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ネコ作家 杉山巧編

猫好きの作家へのインタビュー。あなたの猫話聞かせてください!
第一回は、イラストレータの杉山巧さんです。

まず猫との出会いを教えてください?
ちょっと待ってください。これなんの企画なんですか?僕、猫飼ったことないです。

そこをなんとか捻り出してください
小学校ぐらいのときに、空き地で野良猫に給食の残りをあげたことぐらいです。

猫に命救われた話とかありますか?
ないです。

僕、ずっと犬だったんですよ。豆柴。中2のときに中庭のある家に引っ越して、防犯的に番犬飼おうということになってシェパードを飼ったんです。ちょうど知り合いにシェパードの子どもが生まれて、じゃあ、それにしようって。
そしたら、その子犬が6歳下の妹に甘噛みをして、妹が本気でビビりだしちゃって。甘噛みといえどもめちゃめちゃ強くて。飼って一週間で、妹が怖がっちゃってるから返したんですけど、そのときに何故か豆柴と縁があって、防犯のつもりが豆柴になっちゃいました。

なんて名前だったんですか?
メイです。14年生きました。妹に懐きましたよ。 噛む力が弱いんで 笑。

そういえば、インスタにあげてた馬の絵、素晴らしいですね?
芦毛の馬を描いてほしいという依頼だったんです。細かく動画や画像を見まくって走り方とか研究して、筋肉や足の動きをかなり正確に描きました。

文庫ですか?単行本ですか?
あれ、文庫本です。文庫って帯の割合が多いので、すんごい難しいんですよ。
帯を気にしないようにして描いてますけど、帯を気にして描いてる絵の方が、格段に綺麗ですよね。いつも悩みです。

状況説明みたいな絵は、もともとそんなに描いてなかったんです。「蜜蜂と遠雷」みたいなどこで切られてもよい絵が多いんです。
単行本は、大きいからいいんです。全部納めて、下にちょこっとおまけみたいなもの、めくったら花があるとかでもいいんですけど、そういうものを描いていける余地があるんですけど、文庫は小さすぎるので苦労します。
小説は文字で内容を説明しなければいけないから、どうしても帯が重要なんです。

杉山くんへの依頼で、帯を考慮してくださいという人はいますか?
あんまりいませんけど、自由に描いてと言われて、結果、帯を意識させる人はいますね 笑。

やっぱり蜜蜂と遠雷の装画を見ての仕事依頼が多いんですか?
だんぜん、そうです。僕、すんごく売り込みに行ったんです。でも100コ売り込んでも仕事いただけるのって1コか2コこなんです。ほんと運なんですけど、装画の仕事したら、おんなじところから仕事がきて、次はその装画を見たという人から仕事がきたんです。ほんと運なんですけど、やっぱりデカいです。

蜜蜂と遠雷の装画はどういう経緯ですか?

あれは、たまたま鈴木(成一)さんが見てくれて。ちょっと違うのがオリジナルで描いていて。コンペで賞をもらったときに、鈴木さんがたまたま蜜蜂と遠雷の仕事を受けたばっかりのときで、タイミングがばっちりあったんです。コンペが何週間か1ヶ月ずれていたら、他のイラストレータに発注しちゃっただろうし、ほんとたまたまだったんですよ。

どんなコンペだったんですか?
HBギャラリーのファイルコンペです。15から20枚の世界観で表現するみたいなコンペで、18枚応募したんですよ。個展のときに描き溜めたものがあったので。
以前もHBのコンペには応募していたんです。学生の頃。当時のHBコンペは直接搬入で郵送はダメだったので、浜松から高速バス乗って。その時は一次審査すら通過しなかったんですけど、15年ぶりぐらいに応募したんです。

よくもう一度応募しましたね?
そうなんですよ。
今みたいな絵になるキッカケは、HBギャラリーに個展を誘われて久々にオリジナルを描いたことなんです。好きなのやろう!と思って、今みたいな絵にたどりついて、せっかくだからいろいろ見せてみたいなと思って、コンペ出しまくったんですよ。でも、全部どれもダメで、客観的によくないのかな?って心折れていたんです。HBは12月の最後のコンペだったんですけど、ほんとうは出したくなかったんですよ。傷つくから。持ち込んでもダメだし落ち込んでて。もう無理かなと思っていて。
でも、妻がHBは絶対に応募した方がいいって言ってHBに持って行きました。ちょうど新潮社から装画をもらったときだったんで、それがあるから、傷つく必要ないわと開き直って応募しました。

やっぱり諦めるなってことですね?
たぶん傷ついてるときこそ前に進めみたいな。倒れるなら前に倒れろみたいな感じです。前に倒れれば、いつの間にか足が動いて走ってた。そんな感じでした。ほんとラッキーでした。

嬉しいエピソードありがとうございました。
・・・。終わりですか?猫の話は?


杉山巧
イラストレーター/1983年生まれ。静岡県出身、東京都在住。
第134回ザ・チョイス準入選、第141回ザ・チョイス入選、
08年、荻窪「ひなぎく」にて初個展。
15年、HBギャラリーにて個展。
HBファイルコンペvol.26「鈴木成一賞」受賞。
現在紙媒体等にて活動中。 http://www.inori-books.net/profile.html

#ネコ作家 #URESICA  
杉山巧 ポストカード

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