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ビルダーにとっての禍福

Pax Deiはとても意欲的で面白いゲームだ。
それに異論はない、とわたしは思っている。

でも、それはモノづくりが好きな「ビルダー」の末席にいるから言えることであって、それが苦手な人にとっては、特に面白みのないゲームとして映っている可能性は否定できない。

そして、その自然淘汰の末に「能力の高いビルダー」だけが残った場合、エコーチェンバー現象が起きる可能性も、また高いのではないかと、内心では少し危惧している。

MMORPGは、いろんな人がいる坩堝だ。そこにいる人々が、遊び方は違えど、みながみなで楽しめるように作るべきであり、開発者のその手腕に、わたしは過度な期待をしている。それくらい可能性に満ちたゲームだから。


とはいえ、「すべてのPaxiansよ、ビルダーたれ」と、わたしが勝手に思っているのもまた事実で、上手い下手はともかく、何かを作る楽しさを経て、キャラクターとともにプレイヤーもスキルアップしてゆくのが、本作の醍醐味ではないか。なぜなら、Pax Deiの根本設計は、やはり高度に進化したマインクラフトであり、それを遊ぶのであれば、やはりそのドグマからの逸脱はできないのだから。

今回はちょっと固い語調で書きましたが、Pax Deiって、やはりビルダーのためのゲーム、ビルダーにとってのマスターピースなんです。だから、作れる人と作れない人の格差は生まれてしまうけれども、それはどうしようもないというか、美大に入ったら周囲にいるのは全員が芸術家の卵であるのと同じで、もうそういうものだと思うしかないところはある。

でも、上記したように、そうじゃない人々も楽しめるように作ってほしくもあります。なぜなら、これはキャンバスである以前に、やはりMMOというゲームだから。

でもまあ、難しいですね。
そもそも、その場にいる全員に、等しく満足を与えられるゲームなんて、そう簡単には存在しえないものですから。


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