讒文芝居
●最近の此の曲弩豪い
①相対性理論「スマトラ警備隊」
②ピアノゾンビ「ゾンビの祭り」「世界平和ロックンロール」
最近は、買わずとも取り敢えずはユー・チューブやらで
真っ白からグレー・ゾーン迄の発信ので聴けて仕舞う。
から乎、ついつい、買い遁す楽曲群。
そろそろ買っと乎無いと「絶版」が怖い。
他人様選りゃ音源買う、けれどもアナログ・レコード買う程
アクセルを踏み込めない昭和生まれのおっさんは
想い出した様に寿命が大体25歳のノー・フューチャーな
CDと謂う音楽媒体を頃合いを鑑みて買う日日。
虚しい、けれども止められ無い。
イイ曲だがずうっと抛って於いたが
後生大事に事在る毎に聴く音源を漸く買ったが、多分二十年目の
CD音源を今回漸く手に入れ度。
然かも図らずも同じ主題や雰囲気。
多分、筆者の気分だのだろう。最近気象も落ち着かぬし、
体調を保つのがやっとのおっさんには恰度宜しい３曲を御紹介しよう。
「遣って来た恐竜街破壊」でいきなりの天変地異（カタストロフ）。
一時期、静かに一世を風靡し兼ね無乎っ度、世の「少女性」を煮詰めた如き
単為る「カワイイ」を通り越し度、一昔前のガロ系サブカル少女漫画の
生生しさを湛えた如き「やくしまるえつこ」嬢の歌声に
推っ法抜けるロー・ファイ且つレア・グルーヴやソフト・ロック、AORの
「かほり」がせんでも無いガレージ・ロックでもパンクや荒荒しさとは無縁の脱力っ振りだのに、不可解に懐かしくも恰好宜しい「スミス的」演奏の
「スマトラ」警備隊。
「我等は死ぬ迄、空っぽ。ゾンビでも無いのに」
とぞ、暗に云い含めるが「空洞」だと乎「空っぽ」だと乎は明言し無い。
矢張り筋肉少女帯とは真逆では在るのに、
妙に「ハードSFに炬燵を持って来たかっ度」と後年語った大友克洋や
脱力で在り乍らも変に切実喃
高橋るみ子の「うる星やつら」に勝るとも劣らぬ
「韜晦力」で不穏に80年代を差し入れる、矢張り於多久的
「何で其処に拘泥るの！？」に満ち満ちた
頃の気の毒な於多久野郎を虜にし度傑作
「究極超人あ～る」の如き不可思議喃歌詞世界。
所謂「セカイ系」では在るが「スマトラ警備隊≒ウルトラ警備隊」
に初まり随所に「下らぬ言葉遊び」が蔓延する
如何にも丹田に力が這入らぬ、ふにゃふにゃっ振り。
でも、切実。
「諦めセカイ系」又は「冷めちゃっ度セカイ系」とも呼べる方方が居る。
セカイ系選りもっと生生しく鬱屈的弱者感情（ルサンチマン）を
ダークに昇華しちまう拗らせ度向き。
「初から世界を半分諦めた乎の様な開き直り」が
捻くれ者の心を絶妙に癒すが
「諦めてます。虚しいです。でも音楽を鑑賞する悦び、諦め切れません」
って明言然れても、不憫で敏感喃サブカル野郎は
即・退散する。悪霊選りも余程退散し易さは雲散霧消選りも儚い。
其ん喃面倒な奴等の為の音楽は、更に
「ゾンビの祭り」で
真逆の「ゾンビ目線」で描かれる情緒、何故乎戦前の歌謡曲の如く
「電波に載り易い高音を態と出す」のを今や形骸化して居るのに
何故乎今更遣って居る。
「何で其処に拘泥るの！？」は、意味が無い理由では無い。
嘗ては夢や愉しい世界を夢見て居た彼等も
誰も所為でも無いが、絶対に叶わない、生まれ附き適わないの知って
「諦める」代わりに「興味を摺らす」のだ。
何一つないのならば アナタなど必要ない
一つだけ望むのなら アナタだけが必要
と相反して嘯くのも「僕は心が無いゾンビだから」
と偽悪為らぬ「偽哲学的ゾンビ」とも謂える照れ隠し。
だのに「諦め」掛けては居るが、諦め切れぬ心情を
他人には「此奴は諦めてるからさ。とは決して云われ度く無い
滑稽だ乎、怖いんだ乎判じ兼ねる意地を吐露して居る。
笑いを通り越して、一層意味不明でイイ。
でも其の一方、僕等を茶化して嗤って呉れ度ら、少しは救われはせんが
気分はイイ。
今では無い時代。此処では無い何処乎。
遁げられぬなら、責めて、浸って居度い。
其の姿が、「イタく」ても。
戦前や前時代の作法に則って、取り敢えずノンシャランに
現実から半分眼を背けて
何と乎、夢と現綯交ぜに明日迄生きてみよう。
と謂う健気だ乎、気持ち悪いのだ乎解らん「後ろ向きに前向き」と謂う
映画「エクソシスト」でリーガンちゃんが遣ったみてえに
矢ッ張り、滑稽だ乎、怖いんだ乎判じ兼ねる
「ブリッジの儘歩く」みたいに不器用にし乎世渡り出来ぬ我我。
「世界平和ロックンロール」はまあまあ諦めちゃ居無いが
「ゾンビの祭り」の前置きが在ってこそ、「腐った世界から呼んでる」
説得力が在る。
「諦め中二病」の申し子とも呼べる僕等の鎮魂歌が
流行り過ぎも取り沙汰然れ過ぎもせずに、創られ続けるのは
あんまり生きる気力も無く、未だ何と無く生きられれば喃ーと脱力しつつ、未だ未だサブカルを全面的には当面は卒業出来ぬ
悪鬼や魔王、勇者や王様、天才や鬼才、凡百の主人公に為り損ね度
どっこい、生きてる。無根性にて今生を生きる
「普通の」諦めゾンビおっさん、おばさんに捧ぐ為だろう多分。
知らんけど。
●相対性理論「スマトラ警備隊」
●ピアノゾンビ「ゾンビの祭り」
●世界平和ロックンロール