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追憶のマンハッタン・レコード

おしゃれな繁華街にある、おしゃれなヤング洋品店のRodeo Crownsの前を通り過ぎようとした時、店頭のディスプレイに目がとまった。

「こ、こ、これは!?」

思わず二度見で立ち止まった私に気づいたショップスタッフの女子が、キュートな笑顔で教えてくれた。

「渋谷にある、マンハッタン・レコードというレコードショップさんとのコラボなんですよ♡」

うおー。

もちろん、現在のマンハッタン・レコードはもはやオレたちの考えるマンハッタン・レコードではないことは知っている。が、とはいえ。レコードストア・デイなどなかった頃から毎日がレコードストア・デイだった昭和のレコガールとしてはだよ。やっぱり、あの、日本一おっかないと言われていた(風評被害w)マンション系レコ屋が、おしゃれブランドとコラボしているのを見るのは感慨深い。

と、じーんとしながらパーカーやロンTを見ていたら「マンハッタン・レコード、ご存知ですか?」と聞かれるも、ここで「宮益坂にあった時から知ってますよー」とか「昔はねー、靴を脱いで入るお店だったんですよー」とか「もう、めちゃめちゃ敷居高くて、びびって本当にチビったソウルファンいると言われてるお店だったんですよー」とか言ったら、今、それはあまりにもリアル『不適切にもほどがある!』だなと(笑)。ぐっとこらえて「あ、知ってますよー」と軽く答えたら、「あ、知ってるなんて、おばちゃんすごいー」みたいなリアクションしてもらえたのでよかったです。

やっぱ、沈黙は金だな(違)。

そんなわけで、結局、かわいいデニムシャツがあったので買ってしまった次第。

背中にマンハッタン・レコードって刺繍してあるのが、めっちゃカッコいい。

まぁ、若者にとってはふつうに「音楽大好き♡」くらいのポップなデザインなのかもしれませんが。なんか、わしらにとっては日本のソウルミュージックの代紋みたいな感じじゃないですか。違いますか。
て、これもまた『不適切にもほどがある!』みたい話ですね。すんません。

あ。
ねーねー、もし、今、マンハッタン・レコードのトイレのオーティス・レディングのポスターの裏にある穴から、昭和の宮益坂にタイムスリップできたらどうします? トイレから出たら、そこはマンションの一室で。みんな、靴脱いでレコード見てたら…。どうします?

どうもしねえか。

ノベルティで、マンハッタンとRodeo Crownsが裏表のレコ袋をくれた。お店の人はレコ袋とは言わず、ショッパーって言ってたけど。裏表。大滝詠一とチャカ・カーンみたいだね。ちがうか。

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