讒文芝居

●最近の此の曲弩豪い。

最近は、嘗てはバンドが創り演ってた事も手練プロデュースの下に
アイドルが演るのが流行りらしい。
パフュームはテクノ・ポップ。東京女子流はファンク。
ベイビー・メタルはメタル。
…等等。此のビッシュは「パンク」らしい。何れも活躍目覚しい。
ラジオを流し聴きしてて此の曲を知って、一通り楽曲を辿ったのだが、
ビッシュの他の曲は広義のパンクっぽいのに

此の曲は、広義のパンクっぽく無い。
(ニュー・ウェーヴやジョー・ストラマー的なアレを云うと限が無いので)
明瞭云って、異質。何方乎と云うと、
ピンク・フロイドの「ハイ・ホープス」やサカナクションの違和感、快感、
壮大さや奥深さに似た、最適難解性。原始にも未来にも通じる、
時代を選ばぬ個人の深層意識の奥底「泣き決った果て」を感じる。
飽きの来なさが群を抜いて居る。
浅学喃自分の勘違いで無いなら、世界に通用する名曲で在る。

殊に、最近モンド・グロッソにもフィーチャー然れた
「アイナ・ジ・エンド」さんの歌声が巧い下手を超えて居る。
作曲の松隈ケンタさん作詞の渡辺淳之介さんと並んで、只者では無い。

●最近の此のバンド弩豪い。

棄て曲が無いので、全曲紹介してえのは山山だが、便宜的に話題にし易いので此の曲。

ビッシュとは真逆で、バンド(ユニット)形態だのに
やけにアイドルっぽい。片やオレサマ。
ディスコ、此のPVにも解り易く出て来るが、ダフト・パンクの流れを汲む
ニューロマやファンク、レトロ・ポップを基調に物凄い多幸感が在るのに
歌詞も結構深い。インディーズ時代のアルバム一枚目は、
H△Gのヴォーカルの御仁の歌が殆どで、新生メジャーに為ってからは、
数曲し乎歌って無かった「ぽん」さんがヴォーカル。

実は本腰を入れるのを躊躇した時期が一枚目で
ワンダードライブ」と謂う曲から吹っ切れた様だし、同曲を一聴したら
其の吹っ切れっ振りが、如何に振り切って居る乎、即座に知れよう。
(あんまり真面目に調べて無いが)
彼女の歌声は所謂アニメ声だのだが、聴き込むだに、伸びや響きの好さ
印象が只可愛い御声や見目麗しいのみでは無いのに、
人に圧を与える凄味では無く「圧倒的温かみ」と謂う新しさに気附く。

自分が、此のバンドに入れ込んだのも、「ワンダードライブ」の
濁流の如く溢れる多幸感と希望の精度が規定値を超えて真に迫った為だ。
決して御為倒しでは無い。幸福過ぎて、泣ける。
マチズモ(男性優位主義)的に力技で説教や現実を衝き附けるのでは無く
自然と勇気と希望を温泉の如く浸透然せる、微に入り細を穿つ手際は、
嬉しき事ドナルド・フェイゲンの如し。
楽曲担当・小島英也さんの、多分、若いのに本質を知る慧眼と創意工夫に
甚だ、只只、感服脱帽する。