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ひとり旅の効用

妻の実家の草刈りを兼ねて長崎へ行ってきた。ジャングル状態、ヘビに注意、人類が石化して3700年後的な植物の剪定がミッション。二人では心もとないので友達のカジさんに手伝いをお願いしたら、妻の朝子さんが私も自費で行きたいと言い出して、結局4人で旅行することになった。

最低限の草刈りをして、市内観光。あちこち動き回り、美味しいものを飲み食いし、楽しい充実の3日間を過ごす。
レンタカーを空港に返却し、みんなが東京に帰ったあとは長崎市内のカプセルホテルに泊まった。4日間のひとり旅がスタート。

行き先は、対馬や山口、島根の隠岐島あたりが候補だったが、博多から釜山へフェリーが出ていることは知っていたので、パスポートだけは持ってきてた。結局、話のネタになりそうな方を選び、未踏の韓国、釜山にした。船で国境を越える浪漫は絶大だ。

翌朝、博多行きのバス。
ひとり旅の移動がとにかく好きだと再確認した。車窓をぼーっと眺めていると、静かに高揚感が醸成され過去の感謝と未来の希望が湧いてくる。
流れ映る人の営みや自然や気候が、スマホやPCモニターの暗黒日常よりも圧倒的に晴れやかで、はるかに逞しく、生きるシンプルさを感じさせる。現実世界の余白に、まだ自分が決めれることがあるという可能性に励まされる。

僕にとってひとり長期旅行はいつだって活路をなくした逃げ場だったけれど、50歳を直前にした今は自分が病まないため、自分が何者でもないことを確認するものに変わったなとも思った。何かを成し遂げなきゃという脅迫感は消え失せ、焦ることなく小さな喜びを集めていけばいい。

旅行できる立場と帰るところがある幸運に申し訳なくなるけれど、日々を淡々と過ごしてまた遠くに行く。いつのまにかそれが自分のやりたいことになっていた。
釜山、美味しく最高でした。

あ、博多ー釜山は現在運休中で、下関からの一泊フェリーで行きました。船の予約は当日12時までにやっときましょう。アポなしで行くと嫌がられますw 


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