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ドライバーズライセンス取得騒動記

日本の運転免許証をオランダのドライバーズライセンスに書き換えることができるという情報は、オランダに来て初めて知りました。シェアスクーターのFelyxは、日本の免許証を登録したらそのまま乗ることが出来たので、免許証の書き換えまでは必要ないかなと思ってたんですが、例えばIKEAに買い物に行くとき、雨の日の子どもの送り迎えなど、車があれば楽だなと思ったことはあります。


デルフト市役所

なるべく所有物を増やしたくないので、必要と不要の間で迷っていますが、日本のTIMESのようなカーシェアリングサービスがいくつかあって、台数は少ないですが気軽に借りられるようです。そのためには、こちらの運転免許証が必須ではありますが。そこで、やっぱり運転免許証を書き換えようと思い立ちました。


手順としては

  1. 日本の運転免許証を日本大使館で翻訳してもらい、書類を作る

  2. CBR(ドライバーズライセンス管理局)のウェブサイトで、身体的な不具合がないことを証明する書類を作る

  3. 証明写真を撮る

  4. 市役所の窓口で(1)〜(3)書類と日本の運転免許証提出。パスポート、IDカード提示

  5. RDW(オランダ運輸局)からの可否のレターを受け取る

  6. 市役所でドライバーズライセンスを受け取る

  7. 日本大使館に送られた、日本の運転免許証を受け取る

という流れです。

日本の免許証は今年の誕生日が更新のタイミングで、新しくなった免許証で書き換えようと思いました(これが後々にトラブルの原因になる)。しかしながら、コロナ禍で飛行機がキャンセルされ帰国が約1カ月程度遅れ、本来の更新のタイミングは逃すものの約1カ月過ぎて無事ゴールド免許となりました。

真新しい免許証を持って日本大使館に出向き、翻訳の依頼をし、1週間後書類を受け取りました。同じ時期にCBRのウェブサイトで身体チェック(四肢の不具合や視力、精神状態、病歴などを、問診票に答えるように)を行い、その結果のPDFを受け取り印刷します。

トラブルその1「身体検査で質問を勘違い」

ここで一度トラブルがありました。視力のところで「メガネなどの矯正をすれば良好な視力を得られますか?」の質問を「メガネなどの矯正をしても良好な視力を得られませんか?」と勘違いして真逆の返信をしてしまい、「眼科医に行ってチェックしてもらってください」という返事が…。

いやおかしいぞ…。もう一度チェックしなおそうとすると新たに€37ほど支払わなければいけないようですが、上記のミスの修正をして無事「問題なし」のPDFをゲットしました。後日、電話で「この2回の申請は、当初間違ってチェックしたものであり、1回分をリファンドしてほしい」と伝えたら、しばらくして無事返金されました。

免許証の翻訳書類、CBRの身体チェックOK書類、証明写真、日本の運転免許証を用意して、いざ市役所の予約を取ろうとすると夏のバカンス時期と重なりアポイントが取れたのはなんと50日後(!)。「10月の一時帰国に間に合うんかな?」という小さな不安が後に的中することとなります。

トラブルその2「日本の免許取得日が今年だった」

ようやくやってきた申請日に書類を全部提出し、市役所窓口のおじさんは「オッケー」と親指を立ててくれたんですが、約3週間後「あんたは、免許証を取った国で185日以上滞在していないことになっとるで」というレターが届きました。免許証の書き換えのためには自国で185日以上の滞在歴が必要で、免許取得後すぐにオランダに来た場合は、オランダでの試験に合格する必要があるとのことです。

そんなはずはないよ、私は自動車の免許を18歳で取ったので約40年間日本で暮らした履歴があります。そこでハッと気づきました。そう、免許の更新時期がずれたので、免許の交付日が今年の4月に…。免許証の上では大型自動車も大型二輪も全て、今年4月に取得したことになっていたのです。

そこで、この書類の発行元のRDW(オランダ運輸局)に電話して、「もう40年も前に免許取ってるけど、書き換えで今年の日付になっちゃったこと」を伝えると、

RDW「それ以前の免許証を持ってないの?それのコピーを送ってくれたらいいわよ」
私「免許の書き換えで、古い免許証は取り上げられるんよね」
RDW「そうよね。それはオランダでも一緒だわ」
RDW「日本の行政機関に言えば以前の免許証の証明書を取れると思うわよ」
私「でも、今すぐには日本に帰れないし…」

ここでもしや?と思って過去のiPhoneの写真を探っていくと、なんと!!以前の免許証を写真撮っていました。
日本大使館に電話して

私「免許証の書き換えをしようとしたら日付が今年で、必要条件を満たしていないことになっちゃったよ」
大使館「ふむふむそれで?」
私「実は以前の免許証を写真撮っていて、画像はあるんですが、それの翻訳ってしてもらえる?」
大使館「いやー、大使館では、『現在有効の、実物』は翻訳できるけど、画像や以前のものはだめなんよねー」
私「がっちょーん!!」
大使館「こういう相談は時々あるんやけど、地元の公安委員会で免許の履歴を発行してくれるらしいよ。それも英語のも作ってくれるって聞いたよ」
私「おお、それは知らんやった、ありがと…(しょんぼり)

ということで、コピーを取っていた以前の免許証に、令和とか平成の元号を西暦に書き加えて再送しました。
ふたたび、RDWに電話。

私「えっと、今申請中の*&%^&%$なんやけど、先週、日本の以前の免許証に翻訳つけて送ったんよね。今どの段階か教えてもらえる?」
RDW「おーおー、書類来とる来とる。古い免許証のコピーも来とるよ」
私「ふむふむそれでどうなるん?」
RDW「来週くらいに、私の同僚が審査結果のレターを送ると思うよ。到着までチョット待っててね」
私「オッケー、わかった」
ガチャ。

さて、こんなコピーで申請が通るのか…。そしてそろそろ一時帰国。その間に申請がリジェクトされたら…。

ドライバーズライセンス発行されました

上記の電話からちょうど1週間後、「デルフト市役所にあなたのドライバーズライセンスが届いてるので、予約をして受け取りに行って」というレターが届きました。ヤッター!!あのコピーでも大丈夫だったんだ!!なんと寛容な国、オランダ!!

「あなたの近くの行政施設にドライバーズライセンスを届けていますよ」というレター

ということで、デルフト市役所のアポを取り、受け取りに行きました。

私「私のドライバーズライセンスが届いてると思うんやけど、貰いに来たよ」
市「えっと、MR.OTANIね。もちろん届いてるわよ。チョット待ってて、取りに行ってくるわ」
私「おお!やっと手に入れたよ。ところで、このドライバーズライセンスはモーターサイクルも乗れるようになってるよね?」
市「ええ、そのようね。スクーターから小さいもの、ビッグバイクまで全部乗れるわ」
私「やっと手に入れたよ。本当にありがとうマダム」

受け取ったドライバーズライセンス

やっとのことでオランダのドライバーズライセンスは入手できましたが、ここでさらなる問題が…

トラブルその3「日本の運転免許返還が帰国に間に合わない」>解決策

ドライバーズライセンスを入手したのは帰国便の3日前。日本大使館に転送されているはずの日本の運転免許証の受け取りに間に合いません。帰国してから、公安委員会に「免許証自体がオランダの大使館にあるので、日本で運転するために代わりになるようなものが発行できないか」という問い合わせをしようと考えていましたが、なんと、オランダのドライバーズライセンスをもとにしたインターナショナルドライバーズライセンスを発行すれば、日本でも運転できるというハックを教えてもらいました。しかも、申請したその場でできるということです。

調べてみるとアパートから歩いて5分のスポーツ用品店(!)「ANWB」で申請できるようです。日本では国際免許って各地の自動車運転試験場でしか申請できないですよね。
でもオランダではスポーツ用品店!!日本の行政システムの無駄の多さを思い知ることにもなりました。

私「ハロー。インターナショナル*&^%^%^%$#&%$$##%^*&^^(口ごもってしまう)をアプライ…」
女性スタッフ「インターナショナルドライバーズライセンスの申請に来たのね。こちらのカウンターにどうぞ。顔写真はもってきた?」
私「もちろん!」
女性スタッフ「どちらの国のものが必要なの?」
私「日本なんやけどね。自分の国」
女性スタッフ「(写真を紙に貼り付けながら)オランダに住んでるの?」
私「うん、すぐそこ、デルフト」

ANWBのカウンターで約5分

私「それ、中国語書いてるけど、日本で使えるんよね?」
女性スタッフ「あー、アジアのいくつかの国の言語が書いてあるのよ。日本語ももちろんあるわ」
私「もひとつ質問していい?、これってモーターサイクルも運転できる免許よね?」
女性スタッフ「ええ、そうね。モーターサイクルと自動車、両方運転できるわ」
私「もう終わり!?なんとイージーな国なんだ!!」
女性スタッフ「(笑)」

ということで、お店に入って約5分でインターナショナルドライバーズライセンスを入手。これで日本でも運転できる!!

インターナショナルドライバーズライセンス。紙製で日本のものとそっくり

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