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ハプニングバーに行った話

何の前触れもなく全然毛色の違う話をします。これまでの真面目な記事は幻ではありません。そして書いている人もちゃんと同一人物です。

私には、所謂「ちょっとイケナイ」遊びをできる唯一の友達、Mちゃんがいます。この「ちょっとイケナイ」が指す具体的内容は、クラブの時もあれば、クラブであったり、つまり、主にクラブです。ナイトクラブです。

「ちょっとイケナイ」と表現しているのは、峰不二子みたいになんとなく大人っぽく妖艶に聞こえそうという理由だけです。

Mちゃんとはアルバイト先で仲良くなりました。このMちゃんがまたぶっとんだ子(褒め言葉)で、普段は人見知りで内向的な私も、頼もしい彼女といるとなんだか随分大胆不敵になれるのです。

クラブにばかり行っていた私たち(そもそも内向的なお前がなぜクラブに?という疑問についてはまた今度)がハプニングバーへ赴くきっかけとなったのは、ハプニングバーなるものがあるらしいという話を私からMちゃんに振ったことでした。

さすがのMちゃん、その存在をとっくに知っていたようで、2人とも興味あるのなら行ってみない手はないと、早速お店を探しました。

都内のとあるハプニングバーです。行ったのは2019年の冬頃だったので、少し記憶が曖昧なところもあるかもしれません。

そのお店はWeb上でざっくりとだけ位置情報が掲載されていて、お店に行くには店舗への電話が必要でした。とはいえ電話で詳しい道順を教えてもらうだけなので、難しいことはありませんでした。

夜9時頃、お店到着。外からはそうしたお店だと分からないよう、入口に看板などはなく、ぶ厚そうな扉があるだけです。1人だったら間違いなく踵を返していましたが、Mちゃんと一緒ならば大丈夫です。おそるおそる壁にあるブザーを鳴らします。

中から出てきたのは、なんともかっこいいおねえさんでした。にこやかに私たちを迎え入れてくれます。女性の場合入店は無料。しかもこちらのお店にはちょっとしたバイキング(カレーやパスタ、サラダなど)までついていました。

薄暗いお店の中にはバーカウンターのような席が4つくらいに、ソファが並ぶ空間がありました。入店時に靴を脱ぐので、家のリビングのようにそのまま地べたに座ってもOKです。また、荷物はロッカーにしまって、店内ではその鍵を持ち歩く仕様になっていました。

私たちが入店した時点では、男女それぞれ先客が2~3人だったと思います。お酒を飲んだり談話をしたりと、みなさん思い思いに過ごしていました。特に普通のバーと変わりありません。せくすぃー過ぎる服を着た女性がいたくらいです。

お酒の料金システムはよく覚えていませんが、そのお店で1円も使わなかったので、恐らく、女性は無料とか、3杯まで無料といった設定だったと思います。

私とMちゃんはとりあえずお酒を頼んで、そこら辺の席に座りました。ほどなくして2人のお兄さんたちが話しかけてきました。ハプニングバー初めて?とか、女子2人は珍しいね、とか。そこから少し打ち解けていくと、どういうプレイが好きか、などのハプニングバーらしい会話へとシフトしていきました。

4人というほどよい人数だったのもあってか、いつしかボードゲームを始めていました(これ↓)。

まぁまぁな盛り上がりを見せている中、ふと奥の方から軽快な音が響いていることに気づきました。音のする方に目をやると、閉じたカーテンの隙間からわずかにマットレスらしきものが見えます。ソファからテーブルを挟んで向かい側の空間です。

おー、こんな感じでやるのかぁ。

はい、それくらいの感想です。ハプニングバーがどんなお店かは分かっていて入店しているので、まぁ、そんなに驚きません。ただ1人で無駄にドキドキしていました。もちろん周りの方も気づいていても特に何もリアクションはしません。それがルールです。冷やかしたりせずに、それまで通り振る舞うだけです。

こんな知ったような風で語っていますが、根はビビりなので友達から離れることなく2時間くらい滞在し、私たちはお店を後にしました。

行ってみての感想は、お客さんたちがハプニングバーという空間を大事にしているなぁ、ということです。世間の言う「普通」とは違うということは行っている本人たちも分かっているはずです。「外」にいる自分の知り合いたちときっと共有することはないし、そもそも話すことだってしないでしょう。

だからこそ、この空間にやって来たときには、そこにいる人たちとの時間を存分に楽しもうとしているように見えました。いつもは出せない自分の側面を出すことが許される空間で。

私が経験したのはそのたった1日の数時間だけでしたが、嫌がることを強要してきたり、トラブルを招くような人はいませんでした。

なんだかんだで印象深く残っているのは、あの笑顔で迎えてくれたかっちょいいおねえさまかもしれません。あの人に会うためにもう1回行きたいです。

あ、もちろん、行くときはMちゃんと一緒です。



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