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書籍『ただしい人類滅亡計画 反出生主義をめぐる物語』8/7に発売します

品田遊です。ふだんはダ・ヴィンチ・恐山という名前でふざけた記事を書いたり動画に出たりしています。

『ただしい人類滅亡計画 反出生主義をめぐる物語』という本を書きました。物理版・電子版ともに2021年8月7日に発売です。


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●あらすじ

全能の魔王が現れ、10人の人間に「人類を滅ぼすか否か」の議論を強要する。結論が“理”を伴う場合、それが実現されるという。人類存続が前提になると思いきや、1人が「人類は滅亡すべきだ」と主張しはじめ……!?

●どんな本なのか

倫理哲学小説です。この世界を滅ぼすために突如として現れた「魔王」が自分の使命に疑問を持ち「本当にこの世界を滅ぼす必要があるのか」について人間自身に討論させる、という筋立てとなっています。

●「反出生主義」という言葉に興味がある
●善や悪の仕組みに興味がある
●人生の生きる意味に興味がある

といった人にオススメです。

いわゆる「反出生主義」をテーマにしてはいるものの、デイヴィッド・ベネターなどの名前は本編に登場しません。あくまで本書独自の議論が繰り広げられており、文脈を離れて自分で考え対話することを目的として書かれています。

ひとつのトピックをじっくりと掘り下げるというよりは、いろいろな論点をさらっていくことで「反出生主義」の意外に厄介な構造をあらわにする構成になっています。ただ、特に後半部分ではそれなりに独自の発想で反出生主義を捉えていると思います。


●どうやってできた本なのか

2019年のはじめに、有料noteで「ただしい人類滅亡計画」という原稿を勝手に書き始めました。もともと反出生主義に興味があり、それにまつわる議論と自分の考えを物語のかたちで整理したいと思ったのです。それを見たイースト・プレス社の編集者さんが声をかけてくれ、書籍として書き直したのがこの本です。2年半もかかってしまいました。

10万文字ボックスというマガジンを購入すれば草稿をほぼ読めますが(安いのは別として)書籍版のほうがちゃんとまとめてあるので、あまりオススメしません。書籍版をすでに読んだ人が買う意味もさほどないと思います。


●目次

第1話 魔王の出生
第2話 魔王の使命
第3話 人類滅亡会議
第4話 ハエが浮かんだスープ
第5話 追加ルール
第6話 「反出生主義」という道徳
第7話  未来に生まれてくる子どもたち
第8話 苦痛のリボルバー
第9話 野良猫とナチス
第10話 出生はギャンブルか否か
第11話 無から有を生み出す罪
第12話 善悪を俯瞰する
第13話 質疑応答
第14話 道徳の深淵へ
第15話 「有」と「無」の道徳的比較
第16話 神は過ちを犯したのか
第17話 わたしという世界
第18話 人は道徳のために生きているのか
第19話 議論の終わり
第20話 魔王との対面
第21話 ただしい人類滅亡計画


どうぞ、よろしくお願いします。

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