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讒文芝居

 今更、又候にも永山則夫の「無知の涙」を読んで居る。
色色と登戸の事件と重ね合わせて想うとこ御座り。
まあ、今回の犯人は、多分まあまあのインテリで永山とは真逆と雖も
根は違わぬ気がする。刑務所を出る時、
ちゃんとした刑務官は、ハウ・トゥ本選りも
哲学書や文学の名作こそを進呈すると謂う。

「生きる為の行動の時短(要領の良さ)」と
「生きる骨(コツ)」は全然違うのだ。
骨とは云っても「楽をする方法」では無い
「受け流す、考え続ける骨」だと想う。
其の昔に後輩が「如何したら楽に仕事が出来るんです乎」と云って来た。「否、仕事なんて一向に楽に為らぬよ。(楽な場所なぞ無いよ)
何と乎限(ギリ)で切り抜けるヒントなら与えられるけれど」
と云って於い度。

幾ら懇切丁寧に諭しても、些細(ち)っとも理解出来ずに彼は
「どんどん苦しむ」様に為っ度。「苦」から遁げるからだ。
「レビ記」のレビも品行方正で敬虔だったのに
崇拝する対象から酷い「苦」を蒙るのは、
彼氏が人生の苦境に引っ張り込まれる時に
神に指名然れるのを大層厭がったからだ。
避けられぬ運命をして「望んでいるぞと微笑む魂」が足りぬ乎っ度からだ。

 愚図愚図遣って居る裡に見得ない傷口をどんどん腐らせて、
軈ては壊死させて仕舞う。古今東西。
早めに「自分の運命」を「運が悪けりゃ死ぬだけさ」と
諦めを踏破する時のみ、躊躇や自己憐憫を乗り越える何者乎に為れる。
人間失格なんて太宰は云ったが、生きるのに資格じゃあ無く覚悟が要る。
何んな恥を掻いてもイイ。

生きて最後に笑う事が出来ればイイのだ。
何が幸福か不幸かはその上で考え直せばイイ。
だが、決して苦を避けて、楽を考えてはいけない。
途端に生きる事(生きて居る者)が莫迦莫迦しく為る。

京極夏彦「姑獲鳥の夏」でも出て来るが
生物と謂うのは、自然の状態では無い。だから直ぐ死ぬ。
映画「ゼロ・グラヴィティ」で厭って程想い知るが、
宇宙空間が丸で絶対の虚無の如く
此の三千世界は全くの無音で真空、真っ暗だのが
常態だのだ。



自然状態は平和状態ではなく、戦争状態である。
故に平和状態は創設されなければ為ら無い
(イマヌエル・カント「永遠平和のために」意訳)


 


 だからこそ「生きる」とは叛逆だのだ。
何時だって我我は、「対虚無」のか弱い抵抗勢力。だから大変だ。
巨対災」為らぬ「虚対災」は屹度、人類が滅亡する迄連綿と続く。

オリタナティヴ・アメンリカン・コミックス(映画にも為りました)
ゴースト・ワールド」の様に純粋培養の歪んだ安全地帯から
意に染まぬけれど、葛藤の末、業を克服して今迄を省み悔い改め、
真艫に大人に為る生き方を嗤うのは容易いが

本歌取りで、自分の出番が廻って来て、パス出来ない時に、
現実に覚悟を決められる乎否乎が人生で在る。
大逸れ足りせずに、恰好悪くてイイ。
神や悪魔や勇者、金満家実業家、風雲児、天才、普通なんざ
遣り度いヤツに、向いてるヤツに宿命のヤツに遣らせとけ
「自分的に立派」乎丈が問題だ。
別に苦労をする必要はないが結果としてそうなった場合にも
ゴールが一緒ならば厭わぬ事が、矛盾して居るが近道だ。

京極夏彦先生が、妖怪シリーズ中で繰り返しや
ヒトでなし 金剛界の章 」で描く通り、
中国神怪小説「封神演義」での闘いが善悪で無く
奈何ともし難い「殺劫(自他への破壊衝動、殺戮衝動)」の発散で在る様に

人間が人間を殺めて仕舞う事に動機は無いの乎も知らん。
其して、然う謂う人を差別する「何と無く様子が気持ち悪い」「疑わしい」
「最早間違った」から排斥するのも抹殺するのも違う。
能く「其ん喃風に見得無かったのに」って、
じゃあ「然う見得れば殺してて当たり前乎」と謂う事だ。
心情や気分のみで語っていったら本末転倒も甚だしい。

 マスコミも未だに犯人の部屋にビデオ・ゲームが在った、
猟奇殺人の内容の西洋の希少本が在っただのと捲し立てる。
もう、令和ですぜ。世の中。
で。んな事云ったら、筆者の家のがヤバい本だの満杯だし
デス・メタルのヤバいジャケットのCDが巨万と犇めいて居る。
明日には捕まるの?って別に日本国憲法に反して無いんで捕まらぬ。
殺意だって起こし易いが、行動せんので此れも大丈夫。
っての乎、思想犯が捕まり出したら其の国家はヤバいです喃。

割り切れぬ事と如何附き合う乎。
何れ丈、便利に為ろうが変わらぬ命題。否、便利に為ったからこそ
更に難解に為って仕舞っ度。
当人も然う。然し、我我も対岸の火事では無い。
良くも悪くも皮肉にも「人類皆兄弟」だのだ。


●サーフィス
「なにしてんの」

「それじゃあバイバイ」


●森恵「いつかのあなた、いつかの私」


●高橋優
「(Where's)THE SILENT MAJORITY?」
「陽はまた昇る」


●倉橋ヨエコ「今日も雨」

●ウルフルズ「笑えれば」


●米津玄師「LOSER」


●BiSH
「My landscape」
「HiDE the BLUE」


●井上陽水「自己嫌悪」


●BONNIE PINK「鐘を鳴らして」



●人間椅子
「深淵」
「さよならの向こう側」
「今昔聖」


●森川美穂「Yes,Iwill…」


●堺正章「この道の果てまでも」


●おぼたけし「果てしない闇の彼方に」


●串田アキラ「乾いた大地」


●Black Sabbath【和訳附】
「Sabbath Bloody Sabbath」
「Children Of The Grave」


●電気グルーヴ
「人事を尽くさず天命を待つ」