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二人だけの路

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社会人で美容室を経営している男、岡田校季がお客様である一人の女の子、雨宮椿とであってしまった。  高校を卒業したばかりで、すぐさま愛媛から京都へと場所を移してしまう雨宮に対し、様…
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#小説

二人だけの路 一 あの日の僕、そしてこの空の下で…。

 ラジオの音をダウンさせて窓を開けて外を見た。まだ肌寒い春先の風が、髪を軽くたなびかせて…

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二人だけの路 一 あの日の僕、そしてこの空の下で…。 2

 終業式が終わった夜、難波の某居酒屋にて、とんでもなく馬鹿騒ぐ打ち上げが催された事だけは…

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二人だけの路 一 あの日の僕、そしてこの空の下で…。 3

 それからというもの、自分なりの傑作品をいち早く認めてもらうべく、様々な出版社へと精力的…

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二人だけの路 一 あの日の僕、そしてこの空の下で…。 4

 前回この会社へと訪れたのは確か二カ月ほど前だったと思う。  数えではそんなに月日は経っ…

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二人だけの路 二 邂逅と戸惑い 1

 目が覚めると遠くから深い鐘の音が聞こえていた。  部屋に差し込む光も、この部屋へ薫り立…

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二人だけの路 二 邂逅と戸惑い 2

『何故ここまで緊張しているのか…。』    微かな胸の高鳴りを噛みしめていると、心地よい春…

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二人だけの路 二 邂逅と戸惑い 3

 四月十四日。時計の針がお昼を少し回った時間。私はJR京都駅で彼の到着を待っていた。  お気に入りのアクシーズデザインである蒼い花柄がポイントされているワンピースと、黒い蝶々が優雅に踊る髪留めを彩らせて、この人込みの中に佇んでいる。 『彼は一体、どんな服装を召し、そしてどんな顔を浮かべて私の前に訪れるのか…。』  そんな想像と共に過ごす時間の美しく素敵な妄想を抱きながら、彼の姿が現れるのを心待ちに妄想に耽(ふけ)っていると、携帯の着信音が鞄の中で激しく鳴り始め、私は思わ

二人だけの路 二 邂逅と戸惑い 4

 タクシーは心地よいスピードで路を進み、私達は古き良き京都の景色を堪能していると、出町柳…

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