#深夜の真剣TRPGシナリオ書き60分一本勝負

使用システム:ゆうやけこやけ(追加サプリ『ゆうやみこみち』使用)

場所・舞台:テーマパーク

登場人物:屈強な女

登場アイテム:古文書

登場する変化(エネミーは存在しないので):髪長姫 1ページ目後半

目的・目標達成:復讐


シナリオ:『あの日の君を蹴っ飛ばせ!』

・登場人物

かつての恋に縛られる蜘蛛神様「髪長姫

髪長姫に恋する図書館司書の女性「久根 新


・必要時間

30分~1時間


・【ふしぎ】と【想い】

 このシナリオで使える【ふしぎ】は10点、【想い】も10点です。


・物語の概要

[場面]数:2つ

 PCたちの住む町を守ってくれている土地神様・髪長姫様は大いに悩んでいました。
 森に迷い込んだ図書館司書の女性・久根新に熱烈なアプローチを受けているのです。
 同性同士であることも、人と土地神様であることも、寿命の差もまるで気にせずに真っ直ぐな好意を向けてくる心の強い新に、髪長姫様もついつい絆されてしまい、遂には新しく出来たテーマパークでのデートを受け入れてしまいます。
 ですが、前日になって髪長姫様はPCたちを呼びだし、新にデートの断りを入れて欲しいとお願いしてきます。
 新のことが嫌な訳でも、新しい恋が怖い訳でも無く、どうやらかつて交わし、悲しい形で終わってしまった前の恋に縛られてしまっているのが原因のようなのですが……?


・シナリオの展開

 [場面]は二つにわかれており、最初の場面では髪長姫様に呼び出され、新への惚気混じりでデートの断りを代わりに告げてもらえないかと頼まれます。

髪長姫「でぇとをするのが、何故怖いのか……己でも、説明できぬのだ……。新に、嫌われてしまっても仕方ないが……面と向かって、それを告げられるのは、辛い……」

 髪長姫様から話を親身に聞いたり、心や過去を探る特技を使うと、髪長姫様は最初はぐいぐい迫って来る新を避けていたけれど、今は心から彼女のことを好いていること、そしてそんな彼女との関係に踏み出せないのは、遠い昔の記憶も薄れてしまった恋にあることが判明します。

 第二の[場面]では町の変化たちや長く暮らしている町の住人達に話を聞くことで、髪長姫様のかつての恋について書かれた古文書が図書館に保存されていることがわかります。
 翌日のデートで浮かれている新を刺激したり傷つけたりしないようにしながら古文書を見せてもらうように交渉すると、実は髪長姫様のかつての恋は人間側が一方的に破棄した悲しいもので、人間その物を恨んでしまいそうになった髪長姫様自身が[さだめ]の特技を使って改変してしまったことがわかります。

新「こんな奴のせいで私の!わ・た・し・の!髪長姫様がずっと悲しい顔をしてるなんて、許せない!」

 新と共に髪長姫様の元を再度訪れ、この事実を告げると、髪長姫様は一時的に憎しみと怒りに囚われてしまいますが、新の真っ直ぐな愛情と「今、髪長姫様が幸せになることこそが真の意味で復讐になるはずだ」というPCたちの説得を受ければ、遂に彼女は古く悲しい恋を振り切り、新との関係を改めて前向きに受け入れます。

 翌日、精いっぱい人の娘に見えるように着飾った髪長姫様の手を引き、優しくテーマパークのエスコートをする新の姿をPCたちは見ることができます。
 悲しい恋など追いつくこともできないくらい、幸せそうに微笑み合う恋人たちの姿がそこにはありました。


あとがき

 矢鹿さんの呼びかけに応じて、一時間でシナリオを一本書き上げる企画「深夜の真剣TRPGシナリオ書き60分一本勝負」に参加させていただきました。
 一時間で書き上げるということの難しさと、その中でも自分の趣味嗜好を何とか捩じ込んでやるという執念の発露を感じさせる、面白い企画だったと思います。
 貴重な機会をありがとうございました!

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