09「1/10のロシアン・ルーレットを撃つべきなのか」ただしい人類滅亡計画―反出生主義を考える―
近代国家は滅亡の可能性を内包している
オレンジ:
「人類の不在は端的に言って不幸ではない」っていうのは、「人間が世界からいなくなったって構わない」ってこと?
レッド:
とんでもない発言だ!
ブラック:
そうかな? むしろ俺は、当たり前にみんなが受け入れている事実を改めて言い直しているつもりだがな。
考えてもみろ。人権国家と言われている国で、「出産が義務づけられている国」があるか? 先進国はどこも少子化問題に悩まされ、対策を打ち出そうとしているが、個人に生殖を義務付けてはいない。
オレンジ:
そんなこと義務付けたら、とんでもない人権侵害になる。
ブラック:
そう。国家は体制を維持するために人口を増やそうとするが、人権国家である限り、生殖を義務付けることはできない。あくまで子作りのお膳立て……「推奨」が限界だ。だから個人はみな「産まない」という自由を行使することができるし、国家はそれを否定できない。
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