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雑記・SSSS.GRIDMANに見る「新しさ」の定義

先日、劇場総集編を観て高まったので、「SSSS.GRIDMAN」の最終回を再度、観ました。

アナザー・エヴァンゲリオン

私がこの作品に抱いているイメージは、エヴァの遺伝子を継いだ正統後継作というものですね。
そもそもエヴァンゲリオンというアニメが円谷特撮の色で描かれたSF作品だったのですが、あまりにも大ブームになり、精神描写や「未解決エンド」、綾波をはじめとするキャラ人気が話題の中心になり「特撮味」が語られることがほとんど無かったのです。
その後、エヴァに影響されたアニメが雨後の筍の様に作られた2000年代に、この特撮テイストを持った作品は無かったんですね。新劇場版の所信表明で庵野監督が「この10年、エヴァより新しいアニメはありませんでした」と言った通り、上辺をなぞっただけの模倣品しか無かったのでしょう。
作品名は挙げませんが、単発で埋もれていった2000年代のリアル系ロボットアニメは大方その属性を持っていると思います。

2018年の秋アニメだったこのグリッドマンは、93年の実写作品をアニメにリメイクしたものですが設定を流用しつつアニメオリジナルのものに仕立てています。私はリアルタイム視聴時から、エヴァに似ていると思いつつもしっかり特撮の持ち味を持つ、「アナザーエヴァ」だと感じていました。
同時期に仮面ライダージオウをやっていたのも影響していますが(笑)。
これは円谷作品からエヴァが生まれ、エヴァから広がったSFアニメの世界を円谷プロがキャッチして新作として送り出した、キャッチボールだと思っています。

この世の創作物は全てパロディ

全く斬新な、前例の無い物語…というのは存在しない。
これは脚本の勉強で教わった事ですが、物語のパターンは手で数えられる程しか存在しないんですね。色々な表現をされますが、たとえば私は…

・主人公が自分から動くか、巻き込まれるか
・主人公が成功するか、失敗するか

の、4パターンしか無いという考えをまず根幹に持っています。
あと脚本術の本だと8パターンとか、10パターンとか、様々に書かれていますがいずれも種類は多くなく、分類は単純だと言っています。
新しい作品も、過去の作品のいずれかの形にあてはまるという事ですね。

なので、裏を返せば全てにモチーフが存在するという事になります。
そのモチーフになったもの同士が新しいものを作りあう、その流れの中で生まれたのがこのアニメ版グリッドマンなのだと言えますね。
世界を作った新条アカネ…というのは、世界の命運を握るネルフやゼーレの存在に似ていますし、女性が強いのもエヴァっぽさを感じたりします。それでいて団結して世界の理を越えた敵を、絆の力で打ち倒すというストレートな作劇は王道の特撮番組、捻れのない円谷作品のそれだと思います。

放送当時から大変人気があり、続編のダイナゼノンや劇場版に繋がった事からも、大成功のパロディ作品でしょう。
「パロディ」と聞くと良い意味に取らない人も多いのですが、幾多のパロディの上に斬新さが生まれる、という原則を忘れないで欲しいですね。
スターウォーズでさえ、実は日本映画がモチーフなのですから。

創作者は、常時インプットを

自分に対する戒めになりますが、結局どこまでいっても創作は借り物になってしまうので、その「借り先」を増やすことは必須だな、と思います。
なので、社会情勢に目を向け、世の創作物をジャンル問わず吸収する。その上で自分の感性や思考により咀嚼する事を怠らない。
今、コンペ用に企画を考え中だったりしますが、自分の中にあるネタなどというものはあっという間に枯渇してしまいます、なので24時間365日、吸収、吸収、吸収が必要だなと実感します。

オリジナルから25年後に新作に生まれ変わりヒットしたグリッドマンの様な作品を描ける様に、創作の泉を新しい水で満たしていきたいと思っています。

無理かもしれませんが、新作映画でもアカネちゃんを見たいですね

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