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忍者とフェスに行き、野太い声で萌え萌えキュン♡旅の所感〜おまけのつもりで書いたら奇作の詰め合わセットになった《東京編》



旅から帰れば世界が変わるものだよね。

東京、面白すぎるんよ。



今年はついに西日本を周り終えました!

やたーー!

▼巨人に会ってきた西日本達成記事はこちらから✨


今回はそんな旅を終えての所感を話したいと思います。

…と考えていたのですが、
旅のリフレッシュがてら気まぐれに寄った東京がバカ面白かったため、
《東京編》をやらせてもらいます。

今回だけ!おねがい!



忍者と忍者フェスにいく


忍者の友達と忍者フェスに行ってきました。

友達に一人はいるよね忍者。
就職先が忍者と企業で迷って忍者選んだ子とかよく忍の村に行ってたよね。

残念ながら友達みんな企業選んじゃってた!という人のために軽く説明すると、
彼(友達)は大学時代の友人で就活でそのまま忍者になり、今は山梨県の忍者村で忍をやってる子。

でも村に召し抱えられてるわけではなく、
呼ばれればどこでも赴いて稼いでくるフリー忍者。

抜け忍?と聞いたら「抜けてはない」と言われたので追われてるわけではなさそう。

今回たまたま東京に来てるということで遊びに誘ったら快く受け入れてくれた。


そんな彼と忍者フェスに行ってきた。

彼はフェスに行くならちょっと待ってと、
忍び装束に着替え始めた。忍び装束ってカバンから普通に出てくるもんなの?

どうやら、忍者フェスには彼のファンが多いからちゃんとした正装で迎えてやらないと失礼、とのこと。忍び装束が正装の人はじめて見た。

でも実際、会場に行くとワラワラと子どもたちに囲まれていた。忍者すげえ

実はこの忍者フェスに出る予定だった休日が急遽キャンセルになり、時間を持て余していたらしい。だから忍び装束も携帯してたと。


そんな彼と屋台を練り歩きながらフェスを楽しむ。広島焼きうまあ


舞台がどんどん進んでいく中、
彼は舞台脇に誰かを見つけたようで小走りに走っていった。

帰ってくるなり、

「俺ちょっと舞台でてくるわ!」

え!?なして?

「主催がいたから挨拶行ったら、ちょっと新しい催しやるからそのデモで必要だってさ〜!

レーザー手裏剣ってのがあるらしいからちょっとやってくる!」


レーザー手裏剣ってなに…。

謎の言葉を残したまま、友人は舞台袖に消えていった。


「さあ皆さんお待ちかね!
今宵の忍者フェスにはなんと!

手裏剣を使った新しいアトラクションをお披露目します!

大人もハマるレーザー手裏剣対決です!

どよどよどよ…
会場に戸惑いと好奇心の目が向けられる。観てる人半分見てない人半分。

忍者のコスプレをしたひとが
レーザー手裏剣説明役のようでポテポテでてきた。

どうやら手に持っている手裏剣の上を擦るとレーザーポイントが発射され、それを感知した相手の額当てが当たった判定するものらしい。それを2人でも複数人でも楽しめるゲーム。


うんうん面白そう。

とても面白そう。

なのだけど、、どうも盛り上がりに欠ける。

説明役の人は説明が終わるとニコニコ佇んでいるので、司会のお姉さんが必死で盛り上げている。

忍者フェスなのに忍者感がまるでない。
見ている人もまばらで退屈そうにしている。


そんな会場全体の空気が微妙になってくる中で、

「そ、それでは、デモンストレーションをしてもらいましょう!

対戦役の忍者さんの登場です!」

司会のお姉さんがとにかく前にすすめなきゃ!という声で対戦役の相手を叫んだ。

すると、舞台袖から黒装束のThe!忍者!の恰好をした人が
ダダダーーー!と飛び出してきた。

勢いのままバク転を1つ2つして宙を舞い着地する。

「どうも、拙者、紫道と申す。」

よく通る声が響く。名乗ったあと顔を伏せ片手をついて跪く。

…!!

ウオオオオオオーーーー!!!?

忍者フェス初めての忍者らしい忍者。
会場が沸いた。

「な、なんとなんと!

本物の忍者さんです!凄い!

〇〇さんは果たして勝てるのでしょうか…!?」

お姉さんが興奮気味に煽りを入れる。
つられて場がさらに盛り上がる。

役者が揃った。
会場が温まったところでゲームがはじまった。


そこからはもう彼の独壇場。
飛んで跳ねて転がって、会場を広く使いながら立体的に動いていく。

説明役の人も思わず熱が入って走り回る。
司会のお姉さんが声を上げて実況する。

それでもちゃんとお互いにレーザーが当たるようゲームを進めていく。

会場の盛り上がりに
なんだ?なんだ?と見物客が増え、人だかりができる。


そして…

「あーーーーー忍者さん3ポイント先制されてしまいましあ!!

まさかまさかの〇〇さんが勝ちましたーー!!!」


説明役の人が手を挙げてガッツポーズをする傍らで、打たれたように膝から崩れ落ちる忍者。

「くっ!悔しいです。里まで走って帰ります。」

観客が爆笑して湧き上がる。
残念そうに、しかし颯爽と退場していく忍者。


そしてこれ以上ない熱気のまま、
本番のキッズたちの舞台が始まったーー



…ヤバあ

あの忍者、友人だったよ。
マジかよ。

会場でただ1人呆気にとられてる僕。
あいつヤベえな。うそだろwww

凄すぎてなんか笑えてくる。


「おっすーー!お待たせ〜〜!」

キッズの勝負が盛り上がってる舞台横から爽やかに友人が走ってきた。
何事もなかったかのようにカバンを受け取り、机にある広島焼きに手を付ける。

「めっちゃ、よかったよ。盛り上がってたわ、、すごいな。」 

「おー!ありがとー!
まあアレはエンターテイメントだからあんな感じよ!本物の忍者はあんなことしない!わはは」 

もぐもぐしながらキッズたちに声援を送る友人。


ちなみに彼は躰道(琉球空手の一種でアクロバティックな動きする武道)有段者なので、その気になれば簡単に人を〇せるのが怖い。

それにあの声量と遊び心。

忍者かあ…適材適所にもほどがある。すげえわ笑



そんなフェスからの帰り、
彼は忍者の裏事情を教えてくれた。

曰く、

▶上忍中忍下忍のようなランクによって忍務が変わるらしいこと。

▶村の長まで上り詰めればそれなりに稼げるとのこと。

▶でも忍の里は金払いがあまり良くなく、みんな掛け持ちでやってる人がほとんどらしいこと。

▶手裏剣を落として足に刺さるのはよくあること。

▶里の人はガチめに戦える人が多いこと。

ちなみに彼は忍活動以外はコンビニで働いてるらしい。

昔の忍びも平時は百性をやっていたので、一番忍者らしいかもしれない。
アン〇ーニンジャみある。

さらに彼は、将来「忍者カフェ」を開いて子どもたちに忍術を教えるのが夢だという。
育成まで手掛けるのすごすぎる笑


「あ~あ、これから里に帰るのやだなぁやだやだ」

言動全てが忍者すぎるんよ。

日が沈んでいく中、そんな彼の黒装束は闇に紛れていった。




野太い声で萌え萌えギュン!♡



メイドさんがケチャップを置いて僕らを見た。

「このオムライスですがぁ、
もっと美味しくなるおまじないがあるんです♡
ご主人様たちも一緒にやってくれますかぁ?」

ニコ♡

「あ、は、はい。やります。がんばります」

「ありがとうございまぁす♡
それではいきますね〜!

せーの!

美味しくな〜れ!

萌え萌え〜〜〜キュン〜!♡」

「も、モエモエ!!ギュン!!▽」

目の前にあるねこねこオムライスに野太い声をぶつけた。

メイドさんがうんうんとニコニコしてくれる。


やった、やってやったぞ…!

ついに!やってやった…!


僕は小さなガッツポーズをして、
誇らしげにオムライスの萌えねこに微笑みかけた。


ーーーーー


忍者フェスのあと、
秋葉原に向かった僕らはメイドカフェの前にいた。

『メイド喫茶 maid reamin(メイドリーミン)』

コテコテのピンク色で装飾された丸文字は、秋葉原の賑いをも押しのける存在感を放っていた。

ここはコンカフェのプロである隣の忍者から教えてもらった場所。

「え?コンカフェに行ってみたい?

それならメイド喫茶だな!

メイド喫茶ならどんなのがいい?

王道?それとも変わったとこ?

よく言われる、萌え萌えキュン!♡ってやつは王道のメイド喫茶だな。

意外とほとんどの場所ではやってくれないのよ。

キャッチしてる場所は特にやってくれない。
でも本家の方はちゃんとやってくれる。世界観作り込んでるからキャッチとかしなくても客が入るのよ。

よし、それなら俺が知ってるオススメの場所が2種類あるんだけど、見てみる?

まずはこれ〇〇カフェーーーーー」

忍者カフェに詳しかったので秋葉原行くならオススメのコンセプトカフェとかある?と話してみたら、あれよあれよと話が進み「王道のメイド喫茶」に案内されることになった。


メイド喫茶…一生に一度は挑戦してみたい場所。

めちゃくちゃ気になるけど、どんなテンションで行っていいか分からない魅惑の世界。


とある友人A

「もちろん…俺はもう行ってきたぜ。あれはよ…行ってみないとわかんねえよ。ふ」

なんかすごい悔しい。


あの世界観に耐えられるメンタルとノリの良さ。己の恥ずかしさを限界突破できるであろう場所。

一生に一度は行っておかないと男としてダメな気がする。

もはや通過儀礼に近い。
メイド喫茶に行ったとき、僕はどんな人間性を炙り出されるのか…?


勝手に哲学的問いを立てて気持ちをごまかしてる僕を横目に、
前を歩く彼はのんびりと道沿いのカフェ嬢たちに手を振っている。

それでも、彼の歩みには一切の迷いもなかった。


そして辿り着いた王道メイド喫茶

『maidreamin(メイドリーミン)』

全国に進出してる大手のメイドカフェらしい。

3階建てのビル。2階と3階がコンカフェであり、3階フロアにカフェはあった。

看板の前に立つ僕ら。
彼が静かに教えてくれる。

「いいか…?メイドさんたちは俺達を楽しませようと世界観を作ってる。それはもう圧を感じるほど全力で頑張ってる子もいる。

だから俺達も全力で応えないといけない。わかったか?」

「応。」

そして、フロアの3階に僕らは案内された。



チンッ!
エレベーターが鳴る。

エレベーターを降りたらまずは心の準備をしないと…

そう思って降りようとすると、

ドアからスーとピンク色の光が…

「いらっしゃいませ♡ご主人さま♡」

ドア開けた瞬間、そこはもうリーミンだった。

エレベーター直通かよ…!!


「お席に案内しますね♡」

「あ、あ、はい、」

初手でやられた。


席から挙動不審気味に見渡すと、
フロアは壁一面ファンシーにピンク色で囲まれ、奥には舞台っぽい場所とメイドさんの写真、ミラーボールもある。


そしてメイドさんたちはフリフリのメイド服にリボン。メイクもゆるふわっとしてるけど気合が入ってる。

うわあ…すげえ…。

「ご主人様はぁリーミンの利用は初めてですか?

あ、はじめて!うれしい!♡

では、簡単にご説明しますね。

まず、注文はこちらから〜〜してください♡

あと、わたし達を呼ぶ時は
『ニャンニャン♡』とお呼びくださいね!

♡」

「はーい!ニャンニャン!」

目の前の彼は瞬時に適応した。

これか…これがメイド喫茶…

これは生半可な気持ちじゃダメだ…

目の前の展開がクルクル変わっていく。
気を抜いてたら置いていかれる。


ーーーーー



そして、頼んだオムライスに赤い萌ねこが現れた。

「ーーーそれではいきますね〜!

せーの!

美味しくな〜れ♡

萌え萌え〜〜〜!キュン〜!♡」

「も、モエモエ!!ギュン!!▽」

葛藤、恥じらい、これまでの全てを込めて。
目の前のねこねこオムライスに野太い声をぶつけた。

その瞬間、僕の中に清々しさが吹き抜けた。

うんうん。
メイドさんがニコニコと頷いてくれる。

…やった!!やってやったぞ!

俺は…昨日までの俺を超えた…!!

自分を成長させてくれたメイドさんとオムライス。それはもう最高に美味しかった。
ケチャップで書かれた萌♡ねこの絵に癒やされる。

目の前の彼は「夢のくまたんパフェ✩」を食べながら、誰とチェキ撮ろうかなあ〜!と楽しそうにしている。

これがメイドカフェ…

…めちゃくちゃ楽しいじゃん!!!


「に、ニ"ャンニャン!」

「はーい!♡」

その後ぼくらはメイドさんたちのライブを楽しみ、ペンライトを振りながら声援を送り、
推しのプロマイドを手に入れるためにドリンクを何度も頼んだ。


そして、これがリーミンに行ったあとのLINEである。


ちなみにですが、メイドカフェといってももちろん女性も入れます。
むしろ女性のほうが楽しいと思う。

というのも、男性客だとどこまでも客とメイドさんの壁があるけれど、
女性客の方を見てみるとまるでその壁を感じない。

「わーー!メイド服かわいい!」

「えー!ありがとうございますー!
私もそのお洋服好きです!どこで買ったんですか〜!?」

とキャッキャウフフしてる。
テンションがぜんぜん違う。

僕ら男子共は指をくわえて羨ましそうに見るしかなかった…



メイド喫茶、おすすめです。





夜の歌舞伎町でとらやの羊羹を食べる


クライアントさんと会ってきました!
金と欲望の渦巻く街、歌舞伎町で。


はい、今回もやってまいりました。
恒例のクライアントさんと初の邂逅編です。

全国に散らばるクライアントさんを巡る旅でもあるのでね!
もはやRPGしてるみたいだよ。



当日、僕らは上野公園で待ち合わせ。
「上野公園で待ち合わせ」このフレーズの甘美な響き。地方民ならきっと分かるこのなんとも言えない優越感。上野公園で待ち合わせ…。東京だ。

クライアントさんはニッコニコで走ってきた。僕も負けじと手を振る。

わー!

「はじめまして〜!」

「はじめまして〜!だいです〜!」

「どこからきたんですか?え?まだ東京いたんですか?
えー!言ってくださいよーー!」

秒で立ち話が始まるのでとりあえず歩く。
ここを間違えると2時間くらい時間が過ぎることがある。

今回も「クライアントさんがやりたかったことをやろう!」の会。

僕に会う人はみんなやりたかったことをやりたいと言ってくれるので、僕が立案するよりずっと有意義なことに気がついた。

僕も相手の推しの世界に飛び込めるので正直嬉しい。

薄らぼんやり気づいてるけど
「レンタルなん◯しないひと」と同じ使われ方をしてる気がする。

ということで、
今回はクライアントさん所望の展示会へ!

▶『和食展』✨


和食が大好きというクライアントさん。
もう展示会場に入るなりキラッキラの目で振り向いてくる。

楽しいよね。わかる。好きなものが会場中に贅沢に埋め尽くされてるなんて歓喜だよね。

実際、和食展は非常に面白かった。

特に和食には欠かせない「水」の話が興味深かった。

和食料理に使われる日本の水は軟水であり、軟水はマグネシウムが少なく素材の味を引き立てる料理には最適とのこと。
煮付けや汁物、お浸しや米を炊くのにも素材の味を引き出して味わう和食に軟水は不可欠の硬度らしい。

そして、軟水が手に入るのは傾斜が大きく、すぐに川に流れ出て土に触れる時間が少ない日本独自の地形や土壌ゆえだという。

繊細な和食の味わいは
日本の土地だからこそ発展した文化だった。

その他にも、島国である日本は海の幸山の幸に恵まれ、海では魚料理、陸では山菜や野菜といった菜食料理、さらに米や発酵食など、世界に引けを取らない多様な食文化を作った。

味噌や納豆、酒、醤油、
発酵食はもう驚異的でしかない。


クライアントさんもキャッキャとあっちこち回ってはニコニコしている。

キノコの話や料理道具の話、政治の話や、面白いものでは各時代の為政者の食卓まで紹介されていた。

平安時代の貴族の食卓、

あの織田信長の食卓、

江戸幕府の将軍、

そしてまさかの…卑弥呼の食卓まで!

卑弥呼のレシピ✩とか出したらバカ売れしそう…笑

そんなことを語らいながら僕らは会場をあとにした。


もうあんな展示見ちゃったら行くしかないでしょ。

大戸屋!!

ふたりでギンギンになって探し出して店に入る。

和食だ〜〜〜〜!!


これほど和食が輝いて見えたのは
2年間のカナダ難民から帰ってきて初めて食べた空港での弁当以来だな。

あれは泣きそうになるほど美味かった。

クライアントさんも海外経験があるのでめちゃくちゃ共感してくれた。

うんうん。

ていうか会ってから初めてまともに喋るのでは?
ふたりとも目の前のものに夢中すぎて落ち着いて話すの忘れてた。


彼女はとてもノリがよく、大抵のことは爆笑してくれる。
なので僕も興が乗ってついつい話しすぎてしまう。

キャッキャと笑い、ディズニーが大好きで、振る舞いがほぼギャル。
なぜかつられて僕もギャル化する。

あざまる水産〜とか使ったの人生初だよ。


そんな彼女に「実際に僕に会ってみてどうでしたか?」と聞いてみた。

彼女の答えは

「超普通。思ってたよりめっちゃ普通でびっくりしました!

でも、全然悪い意味じゃなくて…

超普通だったから、逆にすごい才能とかすごい仕事できるとかすごいバイタリティあるとかではなく、普通に好きなことを積み重ねた結果、今のだいさんがあるんだなと思うとそこにすごく感動した。

超普通だったからこそ、私も頑張れるかもと背中を押された。たぶんめっちゃ超人みたいな人だったら、この人だからなあって思っちゃってたかもしれない。

そういう意味で凄く会えてよかった!」

ふへへへ

今日は奢ってあげよう。

「え!いいんですか?
やったー!ありがとうございます!✨」

お腹いっぱい気持ちもホクホクでお店をあとにした。



「だいさん歌舞伎町住んでたんですか?ww」

そういえば彼女は妙に僕の歌舞伎町話にツボってる。僕が歌舞伎町のネカフェを拠点にしてるのが面白すぎるらしい。

ついでなので連れて行くことにした。


途中で僕が食べたい食べたいとごねて和菓子を2人分買った。

人生初の『とらや』の羊羹。

沖縄にはない和菓子文化。
琉球王朝時代には数あった宮廷菓子も今やそのほとんどが忘れ去られている。
現在あるのはなんか揚げたデカくて硬いやつとかムニムニしてる平ぺったいやつ。
美味しいけど。

趣向を凝らした和菓子がキラキラ見える。

そんなキラキラ和菓子をもって
ウキウキで歌舞伎町の中央通りに入る。

ネオンと居酒屋とキャッチの声が飛び交う。人混みがすごい。

といってもぶっちゃけ表通りは居酒屋がほとんどで、あんまりヤバい雰囲気はない。危ないのは裏通りなので、表を歩く分にはキャッチが面倒なだけ。

クライアントさんは不安げに歩いてたけれど、僕から離れなければ連れだと思われてキャッチもほとんど声はかけてこない。居酒屋さんには笑顔でスルーで大丈夫。

トー横についた。

今日は久々に見るキレイさ。
まだ21時を回ってないからぜんぜんキレイ。

大抵は23時を過ぎたあたりから騒がしくなる。
各所で宴会が行われて、缶が飛び交い、ビールが撒き散らされ、盗みが横行し、警察が出動する地獄みたいになる。

それでも凄いことに、
翌朝には掃除のおっちゃんたちが全部片付けて、普通のキレイな広場に戻る。昼間の歌舞伎町は普通の明るいシアター通りだ。

それが365日毎日繰り返されている。

見てるに、掃除のおっちゃんたちが日本のスラム化を押し留めてると思う。みんなもっと優しくして。


比較的キレイなトー横を過ぎで、
最近できた歌舞伎町タワーにふたりで腰掛けた。

2年前にきた時は完成してない廃墟だったからなんか不思議な気持ち。

そこでお待ちかねの和菓子を開ける。

クライアントさんおすすめの
『とらやの羊羹』

なんて甘美な響き。とらやの羊羹。
声に出して読みたい日本語。

「なんか意外と全然ですね!」

クライアントさんがキレイなトー横を見て言う。恐れ慄いてたけど意外とヤバくなくて安心したらしい。

まあこの時間に来る分には全然だと思う。
あと表通りを歩いていれば観光客が壁になってくれるから変な誘いもあんまないし。

でも何かしら傷心中の深夜に女の子一人で裏通りとか歩いたら終わると思う。それはやめてね。


僕が歌舞伎町に住んでるのは、シンプルに僕が初めて足を踏み入れた東京だったから。故郷みがあるから。

2年前?に日本一周を始めて、
本州の右も左も常識も分からなかった僕は、唯一知っていた『新宿』という文字の駅で降りた。そのまま駅から直進した。

そこに歌舞伎町があった。

東京ってすげー!日本ってこんなにヤバめなんだー!こえーー!と思いながら、
特に気にすることもなく近くのネカフェに滞在した。


あれから2年。
西日本を周り終えて分かったことがある。

歌舞伎町だけじゃん!ヤバいの!

どこの都市にもここまでの場所はなかった。普通に歌舞伎町が特殊だった。

歌舞伎町の危険なところは、
都市独自の貧困とアングラな環境が日常に隣合わせにあるところ。

都市の相対的貧困で居場所がなくなった人たちが集まり、
フラッとアングラで綺羅びやかな店に魅せられ、そのまま首が回らなくなって闇に片足を突っ込む。

でも夜になれば同じような境遇の子たちが沢山集まってくるから、安心する。居場所がないよりは100倍マシ。そうやって出るに出られなくなっていく。


境遇を鑑みれば悪なんて言えないし非難もできない。でも確実に、人生が壊れるキッカケがそこら中から手を伸ばしてくる。

でもそもそも、はじめから人生なんて壊れていた。と言う人もいる。そういう話がごく普通に語られる場所。


クライアントさんは美味しそうに羊羹を食べる僕の隣で

「社会の縮図みたい場所ですね…」

と呟いていた。


ふあ~〜〜〜!!楽しかったあ!

彼女とはあの後、もう全国ツアー化してる恒例のカラオケに行き、夜遅くまで一緒に歌った。

ノリが良すぎてふたりで踊ったり、アーティスト縛り合戦したり、PERFECT HUMAN歌ったりとやりたい放題してふざけ散らかした。

特に忍者くんからメイド喫茶で学んだ合いの手コールはバカウケだった。

こんなとこで役に立つなんて…。

ふたりで終電まで歌って踊って笑い転げて夜が更けていく。

東京の街はいつにもまして賑やかだった。




旅を終えての所感〜東京で見たものとは何だったのか


2023年 12日12日

西日本を周り終えて、
僕は沖縄那覇行きの飛行機に乗った。


紙面が足りず割愛したけれど、
実は色々あって大阪に寄ってから飛んだ。

この旅はほんとに情報過多すぎて割愛に割愛を重ねるほどの旅だった。

noteに書いたことなんて10分の1もない気がする。東京編もあと1エピソードかくつもりだった(「ハイコンテクスト相席カフェ編…」)


そんな旅の最後に東京で感じたのは意外な思いだった。


東京、前より100倍楽しい。


そう、以前初めて東京にきた時より比べ物にならないくらい面白かった。

滞在期間は同じく一ヶ月ほどで拠点もほとんど変わらずも、毎日が楽しすぎた。

それはきっと西日本を周っている間に、
好きなことが増え本州の楽しみ方を知ったからだと思う。


都会のアクセスを使って推しに会いに行き、

好きなYouTubeでみた場所を聖地巡礼し、

大好きな人達に会いに行き、

好きな分野の本や話やグッズを漁って歩く。

展示会があれば駆けつけ、

クライアントさんと新しい世界を見つけに行く。

Twitterで見つけたお店でうまい飯を食う。


知見が広がったのだ。

この旅で培った知見がそのまま東京を見る目を変えた。

以前はやることなくて、新大久保から歌舞伎町までブラブラするぐらいしかなかった僕が、東京を縦横無尽に楽しめるまでに成長した。東京飽きたぁと思ってたのに今やまだまだ遊び足りない。

情報だ。情報が街を楽しませてくれる。これが都会の遊び方だ。


そして、遊ぶための基礎的な立ち回りも西日本のみんなと遊んで身についた。電車に乗れたり、宿をとったり、人を見る目を養えたり。

めちゃくちゃ成長してる…!

成長の度合いを遊びで測るのは職業病かもしれない笑

でも遊びにはその人のエゴや本質が現れると思っているから、あながち間違ってない気がする。

そして西日本を周って
明らかに「あそびレベル」が上がった。

あそびレベルが上がれば見える世界が広がる。みえる世界が広がれば世界を自分で選べる。
世界を選んで遊んで暮せば幸福度が上がる。

そしてまたあそびレベルが上がっていく。

これが「あそび屋だい」の哲学だな。



また来年、夏になれば日本一周後半戦が始まる。

お次は東日本。東北から北海道までぐるっと一周して、東京に戻って来たらいよいよ日本一周が完了する。

その時の東京がさらに楽しくなっていたら、最高だ。

もう今からワクワクすぎる…!!

東日本のみなさんも楽しみに待っていてくださいね!✨


そんなわけで、これにて

《あそび屋だいと行く西日本一周編》

▶▶完✩結です!!✨✨🎉🎉

わーーーーーー!!!

今年も長々とお付き合い
本当にありがとうございましたーーー!!✨✨

お疲れさま〜〜!
打ち上げしましょう打ち上げ!
僕の西日本完結を祝って勝手に宴しちゃってください!✨
人生にはこんな雑な名目の軽率さも大事!

それでは、また次回!

だいでしたーーー!

またね!




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