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★ホルスト「惑星」

何十年ぶりかで、ホルストの「惑星」を聴いた。NHK FMの「ブラボー!オーケストラ」という番組で、パシフィックフィルハーモニア東京というオーケストラの演奏である。サントリーホールで行われた演奏会の録音が2週に渡って放送された。
1週目は角野隼斗さんとの共演でトマス・アデス作曲の現代音楽だった。一度聴いただけでは何だかよくわからなかった。いや、演奏が素晴らしいのはわかる。だけどおばさんのポンコツ耳にとっては、不協和音の連続とつんのめるようなリズムは非常に難解なのであった。

で、2週目のホルストの組曲「惑星」を聴いてほっとしているところ。

改めて解説を聞いたりウィキを読んだりして知ったのだが、この惑星は天文学じゃなくて占星術寄りだったということ。だから地球は入っておらず、火星からスタートしていると。
あっそうかー!そうだったのかー!(今更何を言っているのか)
神話がモチーフなのはわかっていたけど、春分のスタートまで寄せていたかと。

牡羊座→火星(戦争をもたらす者)→マーズ
牡牛座→金星(平和をもたらす者)→ヴィーナス
双子座→水星(翼のある使者)→マーキュリー
とばして
射手座→木星(快楽をもたらす者)→ジュピター
山羊座→土星(老いをもたらす者)→サターン
水瓶座→天王星(魔術師)→ウラヌス
魚座→海王星(神秘主義者)→ネプチューン

一番派手で有名なのは木星。惑星の中では一番デカいし。だけど改めて聴くと、作曲者本人が気に入っていたという土星もいいね。時間の神様って感じ。ギリシャ神話だとクロノス。時計のことをクロノグラフともいう。宇宙空間に端が見えないくらいでっかい振り子がゆっくりと動いているイメージが浮かぶ。
冥王星は当時見つかったばかりで、その曲を作っている途中でホルストは亡くなってしまった。今となっては冥王星も惑星じゃなくなっちゃったけどね。まさかね、大作曲家が占星術習ってたとは。

この曲、演奏するときは全部通しで(木星だけとかはだめ)、とか合唱はステージの陰から、とか作曲家の注文がついているそうで、なかなか実際に演奏するのは難しいらしい。
で、例によって私が初めて聴いた「惑星」は、冨田勲版なのであった。あの作品は完全に宇宙船で旅をするというイメージで作られている。最初にロケットの打ち上げだし。「惑星」といえばこっちが先に脳内再生される(つか、中古で円盤買った)ので、オリジナルのオーケストラ版はかえって新鮮。今回は照明の演出もあったそうだし、生演奏聴いてみたかったなー。

ちなみに現在の夜空には火星も木星も土星も肉眼で見える。そんな小さい画面ばっかり見てないで、たまには夜空を見上げるのも良いですわよ。

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