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映像作品感想

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映画中心の感想集です
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2023年11月の記事一覧

映画感想「コーヒーが冷めないうちに」(Filmarksより)

見損ねていたのでレンタルで鑑賞。 ある条件付きで過去に戻れる不思議な喫茶店、そこに訪れる人々のドラマがオムニバス方式で語られる。 よくあるタイプの「泣かせ話」が続く展開だが、映画全体に流れる温かい雰囲気が人物への共感を後押ししている気がした。 二番目の夫婦の話、最後の母親の話ではしっかりと泣かせていただいた。 脚本的にもよく出来ていて、引きつける展開に問題解決の手法に閃きがあり爽快だった。 細かく粗を探せば、それはあるが指摘は無粋。 僅かな時間でも、心は変わる。 時間を

映画感想「ターミネーター」(Filmarksより)

言わずと知れた近未来SFの傑作。 シュワちゃんの出世作でもある。 タイムトラベル物のお手本という意味ではBTTFと双璧を成している。 とにかく、敵であるT-800の恐怖感は圧倒的。傷を修復するシーンのリアリティは30年前の作品とは思えず、そこからサングラス着用になるというディテールが素晴らしい。 サラとカイルのラブストーリーでもあるが極限状態で愛が芽生えるのは生理的なものだろうか、共感してしまう。 「一緒に過ごした時間は短かったけど、 私たちは一生分愛し合った」 映画の登

映画感想「ゴジラ➖1.0」(Filmarksより)

初日初回、いち早く「確認」に向かった。 終戦直後という時代設定の意味、ゴジラに立ち向かう方法は?色々疑問があったが、そのどれもが真っ直ぐに描かれていたと思う。 常々感じているゴジラ映画の弱点として、人間が添え物にしかなっておらずドラマパートが薄い、弱いではなく無意味であるというところ。今作は敷島という主人公が戦争を生き延びた男として敢然とゴジラに立ち向かう。棒立ちの人形のような主人公ではなかった事がまず、とても良かった。 加えて戦闘機乗りであることから、シン・ゴジラの矢口よ

映画感想「北極百貨店のコンシェルジュさん」(Filmarksより)

私用で映画館近くに来たので、上映時間的に手軽だと思い鑑賞。 動物ばかりが訪れる北極百貨店、そこの新人コンシェルジュである秋乃は誠実で一生懸命だが一癖二癖ある客たちに四苦八苦。 お客様に「NO」は禁句の高級百貨店で、秋乃は試用期間をクリアし本採用になれるのか…。 一見、絵本の世界のようなほのぼのした世界観で理不尽な労働を強いられるブラックコメディに見えるが、VIAと呼ばれる絶滅危惧種の客たちへの対応、その横柄な態度を交えて作品のテーマが見えてくると予想以上に大きな話だと驚か