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ネコ作家 犬ん子編

猫好き作家へのインタビュー。あなたの猫話、聞かせてください!
第12回は、犬ん子さんです。

ちょっとお話聞かせてもらってもいいですか?
何、お話って、やばいことは聞かんといてな、スリーサイズとか (笑)

まず、猫との出会いを教えてください
猫との出会い?猫がテーマなんですね。
私は、お寺に生まれまして、お寺を間借りして住んでいたので、お寺は当時、捨て猫がじゃんじゃん捨てられるところやって、私の赤ちゃんの写真みたら、猫が私の口を舐めてる写真だったりして、とにかく猫ばっかり写真に写ってるような猫に囲まれた子供時代でした。

夢のような環境ですね
私が猫を飼ってないのは、10年前に東京に来てからだけです。それまで、ひとときたりとも猫がいなかったことはなかったで。

今まで飼った猫ってカウントしてるんですか?
ガバッと捨てられることも多いので、数はちょっとわからないですけど、名前をつけて飼った猫は10匹はくだらないです。

もう、出会いとかじゃないですね
猫は、生まれたときからおった。犬もおった。犬は捨てられてなかったですけど、同じような写真で、私の哺乳瓶を犬が飲んでるというのがあります 笑

不衛生、極まりないですね
確かに 笑。昔って、今みたいにキャットフードがなかったから、晩ご飯の残りとかをあげてました。初めてキャットフードを買ったときに、おばあちゃんが来て、「こんなとこにクッキーあるわ」って食べてしまうぐらいキャットフードというのが珍しかったです。おばあちゃん、食べとったわ。

そのときから、猫の絵を描いてたんですか?
描いてたか覚えてないですけど、猫を描くのは好きです。もちろん、犬も好きだし、いろんな動物が好きですよ。猫は身近だったから、描きやすいです。犬描いたら、猫っぽくなっちゃいます。

そういえば、いぬんこじゃないですか。お名前
そうやで。いつもそれ言われるんやけど、犬好きだからいぬんこですか?って言われる。もう1万回ぐらい言われてるんですけど、あのですね、本名がいぬしまというんです。いぬしまという珍名字で、小さい頃から、いぬちゃんって呼ばれてたから、いぬんこです。

今つけるとしたら、ねこんこですか?
いやー、猫を描く作家さん多いからね。私が割って出るほどの余地ないです 笑。いぬんこでよかったかも 笑。 隙間という意味ではね。

犬の隙間はありそうですね
猫を描くことがあるから、犬も描いてほしいとリクエストされがちですね。戌年の時に調子に乗って犬を描いたら、お客さんが「あー犬だ、でも私の飼っている犬じゃない」って言われました。

犬は犬種問題がありますよね。飼ってる犬種以外は興味ないみたいな
猫は、たとえ違う柄でもOKみたいなところありますよね。犬はパグお願いしますとか、チワワないんですか?とかが言われますね。あかん、犬作家としてやっていく自信がないわ 笑。

ミニチュアダックスんこでどうですか?
狭すぎるやろ 笑。

どういう経緯で絵描きになったんですか?
会社員だったんですけど、仕事や会社に合わなかったから、社会人として無理やったら漫画家になるしかないと思って、好きだったガロ編集部に漫画を描いて持ち込んだんです。そしたら、当時もうやめてらっしゃったんだけど、伝説的な編集長の長井(勝一)さんがちょうど編集部にいらして、受付の女性に「あなたラッキーですね。今日はたまたま長井さんがいらっしゃるので、見てもらってください」と言われて、ふあーって緊張マックスになって、長井さんに見せたら、「うーん、おはなしはちょっとまだまだだけど、絵なら、絵だったら、あなた明日からイラストレーターになれる」って言われたんです。

めっちゃいい話じゃないですか。
でも、絵を評価されたというより、あー漫画家にはなれないんやという落胆が大きかったのを覚えてますね。

でも、そんないぬしまさんがテレビの「シャキーン!」のメインイラストや多数の絵本で大活躍じゃないですか
ありがたいです。でも、本当は、川沿いで提灯に絵を描いて生活したいです。

じゃあ、いつか提灯展をウレシカで。
リソグラフ展にしようや。

それ、何年も前に買ったリソグラフのデカい機械、使ってないから使いたいだけじゃないですか?
バレた?

ありがとうござました

犬ん子 いぬんこ
絵描き。東大阪生まれ。浮世絵や大津絵、引札など日本の大衆絵画に影響を受けたユーモアと哀愁あふれる独自の世界が、幅広い層から支持されている。子ども向けテレビ番組や展覧会ビジュアルの他、絵本も多数発表。作品に「おかめ列車」(好学社)、絵を手がけた作品に「こんぴら狗」(作・今井恭子 / くもん出版)、「モモリン」(作・立川志の輔 / あかね書房)、「おちゃわんかぞく」(文・林木林 / 白泉社)他。

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