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ネコ作家 みやこしあきこ編

猫好き作家へのインタビュー。あなたの猫話、聞かせてください!
第13回は、絵本作家のみやこしあきこさんです。

30分ぐらい時間あります?

あ、ありますよ。

まず、猫との出会いを教えてください。

猫?ウチの猫ですか?尿路結石で5年前に亡くなったんですけど、まさよしという当たりネコを実家で飼っていました。

どの辺が当たりだったんですか?

顔がかわいいかったです(笑)めちゃくちゃかわいい。予備校時代に、友達が子猫を拾って、ある日予備校に誰かもらってーと連れてきたんです。子供の時から動物を飼いたかったので、キジトラのかわいい子猫を見て、手をあげました。

ネコ可の家だったんですか?

戸建てなので、物件的にはよかったんですけど、両親が禁じていました。禁欲系家族だったので(笑)

他には何を禁じられてたんですか?

もうなんでも。ゲームとかテレビとか。絵を描くことも禁じられていました。

今、禁じられたことバリバリやってますね?
父が公務員で固かったんです。でも中学生ぐらいから、その固い路線を踏み外すのに快感を覚えて、保守的な母に「やめなさい」って言われるのが気持ちよかったです。美大に行って教職を取らなかったあたりから、いろいろ諦めてくれて、あきこに何を言ってもダメだってなりました。

そんなご両親だと、まさよしロスひどかったんじゃないですか?

お母さんがかなり落ち込んでましたけど、3、4年後に孫とかできて立ち直りました。父は傷ついてましたけど、大黒柱が傷ついちゃいかんという雰囲気を醸し出して、強がってました(笑)

いつから人生、絵でいくぜってなったんですか?

3、4年生の頃に動物とかナウシカの絵を友達に描いてあげて、褒められたのが嬉しかったです。中学生のときに、美術の先生に絵をすごく高く評価されたこともひとつですね

そんなにうまかったですね?
明らかにうまかったです(笑)。私すごいと思いました(笑) 取り柄は美術の成績だけだったんですけど、絵が上手なキャラだったです。

日産自動車の絵本賞のエピソードもう一回聞かせてください。
美大で「日産 童話と絵本のグランプリ絵本大賞」の応募張り紙が貼ってあったんです。そのとき調べたら、これと講談社で賞をとれば出版できると思ったんです。賞金も70万円もあったし。

何回応募しての大賞でしたっけ?

6、7回だったと思います。毎回、なんかの賞に引っかかっていて、これいつか取るんじゃね?というのがモチベーションでした。持ち込みとか展示発表とか他の方法を知らなくて、この賞さえとれば出版できると思ってました(笑)

70万でなにを買ったんですか?

ちょうど実家の車をぶつけちゃって、その修理費です。

美大後は、就職ですか?
普通に会社へ就職しました。DTPの仕事で、チラシやポスターや会報みたいなのを作りながら、こんなところにいる器ではないって思いながらやってました(笑)毎日上の空のどうしようもない社員でしたね。でもパソコンの知識や印刷のこととか知れて、かなりプラスになっています。

その後のドイツはなぜ行ったんですか?
器を大きくしようと思って(笑)

それ以上、器デカくしたらヤバイですね?
ははは。器は大きくなってないですけど、ドイツの1年は楽しかったです。画材は持って行っていて、絵は描いていました。日本に戻ってきてからすぐに、日産の大賞いただきました。

いっぱい賞、とってますよね?どの賞がうれしかったですか?
賞、いっぱいとってんですよ(笑)ニューヨークの賞はうれしかったです。賞金とか全くないんですけど、それをキッカケにそこに行けるのが。ニューヨーク行ってないんですけど。

行ってないのか(笑)行った風でしたよ。
間違いました。ボローニャには行きました。

海外の賞を取って影響ありますか?
なんかすごいっぽい、みたいな感じで見られることはあるぐらいです(笑)あと、たまーにチヤホヤされます(笑)

全然チヤホヤしてないですけど大丈夫ですか?
でも、コーヒーとどら焼きもらいました(笑)

ありがとうござました

みやこしあきこ

1982年、埼玉県生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。大学在学中から絵本を描き始め、2009年「ニッサン童話と絵本のグランプリ」で大賞を受賞、『たいふうがくる』(BL出版)で絵本作家デビュー。『もりのおくのおちゃかいへ』(偕成社)で第17回日本絵本賞大賞を受賞。そのほかの作品に『のはらのおへや』(ポプラ社)、『ピアノはっぴょうかい』(ブロンズ新社)

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