見出し画像

色彩検定UC級 #4-3

色の誤認

 グレイと緑を区別しにくい人は、例えば緑色だと思って買ったトレーナーが、他の人から言われてグレイだと気付くことがある。
 こうした状況のことを色誤認と呼ぶ。

色覚タイプと色名呼称

 1型と2型の色覚タイプでは、赤みと緑みの感覚が弱くなるため、そうした色覚タイプの人が、ピンクと緑を「灰色」「グレイ」と呼ぶことがある。

 しかし、緑とグレイが同じような色に見える、ということはその人にとってその色は、緑ともグレイとも言える。

 そして、逆にグレイを「緑」や「ピンク」と認識することもある。

 1型・2型色覚の人は無彩色の場合、明度が高いと「ピンク」、明度が低いと「」と呼ぶ傾向がある。
 1型色覚では、青緑系の様々な色調の色を「灰色」「グレイ」と呼ぶ傾向がある。

有彩色の明度による色名呼称は以下のとおり。

  • 青緑~青~紫系までの色相範囲の色を、明度が高いと「水色」、中・低明度では「」と呼ぶ傾向がある。

  • 明度が高く彩度が低い色は色相に関わりなく「ピンク」と呼ぶ傾向にある。

  • 正常色覚において、「紫」は青紫~赤紫系の様々な色相の範囲に及ぶが、2色覚では中・低明度の狭い範囲の色に限定して使いやすい。

色誤認の傾向

1型と2型色覚における色誤認の傾向は似ている。

混同色のグループで大きく分類すると、

  • 赤と緑

  • ピンクと水色とグレイ

  • オレンジと黄緑

  • 青と紫

  • 緑と茶色

  • グレイと緑

  • 赤と黒

など。混同色がある場合、色名は一つだけでなく複数の色名が思い浮かぶこともある。

色誤認が起こりやすい条件

  1. 色の面積…小さい、遠くにある

  2. 色みの強さ…彩度が低い

  3. 照明…天気が悪い、照明が暗い

  4. 観察時間…短時間で区別を要求される

  5. 心理状態…急いでいる、先入観を持つ、注意力低下

  6. 色覚タイプ…1型・2型3色覚よりも2色覚

色覚の遺伝

 1・2型色覚は、性染色体にある遺伝子により、起こる。

 計23対のうち、22対を常染色体残り1対を性染色体という。

 女性はXX、男性はXY。X染色体に色覚異常が起こる。
 片方だけが色覚異常の遺伝子を持つ場合、色覚異常は発現せず、保因者となる。

X染色体すべてに異常がある時に発現する遺伝は、伴性潜性遺伝ばんせいせんせいいでんと呼ばれる。

振り返り

 色誤認。1型・2型色覚の方は、正常色覚の人と比較し、違う色に見える傾向にある。そのことを言う。

 色誤認しやすい色を習った。ここは暗記か。1型はL錐体、2型はM錐体に異常がある。Lは赤系~黄系。Mは緑系。したがって、ピンクや緑は無彩色であるグレイに見えてしまう、ということだろう。
1型と2型で誤認しやすい色は似ている、ということを習ったので、合わせて覚えると良い気がする。

色覚の遺伝は、X染色体に異常が起こると、発生するもの。X染色体のうち片方でも正常であればOK。(ただし、その場合は保因者となる。)
両方のX染色体に異常がある場合は、伴性潜性遺伝という。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?