オープンな家を保てますか?
近年、家の造りは閉ざす方向から、開く方向へと変わりました。
色々なところがオープンになっています。
しかし、うまく使いこなせないとデメリットも出てきます。
■オープンであることのデメリット
1 メリットは分かりやすい
オープンな造りのメリットは何と言っても目線が通ることです。
仕切りの無いオープンな空間、
圧迫感の無いオープンなキッチン、
見通しの良いオープンな外構、
など、見通しが良いことが最大のメリットです。
2 デメリット①見え過ぎる
見通しが良いということは、よく見えるということですので、ご家族以外の方からも良く見えるということです。
ご家族内でも、
せっかくオープンな空間を造ったのに、生活感が見え過ぎて嫌になってしまうケースもございます。
オープンは常に見られる覚悟が必要です。
3 デメリット②収納力の低下
キッチンで考えると、吊戸棚を撤去して、仕切りなくリビングダイニングとつなぐオープンな空間が増えていますが、吊戸棚はもちろん、壁があれば作れるはずだった収納が減っています。
その減った分を他に造れば、家がその分だけ大きくなります。
4 デメリット③掃除の区切りが大きい
キッチンで考えると、オープンな空間では、調理中の油汚れなどがキッチン以外に拡散しやすくなります。
コンロやIH周りに壁が無いと、汚れが拡散しやすくなります。
また、オープンとは関係ありませんが、
換気扇の掃除の手間を減らそうと考え、換気扇にシートなどを設置しているご家庭がありますが、そうしたシートは換気扇の換気能力を低下させてしますため、汚れの拡散を助長してしまいます。
部屋中に散らばった汚れを掃除するよりも、
汚れを換気扇に集中させた方が、掃除は断然楽です。
お掃除がしやすい換気扇を選ぶと更に家事負担が減ります!
5 デメリット④小物までセンスが問われる
「見せる収納」
と言うものがありますが、
ただ収納する物を見せるだけの収納は埃などの掃除が面倒なだけです。
掃除の手間を増やしてまで見せるのですから、
「魅せる収納」
にしたいものです。
そうなると、食器や小物などまで見栄えや統一感、センスなどが求められてしまいます。
そうしたことがお好きな方は何ら問題はありませんが、日々の暮らしをしながら魅せる状態を保つのは大変です。
ショールームや展示場は日常ではなく、〝非〟日常ですので、そのまま取り入れると苦労するかもしれません。
■オープンにする際の注意点
見えること、見られることを意識しておくことです。
出来れば、物を少なくすると、自然とすっきりとした印象となり、空間がまとまります。
後は「色」がポイントです。
一つの空間にたくさんの色が存在すると、とてもゴチャゴチャした印象になります。
あえてそうしたい場合は除きますが、3色前後にまとめると落ち着くと言われています。
最後に、収納を家族でオープンな空間にするのが流行っています。
ファミリークローゼット、シューズインクローゼット、など家族で共用の収納です。
これは、使い勝手や収納効率だけを考えれば良い方法ですが、
思春期、性別、使い方、など色んな面で気遣いが生じる可能性があり、
個人の考えだけで設置すると、かえって使い勝手が悪くなることもあります。
オープンは良いことがたくさんありますが、
オープンにすることでどんなことが起こり得るかは想像しておくのが良いと思います。