写真

その日は夏真っ盛りの8月でした。
私達はレポートも終わらせて特にやらなければいけない事とかも無かったので、サークルメンバーの中から希望者を募ってキャンプをしようか、という流れになったんです。
それで合計、8人集まったのかな。
その後お互いに用意する物とか決めて、その週の終わりに出発しました。

そこは何処にでもあるキャンプ場で、バーベキューに必要な設備とかも貸出してたので、私達みたいなミーハーでも充分に楽しめるように出来てました。
みんなで役割分担したら思いの外すぐ準備が終わっちゃって。
17時くらいだったかな、まだ早いしみんなで話でもしようって誰かが言って、そうなりました。

夏の日、山というシチュエーションだったのも影響して、話題の殆どは怪談だったんですよ。
その時の話はみんなどこかで聞きかじった話で、私は全く怖くなかったんですけど、みんなの受けはそれなりに良かったようで、夜に肝試ししないかってところまで行っちゃって。
みんな乗り気だったから、近くにおあつらえ向きな建物無かったっけ?って会話ばかりしてました。
それで近くに廃墟が有るのがわかって、暗くなったら行こうとなりました。

廃墟は所々崩れかけていましたが、入れないことも無いという感じでした。
鍵も朽ちていたのであっさり入れちゃって、皆ウキウキでしたね。

それから1時間くらい怖い怖いって、雰囲気出しながら家中回ってみたんですけど、やっぱり都合よく心霊現象なんて起きないものですね。
その時サークルの先輩が「写真撮ったらなんかあるかも」って、今まで回った部屋とかを全部回り直して合計で何十枚と撮りに行ってました。

先輩が戻ってきて全員でそれらを確認したんですけど、それにも全くなくて、なんだか肩透かしだねって、こんだけ撮って1枚も無いのは逆に才能だよって軽口叩きあいながら笑いあって。
折角だから廃墟をバックに記念写真撮って、その後は何事もなく過ごして、次の日に解散しました。


それから1週間ぐらい経って、写真を撮った先輩がサークルのグループLINEに
「こんなの居たっけ?」
という言葉と共にあの時の集合写真を送ってきたんです。
そこには、サークルメンバーの他に青白い顔をした女が立ってて。
しかも位置が私達より前のはずの場所だったので、誰も気がついてないのはおかしいんですよ。
それで皆どういうこと?って本人に対してLINEを返すと、

「ドッキリ大成功〜🎉」

どうやら何も無かったのが悔しくて、それなら自分で写真を加工して無理矢理作ってしまおうって思ったらしいそうで。
何やってんだよ〜みたいな事皆が送って、そんな感じで会話も終わりました。

はい、遺影もその写真のものを使ってます。


お悔やみ    8月9日遒コ縺九↓縺ゅ?譌・隕九◆繧薙□

██ ██さん(2縺ァ繧ょ?逵溘↓縺ッ蜀吶i縺ェ縺

ご冥縺?縺九i縺ゥ縺?↓縺九@縺ヲ縺ソ縺帙◆縺九▲縺


https://note.com/dabundakenano/n/n769a563ab2c8

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