王制社会から民主主義社会までの権力の分散

はたして権力とは打倒すべきものかとの答えを書く事がBIにとって必要な事であると僕が考えるのには理由があります。
それは、多くの人が信じている『人は労働の対価として賃金を得るべきである』が共同幻想である事を証明する為なのです。

賃金とは雇用主から貰うものですね。なので人々は雇用主(資本家)を『権力』と仮定して賃金闘争なんぞをやらかすのです。
民主主義社会では本来、雇用主と雇われ人に身分的上下関係はありません。
しかし、現実を鑑みると雇用主の方が身分的に上位に在るかのような仕組みが”資本主義”と呼ばれるものでしょう。

上記のような民主主義と資本主義の矛盾が格差社会を形成する一因であると僕は考えます。
ならば、民主主義的手法で資本主義を変えるべきでは無いでしょうか?

民主主義では資本家は【資本を出す仕事をした人】であり雇われ人は【労働力を出した人】でありその労働力の質に応じて賃金を支払う事は【資本家にとって効率的】だと考えられます。

質の悪い作業や効率の悪い作業には見合った賃金しか支払わない。

故に賃金とは作業をする人の信用度合いや信頼度合いによって変化するのが民主主義社会のBI制度として望ましいと思います。

このような考え方においてBI制度には最低賃金を一旦撤廃し企業の財政を圧迫する人件費を抑える役割を与えるべきだと思います。

以上のような事は王権制から民主主義への社会システムの進化が権力の分散化にあり、経済も個人の努力による賃金体系へ進化するとの予測から導き出されました。

なぜ権力が分散するのかは【権力者の矛盾】と呼ぶべき事があるからです。
国に例えると、王である自国の国民は賢くなくては生産性が上がらない。
しかし、賢過ぎると反乱を起こされる可能性が在る。
反乱を避ける為責任の所在を分散させる。
分散された責任者(領主)は評価を上げるため管理すべき領民を教育する。
教育を受けた領民は生活向上のため領主を担ぎ上げ王への反乱を起こす。

これが繰り返し起こり民主主義(個人の権力)まで分散されてきたと考えられます。

さて、話をBIに戻しましょう。
BIによって基本的生活が保障されると反乱は激減します。
生活の為に悪い環境で仕事する必要が無くなるからです。
又、逆に一般的には誰もがヤリタガラナイしかし、誰かがヤラナケレバならない仕事は高賃金が見込めます。

より広い家に住みたい。より良い車が欲しい等、人々の欲求は多様ですから高賃金を求めてそのような作業につくも良いですし又、遣り甲斐を求めて選択する人々も多いと思います。

大企業経営者側では最低賃金を気にせずその作業に応じた賃金を支払うことで、効率をあげ人件費の低い海外へ仕事を依存する必要が無くなります。

中小企業や伝統的技巧の分野でも賃金を気にせず経営者の人なりや技術継承を目的とする人々が会社を守ろうとする事が容易となりえるでしょう。

TPPの合意が決まった今後、日本産の製品のネックになるのは品質ではなく価格です。
価格を抑える為に必要な、人件費の削減や【賃金を気にしない労働】は必ず世界に対抗できる【高品質で安価なものづくり】を産み出せると考えられその為にもBI制度は早急に実施されるべきだと考えます。

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