カスタマーサポートに一生を捧げる価値はあるのか
このタイトルは、2016年8月にmediumへ投稿した記事と同じである。
主催する「CS HACK」が先日参加メンバー1500名を超え、いろいろと振り返る意味で、なにか書いてみようかと考えていた。
もし書くなら、自分も読むことが多いnoteだろう。初のnoteだから、自分が一番考えていることを書くのが良いのではないか。
そう考えていくと、2年前と同じタイトルになってしまった。つまり、2年間、考えることが何も変わっていないのだ。
変わっていないことをバラすのは、一抹の恥ずかしさがあるが、しょうがないので書いてみたのがこの文章である。
私は2016年8月から「カスタマーサポート エバンジェリスト」を名乗り始めた。名乗るだけには飽き足らず、名刺を作り、CSやUXデザイナやマーケターが集まる「CS HACK」というコミュニティを作って運営している。
「CS HACK」は順調に成長し、冒頭に書いたように1500名を超える規模になった。たまに取材を受けることもあり、(コミュニティ運営についてがメインではないものの)「CALL CENTER JAPAN」という業界紙にもインタビュー記事が掲載された。
もともと「カスタマーサポート エバンジェリスト」という名称を作ったのは”わかりやすさ”のためだった。
私は、CS HACKで登壇いただくような方のようにしっかりとした実績があるわけではない。
ただ「CSが好き」なだけの男だ。
ただ「異常なほどCSが好き」な男ではあるが。
今は変わってしまったが、以前働いていた会社の企業理念は「対話の力で世界を変える」というものだった。「ユーザーの感情」という不確かなものにたいして、様々なコミュニケーションを使って変化を生み出していく、CSが好きなのだ。
しかし、一般には「クレーム対応」だったり、「謝罪をする仕事」のように思われている。
そして、CS担当者の中にもそう感じてしまっている人がいる。
CSを愛している人間として、そうした状況を変えたかった。
変えるためには、CSを知らない人間もCSの人間も巻き込んで「CSが最高の仕事」だと伝えないといけない。
”CSの良さを伝える人間”として”興味を引ける”"わかりやすさ"にこだわった結果、「カスタマーサポート エバンジェリスト」という新しい肩書を作り、活動しようとなったのだ。
2年前「カスタマーサポート エバンジェリスト」を名乗るにあたり、なぜ「異常なほどCSが好き」なのかを、整理しようとじっくり考えたことを覚えている。
人に伝えるためには、感情ではなくロジックも重要だ。つまり、記事のタイトルである”カスタマーサポートに一生を捧げる価値はあるのか”を考えたのだ。
先に答えを書いてしまうと、「世界を変えることが出来る」が故に、CSには価値がある。
例えば、どこかのサービスにおいて、とても良いサポートを行い、顧客体験を向上させたとする。
体験を受けたユーザーの満足度は、当然上がる。
満足度が上がるということは、そのユーザーの気持ちは”ポジティブ”なものとなったということだ。
もしそのユーザーがなにかのサービスでサポート業をしているとしたら。
自分が受けた体験を元に、これまでのやり方を少し変えるかもしれない。
もしそのユーザーがなにかのサービスではディレクターだとしたら、もしCEOだったら。
カスタマーサポートの良い点は、決して自社の改善だけにとどまらないところだ。
自社のユーザーは、他社においては運営であり、サービス提供側である。
いちカスタマーサポートの改善が、少しずつ広がり、連鎖し、直接つながりのないものにまで影響を及ぼすのだ。
つまり、世界を変えていくことになる。
この考えに至った時、変な肩書だと笑われたとしても、少しでも「カスタマーサポートの本当の価値」をわかってもらえるなら構わないと覚悟がきまった。
世界を変えられる仕事だからこそ、カスタマーサポートには一生を捧げる価値がある。
私はそう考えている。
この記事を読んでいただいた同じCSの方にも伝えたい。
あなたの仕事には一生を捧げる価値がある。
CS HACKの運営費として業界を盛り上げるのに使います!