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インドネシア生活の振り返り【仕事編】

2021年5月末にインドネシアから戻ってきて、すぐに転職だったので、年末年始の休暇で改めて約3年間の振り返りをしてみた。

結論はほしい経験ができたということ(もっとできたかもという反省はあるが、一旦それは置いておくとする)。

長くなってしまうので、仕事と日常生活は分けて書くことにしている。
日常生活についてはこちら↓

そもそもなぜインドネシア?

理由は2つ

1 : 中華系インドネシア人に興味があったから
2 : 英語の実務経験がほしかったから

1 : 中華系インドネシア人に興味があったから

ぼくはスコットランドの大学院でインターナショナルビジネスを専攻していた。EUはもちろん、BRICsやASEANについて勉強したりして、個人的には東南アジアに興味が沸いた。

その中でも「国民の約3%しかいない中華系インドネシア人がインドネシアの経済の約90%を回す」ということを聞いた。そのような国を見てみたいという興味本意からインドネシアを最終的に選んだ。

ヨーロッパは大学院生の時に住んだので、文化や習慣が日本とヨーロッパとは違う世界を見てみたいということも理由のひとつでもある。

※これが10年遅かったら、アフリカを選択していたかもしれない。

実際に中華系インドネシア人と働いて感じたことだが、彼らは勤勉であり、真面目に働く人たちだった。そして、自分らでビジネスを持つ(作る)ことに面白みを感じる人たちが自分の周りに多かった気がする。
「いつまで会社員やっているんだ?」と何回も言われたのは記憶に新しい(今も会社員で満足しているけど)。

そして、教育格差を感じた。

中華系インドネシア人はオーストラリアやアメリカで教育を受けている人が多いようで自分の周りもみんなアメリカで教育を受けていて、子どもはジャカルタのインターナショナルスクールに通っている。

インドネシアには家庭の事情などで中学校すら行けていない人たちも多くいる。

この教育格差が「国民の約3%しかいない中華系インドネシア人がインドネシアの経済の約90%を回す」に大きな影響を及ぼしているのだなということが今のところの自分の中の解答である。

2 : 英語の実務経験がほしかったから

大学院を卒業して日本に戻ってからは英語の実務経験を積むことができていなかったので、これは自分の選択肢を広げるためにも欲しかった経験だったから。留学だけでは説得力が弱いので、実際に実務経験を積むことでより説得力をましていくことが自分にはベターな選択がいつかできると思っていた。

結果としては、英語力が伸びたかというとそんなに変わっていない。ただ、実務経験があるのとないのでは説得力が違う。スタッフや社内でのコミュニケーションは英語(大卒のインドネシア人は英語ができる人が多い)で行っていたし、契約書も英語だった。

注意 : お客さんは90%以上が日本人だったんだけど。

この英語での実務経験があることが今の仕事をできているひとつの理由でもある。

多民族国家と多様性

インドネシアには多くの民族がいる。

見た目も違うし、言語も違う。個人的に興味深かったことは国民が宗教を選択しないといけないことである。

イスラム教、キリスト教、ヒンドゥー教、仏教の4つの中から選ぶことになっているようだ。これは途中で変更も可能なようで、自分の同僚の中には仏教からキリスト教に改宗したようだった。
→両親は仏教とのこと。

国民が持っているIDカードには必ず宗教が記載してある。そして、履歴書や職務経歴書にも丁寧に宗教が書いてある(グローバルスタンダードでは宗教は書かないと思う)。

また、インドネシアでは上記の4つの宗教のイベントがある日は祭日になることだ。国民の約90%がイスラム教徒のインドネシアだが、それぞれの宗教をリスペクトしているということには感銘を受けた。

これがどのように仕事に関わってくるかと言うと、クリスマス時期にはキリスト教徒のスタッフが休めるような体制、レバランというイスラム教徒の断食明けのお祭りにはイスラム教徒がゆっくり休めるような体制を整える必要があるということである。

これは日本人にはなかなか馴染みがないことだが、インドネシアには多くの民族で成り立っており、それぞれを尊重しながら発展しているのだ。そして、宗教や家族の方が仕事より遥かに大事な存在であると考える人が多いということを理解しないといけない。

多様性を受けれることや異文化理解をしていくことが海外で働く上では大事なことであったりする。

外国人として働くということ

学生ビザと労働ビザは全く違う。

外国人としてその国で勤務することは現地にいるローカルスタッフにはできない仕事を求められているからである。給料も現地スタッフより高く設定されており、住宅やその他のコストもかかっており、そもそもその分の価値も上乗せで出さないといけないのが外国人である。

これはどの業界でも共通のことである。

また、ひとつ注意しないといけないのが、外国人としてその国で働くことは「そもそもその国に居住/商売させてもらっている」というマインドを持つことが大切だと思う。

特に発展途上国の場合だと「その国を発展させてやる」や「雇用を創出してあげる」というマインドセットだときっと見透かされるだろう。

外国人はその国に住ませていただいていることを念頭に置いた方がきっと海外生活もより楽しくなると思う。

さいごに

海外で働くことは日本では経験できないことが経験できる。

無理に海外に行く必要はないと個人的には思っているが、少しでも興味がある人は飛び込んでみても良い世界であるとも同時に思っている。

行けばきっと何かおもしろいことが起きる(と思う)

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