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①精巣がんになったので手術と治療の私的備忘録


この記事は、当時の自分の心境や経緯を忘れないための備忘録目的がメインで、副次的に今後同じような状況になった誰かの何かしらの参考になればよいと思い作成するものです。あくまで独り言です。

属性:年齢(当時)40台前半、妻、子供3人(小学生低学年2人と1歳児)、時間の都合は比較的つけられやすい自営業。

2023年6月9日(金)

【はじめての診察、まさかの診断】

その日は、出先での仕事が思ったよりも長引いてしまったので、仕事場に戻るのを諦め、夕刻に帰宅することにした。帰宅の途中、ふと思いついたのは、家の近くにある泌尿器科に電話して、今から診察してもらうことだった。電話したところ、診察が可能だと教えてくれたので、急いで自宅に戻り、自転車に乗って、そのクリニックに向かったことをよく覚えている。
実は、数日前から、左の睾丸に何か違和感のようなものを感じていた。左の睾丸が妙に硬かった。初めてそれに気づいたのは、去年の夏ころ、およそ10カ月前のことだった。比喩的に表現すれば、左は硬いゆで卵、右は半熟の温泉卵のような感触だった。しかし、その硬さはあるものの、腫れたり肥大化したりする感じはなく(多少の大きさの違いは感じたが、異常的な大きさではなく、感覚的には1割から2割ほどだろうか)、何よりも痛みはなかった。生活に特に支障はなく、また、泌尿器科を訪れた経験がない自分は、どこか足が遠のいてしまうようなイメージを抱いて、そのまま放置してしまっていた。
そして、痛みではなく、あくまでほんのりとした違和感のようなものだった。だから、焦るほどのことではなく、本当にたまたまタイミングがあって病院にいったという感じだった。今思うと虫の知らせみたいなものが働いたのかもしれない。病院で、おそらく自分と同じ年齢くらいの医師に10秒ほど触診され、すぐにエコー検査が行われた。そして、その後、医師は率直に「これはもう摘出しなければならないと思う。紹介状を書いて、大きな病院で早めに手術を受けないと」と、さらりと言った。
その一言に凍りついた。医師の口から出た言葉があまりにもさらっとしていて、驚くとともに混乱した。しかし、医師の表情からは、彼が冗談を言っているわけではないことが伝わってきた。
こうして、突然、自分の精巣を摘出しなければならない現実と向き合うことになった。さっきまで夕飯何にしようかなとか呑気なことを考えていたのに。
紹介状の病院は週末には診療が行われていないとのことだったので月曜日の朝、早速電話をかけて診察の予約を取った。週末、不安と共に時間を過ごしたが、まだどこかで検査を受ければ、手術を避ける可能性があるのではないかという微かな希望を心に抱いていた。



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