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外国人に学んで欲しいおたく文化

 おたく(オタク、ヲタク)とは、1970年代に日本で誕生した呼称でありポップカルチャーの愛好者を指す言葉だったのです。
元来はアニメ・ゲーム・漫画などの、なかでも嗜好性の強い趣味や玩具の愛好者の一部が二人称として「お宅」と呼び合っていたことを揶揄する意味から派生した術語で、バブル景気期に一般的に知られはじめました。その頃は「お宅族」、「オタッキー」、「オタッカー」と呼ばれていました。明確な定義があるわけではなく、現在はより広い領域のファンを包括しており、明るくクールなイメージの言葉にすらなって来ました。
 英語では「ギーク(geek)」「ナード(nerd)」という表現もありますが、本来のおたくの意味とは少し違う意味で使われているような気がします。
 好きなものに拘り没頭し、とことん迄品質を極めて行くのが日本人の特徴だと言うことが出来るのですが、この思いに共感する人々も世界中には大勢いるので、おたく文化は世界でも認知されているのです。
 おたく達が熱中するカテゴリーの中での人気の順位は、漫画とアニメのそれぞれ600万人超級の支持者を筆頭にアイドル、オンラインゲーム、同人誌、ライトノベル、声優、フィギュアの順に続きます。
ナルト、ワンピース、ポケモン、ドラゴンボールなどの漫画アニメは世界でも大人気ですし、メッシ、ネイマール、アンリ等の有名プロサッカー選手達のように、日本アニメのキャプテン椿に影響を受けてプロになったサッカー選手も沢山いるのです。
日本アニメは、背景や登場人物、小物などにいたるまで、美しく繊細に描かれています。たとえば、空の色ひとつ取っても、単色の水色だけでなく、濃淡のグラデーションをつけているなど、アニメの枠を超えた美しさを含むものも多くあるのです。
日本アニメの特徴はハリウッド作品と比べて製作費が圧倒的に少ない事なのです。その分、絶えず新しい技法やアイディアを編み出さなければならないので、より大きな努力が必要とされるのです。
それだけにその人気は、国家、民族、言語、宗教、政治、経済、年齢に関係無く、世界中に広がって認知されているのです。
 一方で、毎年70万人を超える来場者が訪れる日本国内最大の同人誌即売会「コミックマーケット(コミケ)」ですが、例年は通称“夏コミ”が8月、“冬コミ”が12月に開催されますが、今年2020年は東京五輪の影響で夏コミがゴールデンウィークに前倒しで予定されていました。残念ながら今回の騒ぎで中止となってしまいました。
 おたくの日本三大聖地は、秋葉原、中野、池袋と言われています。その中でもおたくが発祥した元祖聖地は秋葉原なのですが、今でも漫画、アニメ、フィギュア、コスプレ、ゲーム、AKB、声優などのおたくが世界中から集まる場所になっています。
また1980年代前半には、原宿の代々木公園横に設けられた歩行者天国で、ラジカセを囲み路上で踊る竹の子族(たけのこぞく)と言う文化が現れました。
竹の子族とは、野外で独特の派手な衣装でディスコサウンドに合わせて「ステップダンス」を踊るという風俗またはその参加者の総称だったのです。
 80年代後半には、中野ブロードウェイにまんだらけが出現して、日本屈指のおたくビルへと変貌したのでした。まんだらけは、コスプレ店員と、暴力的な品揃えが特徴的なお店なのです。
 元々は漫画本の古書取引を確立した初めての会社で、現在でも中古本の取り扱いが最も重要な事業の一つなのですが、 フィギュア類やコスチュームなどの商品はもちろん、アニメ・ゲーム産業に関する貴重な品をとにかく何でも取り扱っており、オタク向けの総合デパートと言った方がいいかもしれません。
 日本のおたく文化は、今後も世界中のクリエイターが活躍出来る機会と市場を広げてくれて、世界平和にも貢献出来る絶好の文化なのです。
既にフランスではジャパンエキスポと呼ばれるおたくイベントが定期的に開催されており、大きな注目を集めるイベントに成長しているのです。
 日本人は、おたく文化を通じて世界中に仲間達を増やし、国家、民族、言語、宗教、政治、経済、年齢に関係無く人々を結束させて行くことが、今後の世界での使命なのだと考えるのです。

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