ホイル漫画夜話 #在日あれやこれ

ぽんぬさんの自伝的エッセー漫画 #在日あれやこれ   がいささか炎上している。炎上について下記の様な【批判者への批判】を呟いたら【再反論】(とは言えないものも含め)をいくつか頂いたので解説しようと考えた。
非常に興味深い事象だからね(笑

1 #在日あれやこれ  ってどんな漫画?【大前提】

先ずは【作品の背景】をスッポリ読み飛ばす人が多すぎると僕は感じてる。

Ⅰ.登場人物は《作者》ではあるのだが【誇張されたキャラクター】なのである。この《漫画作法》を理解せず『助言者を硬いパンで殴るメンタルは~云々』等と言い掛かりのもホドがあるだろ(笑

Ⅱ.主人公の来歴-感覚。

主人公ぽんぬは在日4世であるが
①【韓国語が話せない】
②朝鮮学校には通っていなかった。
③曾祖父母の代に移住し祖父母の代から日本生まれ。

④納豆大好き(笑)な『自分は《日本人》』という《感覚》を持っている。

ココまでを【大前提】としてこの先を読み進めなければ【必ず誤読する

第三話選挙に行きたい

選挙権年齢が引き下げられた18歳のぽんぬは《同級生から非難》される。
何故選挙に行かないのか?『自分達の生きる社会を考える事は《私たちのことじゃん》』と。
在日である事をふせていたぽんぬは【笑って誤魔化す】しかなかった。

第三話を【大前提】を基に読めば【日本で産まれ日本で学び同じように育ってきた《同級生》との違い】に『どうする事もできない悲しみ』の話であり単純に『選挙権を寄こせ』などとは描かれていないのだ。

そして炎上第三話続き編

大事な点なので再掲する【日本で産まれ日本で学び同じように育ってきた《同級生》との違い】は《選挙権》だけではなかった。

ぽんぬは『自分がなりたいもの、やりたいもの、将来できるかもしれないって可能性』が【生まれた時から他の人より閉じられている】と【知って】他の同級生と同じように『自分達の生きる社会を考える事は《私たちのことじゃん》』と考えていた事を『くだらないと』思う事で消化しようとした。

日本人としての《感覚》を持ちながら日本社会の事を自分の事と考える事を否定される《存在》が『ぽんぬ』という【キャラクター】なのだ。

これは漫画であり、キャラクターは誇張されている。しかし『ぽんぬ』というキャラは【《現代》の3~4世代の在日韓国/朝鮮人】の《感覚》を表象したキャラなのである。
なのに単純に1~2世代へ言うが如く【国籍云々】【帰化云々】と批判する事は【メンタリティ形成は日本人とホボ変らない】人物に【メンタリティ形成が韓国/朝鮮人】である人物に対する言動をぶつけているのに他ならない。
なので【的外れ】だと僕は考える。

一つのコマに異議を唱える人々

さて、批判者の多くがココまで読み続けている可能性は低いだろうが(笑)
炎上のポイントはこのコマだろう。

『どうして私たちが不平等に屈しなきゃならないのさ!』
この台詞の【不平等】に対して批判者は『それは不平等などでは無い』と反発するのだと思う。

それは、
【国家】の決めたルールで決定している事。であり。
【帰化する】事で解決する事。だと【合理的思考と解決案】を【知識として知っている】故の反発である。

では『ぽんぬ』はその知識を【知らない】のだろうか?
なぜ反発者の多くは『ぽんぬはそんな事も知らないのかw』と考えてしまうのか?

『ぽんぬ』が知らないワケねぇだろ?

『私は自分の事を日本人だとも朝鮮人だとも思っている』
この【アイデンティティが並列した】《存在》である『ぽんぬ』は【実在する】のである。ソノ《感覚》は【アイデンティティが並列した】《存在》ではない僕には実際の所は計りようも無いが【実存する存在は無い事にはできない】のである。

批判する前に考えるべき事

批判をするなとは言わない。だが最低限の事は【知った上で批判すべき】だと僕は考える。
人間は誰しも大なり小なり矛盾を抱えて生きている。
ソノ矛盾した感覚をもった存在自体を【消そうとするな】
作者は『先ずは知って欲しい』と言っている。
矛盾を抱えながら生きている『ぽんぬ』という存在を知ってあげて欲しい。


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