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ソリクン日本語ver.はなぜ凄いのか

<この記事の主な内容>

・KPOPの日本語ver.あなたはどう感じてる?

・本国にはあまりいないという「大人のKPOPファン」が日本にいる理由

・『ソリクン日本語ver.』の凄さ、徹底解説!
ここから読みたい方は『Thunderous』のMVまでスクロールしてください!一瞬で飛べます!(多分)

突然ですが、皆さんはご自身のお好きなKPOPアイドルの楽曲の日本語ver.について、どのような印象をお持ちですか?

(ここで言う「日本語ver.」とは、先に韓国語や英語でリリースされた楽曲を日本語で再リリースしたもの指します。最初から日本語でリリースされた楽曲は除きます。)

最高!日本語の方が歌詞が耳にすっと入ってきて、この曲をより好きになれる!」

「原曲に慣れちゃってるから原曲の方が好きだけど、推しが忙しい合間を縫ってわざわざ練習してくれたんだから、聴かない理由がない!」

「日本語になった途端なんだか違う感じがするから、いつも原曲しか聴いてない…

うんうん!さまざまな想いがあることでしょう。もうそれはその人のスタンスなのでどんな想いをお持ちでもよいと思います。ちなみに駄々はというと、

あ…大丈夫です…


という人間です。ってこれじゃようわからんか。えーっと、

「日本語ver.は残念ながらほぼ聴かない。が、日本のテレビなんかでパフォーマンスをするのは観たい。その際やはり大抵日本語ver.が披露されるが、本人らがやり易いであろう原曲で、その下に日本語字幕を付けてくれれば(洋楽アーティストなんかと同じように)いいと思っている。日本のライブやフェスでも、原曲でやってくれて全然良い」

タイプです。(説明ながっ!)

というのも、まず駄々くらい大人になってしまうと、KPOP楽曲の歌詞に心奪われるというのは残念ながら非常に稀です。邦楽でも中島みゆきの「ファイト!」ぐらい重厚感のある歌詞だったり、何かその人にしかない世界観のある歌詞(椎名林檎など)ぐらいしか響かなくなってきます。(あくまでも私や私の周りの傾向にすぎませんよ)

勝つか負けるかそれはわからない 
それでもとにかく闘いの
出場通知を抱きしめて 
あいつは海になりました

ファイト!闘う君の唄を
闘わない奴らが笑うだろう
ファイト!冷たい水の中を
ふるえながらのぼってゆけ

(Uta-Netより。中島みゆき『ファイト!』の一節)

(最近UQのCMでよく見かけるようになった女優の満島ひかりさんが以前カバーしていたのも良かった。)

んじゃあ「なんでKPOP聴いてるの?」と思われますか?理由は単純です。「主に歌詞と違った部分で魅了されているから」です(音楽やMV、パフォーマンスなど)。もちろん、先ほども述べたように「歌詞が素敵だな」っていう楽曲にも時には出逢いますよ。稀だというだけで。

本国でKPOPはほぼ学生しか聴かないというのもそういう理由ではないでしょうか。韓国語がわからない私みたいな人間には、言葉ではなくまず音や映像がスッと入ってきます。「言葉が入ってこない(日本語で歌っていない)」ということが、本国ではほとんどいないという、私のような「大人のKPOPファン」を生み出す要因のひとつになっているのでは、と個人的な憶測です。

(こちらの動画で韓国人のがんちゃんさんが「本国では中高生くらいしかKPOP聴いてない」と語ってらっしゃいます。)

それから、私自身の苦い思い出も影響しています。私が大好きな、あるグループが日本語ver.もリリースするグループなのですが、ほんと、ごめんね…ほんま言っちゃ悪いけど

ひどいのです…涙

「ここの助詞は取っても差し支えないし、原曲のメロディーにもハマるのになんでしないんだろう?」みたいな、正直「雑に制作してんな…」と感じざるをえない部分があったり、おそらく「本人らが発音しにくい日本語が使われている」とか「本人らが練習する時間がなさすぎる」などによって、結果かなり拙い日本語での歌唱となってしまい、原曲に抱いていたような「カッコイイ!」
という感想からはほど遠い、なんともモヤついた気持ちになること幾度…です。

「その拙い、頑張ってる感じが良いんだよ!」という方もいらっしゃるでしょう。それはそれでいいんですよ。ただ「私は」ね、たとえばTWICEの楽曲とかだったら拙くても「頑張ってるね!可愛いね!」で済ませられそうなのですが、上記のような場合は済ませられないタチのです。なぜなら「拙い」は「可愛い」と結びつくことはあっても「カッコイイ」とは相性が悪いと思っているから。

(TWICEちゃんはそもそも日本人3人おりましたわね。んでこの『TT』の日本語ver.もすごく良かった記憶。)

と、まぁつらつらと述べてきましたが、まとめると「まずそもそも歌詞にそれほど重きを置いていない」そして「自分の好きなグループの日本語ver.に愕然としてしまった経験」から、いつからか日本語ver.敬遠派となってしまったのであります。(本人たちは頑張っているだろうに、こんなこと言ってごめんね!でも、日本語ver.を聴かなくなるだけであって、そのグループ自体を追わなくなるとかは一切ないです!)


が、しかし、先日CDTVに私の大好きなStraykidsが出演すると聞きつけ、チェックすることにいたしました。スキズについては『神メニュー』の日本語ver.の冒頭

「ね そんにむ(はいお客様)」
「おそ おしっぷしお(いらっしゃいませ)」

を、そのまま「お客様〜、いらっしゃいませ」としなかった(するやつおらんやろ?って?いや〜しちゃうとこあると思うよ私は…)ということで、私の中では「信頼できる日本語ver.をリリースしてくれるであろうグループ」(ほんま上から目線で何様なんやろな、すいません)ではありましたが、

以前の記事でも述べたように何しろ私は新米STAYの為、日本語ver.は『神メニュー』しか聴いたことがなく、「どうしよ…ソリクン日本語ver.…大丈夫かな…」と若干の不安はありました。

以前の記事(最新順)

そして…ソリクンの日本語ver.のパフォーマンスを観終わった感想としましては、やはり私はこれからも原曲を聴いてゆくことにはなりそう(残念ながら)なのですが、「ソリクン」の日本語ver.には大変感動いたしました。その時のツイートです。

前置きが長くなりましたが、今から「ソリクン日本語ver.」の一体どこが凄いと思ったのか。

存分に語らせていただきます!!!

ソリクン日本語ver.ここが凄い

1.「ソリクン」をそのまま使用した

(以下画像は全てMVより)

「そりゃソリクンはそのままでいくやろ」って?いやぁ〜私は「歌い手」ってしちゃうグループあるような気がするなあ…。あ、ソリクンってしちゃったら、初めて聴いた人が何それ状態に陥るんじゃないかって?うーん…じゃあ「歌い手!」つってダサい方を取る?ソリクンが何かなんか調べりゃわかるんだから、これはそのまんまでいいんだよっ!(あくまでも個人の感想です)

2.「ぶちまける」ではなく「ぶちまけr」

今回のキリングパートっていうんですかね?印象的な「はーなるねーべっち とぅえっとぅえっとぅえっ!」の部分。あ、これは「私にはこう聞こえる」で、本来の韓国語がどうかは存じ上げません。

で、この部分、以下が原曲和訳(もっと正確な和訳もあるかと思いますが、あえてYoutubeの字幕を採用しています)と日本語ver.なのですが…

原曲和訳: 言いたいことを吐き出す

日本語ver.: 
ぶちまける また 

よく聴くと「ぶちまける」ではなく「ぶちまけr」なんですよね。こうすることで「ける」とその後の「また」が繋がり、「はーなるねーべっち」の「ねーべっち」と限りなく近くなり、原曲のリズムを崩さないことに成功しています。

3.原曲のリズムを崩さない

そう!その「歌詞の意味を大きく損なうことなく原曲のリズムも崩さない」妙は、その他さまざまな場面でも確認することができます。

こちらは序盤のジソン君のパート。

1番上のモールス信号のような記号は、原曲のリズムを簡易に表したものです。その下が日本語ver.の歌詞。1番下が原曲和訳です。見事な変換ですね。

お次はこちらのアイエン君、それから後半では先程のジソン君が担当するこのパート。

:原曲のリズム
:日本語ver.
:原曲和訳

それからアイエン君の美声光るこのパート。

:原曲のリズム
:日本語ver.
:原曲和訳

中でも唸ったのがこちらの終盤リノ君のパート!

:原曲のリズム
:日本語ver.
:原曲和訳

「元々ひねくれてる」を「根は不敵」
そして「歌声は100人力」を「音じゃ無敵」見事な変換&韻踏み。いやぁ〜すごい!

※ごめんなさい!画像最後Shoot to kill です。

4.リズムを崩さずなおかつ韻を踏む

他にも見事な韻で魅せてくれたパートをご紹介しましょう。こちらのヒョンジン君のパート。

私にはこう聞こえる:
ぐれだどろっそりそりそり
いごどこぎちゃなそ どりどり
原曲和訳:
そう みんな うわごとごとごと
あれこれ面倒くさくて いやいや
日本語ver.:
周りはTalk 皆、皆、皆
あれこれうんざり いやいや

原曲が「そりそり」と「どりどり」(oi)で韻を踏んでいるのに対して、日本語ver.は「皆皆」と「いやいや」(ia)で踏んでいますね。

そして私が「え?原曲やん?」と思うほど驚いたジソン君のラップパート。

私にはこう聞こえる:
out ofばんじゅん おれりこれり もしねちょてりやんじゅん
ばーくっ ちょとどてらお ちもてよぎぬぱーどぅる
原曲和訳:
out of 眼中 オルレリコルレリ(やーいやいの意)カッコつける様が可愛い 足元にも及ばない ここは俺の場
日本語ver.
Out of 眼中 何も知らぬ奴らマジで単純
完全違うレベル今日も揺らす観衆

ちょっと「私にはこう聞こえる」が分かりにくいかもですが、太字の部分で韻を踏んでいるのがなんとなくお分かりいただけるでしょう。そして日本語ver.も同じ場所でばっちり踏んでいます。意味も、「やーいやい」という囃し立てるニュアンスが見事に「マジで単純」という嘲笑的な日本語で表され、「足元にも及ばない」は「完全違うレベル」、「ここは俺の場」を「揺らす観衆」。いやあ〜参った!!

5.“歌詞っぽい”表現

こちらはスンミン君、そして後半ではアイエン君担当のパート。

原曲和訳:悪党の輩に熱い血が回って体中に流れる

日本語ver.: 邪魔する奴ら前に この血がたぎる

原曲のリズムを崩していないのもそうですが、「血がたぎる」と、ちゃんと“歌詞っぽい表現”が使われているのは、日本人として嬉しくなります。

6.そこ訳す!?というところまで訳す

このチャンビン君のゴロゴロドッカーン⚡️の部分。私マジビビりましたよ笑

原曲和訳:ゴロゴロドッカーン 雷

日本語ver.:Urr ガンガン Like 落雷 Boom!


んええええええ!?!?!?!?!?

ココ訳すのぉおおおお!?!?!?

「Urr ガンガン Like 落雷」てアンタ…
全然、

ぐるるるるどぅわっぱっぱっぱっぱっぱどぅーん!

とかでもええのに!!!(凄いね)

7.スキズの日本語力

(私が視聴した『CDTV』の様子が公式からあがっていますね。特にジソン君は1人抜けているように感じます。あなた原曲歌ってる?)

序盤で引用したわたくしのツイートを覚えていらっしゃいますか?

ここまでほぼ『Thunderous(原曲)』を『ソリクン-Japanese ver.-』へ変換させた方の素晴らしさを語ってきましたが、スキズ自身の素晴らしさももちろん感じています。日本語ver.になった途端、本国や海外で見せていたようなパフォーマンスでなくなってしまい、「あぁ、日本語に気を取られているんだな…」と見ていて切なくなってしまった経験が幾度かあります。

けれどもスキズは、少なくとも私が知っている『神メニュー』日本語ver.『ソリクン』日本語ver.ではいつも通り(原曲を披露している時と変わらない)のパフォーマンスを見せてくれました。日本も“本気で”獲る(言い方アレやけど)つもりでいてくれるような気がして、私はこれからもスキズに関しては原曲・日本語ver.どちらもチェックしていきたい所存です!

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