二人だけの路 二 邂逅と戸惑い 3
四月十四日。時計の針がお昼を少し回った時間。私はJR京都駅で彼の到着を待っていた。
お気に入りのアクシーズデザインである蒼い花柄がポイントされているワンピースと、黒い蝶々が優雅に踊る髪留めを彩らせて、この人込みの中に佇んでいる。
『彼は一体、どんな服装を召し、そしてどんな顔を浮かべて私の前に訪れるのか…。』
そんな想像と共に過ごす時間の美しく素敵な妄想を抱きながら、彼の姿が現れるのを心待ちに妄想に耽(ふけ)っていると、携帯の着信音が鞄の中で激しく鳴り始め、私は思わ