんやら色んなところに夏休みの宿題のためのコーナーが設けられる。

A面であまさんが夏休みの宿題に対して腰が重い方だと言っていた。私も間違いなくそっち側である。漢字ドリルも算数ドリルも読書感想文も自由研究も大嫌いではないが特に好きでもなかった。ラジオ体操も好きではないが行かないといけないという風潮があったから行っていた。帰ってきたら二度寝した。

絵を描くのは好きだが、夏休みの宿題の定番である花と緑のまちづくりポスターは「花と人間を好きなように描けるから」という理由以外に推せるポイントはなかった。交通事故防止ポスターなんてなんと物騒なもん描かせようとしてんねん、と思っていたりもした。子供の頃からひねくれている。

私は両親に宿題を手伝ってもらった記憶があまりない。ちなみにうちの両親も工作や絵を描くことが趣味だったりする。1回か2回、クジラの小物入れを作ったりとかポスターの塗りなんかそういうのを手伝ってもらったかもしれない。でもわりと「ちょっと手伝いはするけど自分でやりなさい」方式だったと思う。ここまで来てわかるように、とにかく夏休みの宿題についての記憶が無い。出してるのに。

夏休みの宿題、特に小学生の頃の自由研究なんかは毎年絶対何かをしていたはずなのに覚えているものが2つほどしかない。
私の通っていた小学校では毎年夏休み明けに自由研究の課題を並べて展示するというものがあったが、あれは全国共通なのだろうか。知恵か財力か努力の長けた人間しか認められなかった展示だったなと思い返してまた憂鬱になる。

あれ、中学生の時って自由研究あった…?

高校はデザイン科だったので、1回の夏休みで小学校の6年分くらいの量のポスターを描いていた気がする。それもあまり覚えてないのだが。こっちは量が多すぎて覚えてないパターン。

大人になって夏休みの宿題から解放されて早数年、追われる存在ではなくなったからなのか、店に並ぶ自由研究キットのコーナーなんかを見るとワクワクした。私の頃はこんなんなかったな、とか、今でもこれあるんか、とかそういう気持ちになってとても楽しい。完全に他人事だからだ。
コーナーに売ってるうちにひとつ買って、大人の本気の夏休みの工作をするというのはどうだろう。と考えながら「まぁ今日すぐやるわけじゃないからええか」とその場を立ち去る。

私、貯金箱使わないんですけど、あの時技術的にも金銭的にも作れなかった貯金箱作りたいです。

…と、8/30の夜、ここまで書いて、31の定時後に100円ショップに行ったら貯金箱キットがあった売り場は無くなっていた。ハロウィンコーナーが仕上がりつつある土曜日の段階で気づくべきだった。

でもいいんだ。大人だから。大人はAmazonプライムを利用するんだ。ポチッ。

4GA

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