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045 異世界落ちたら古龍と邪龍の…

第二章 それでは そろそろ参りましょうか

045 その頃、舞台裏では・・・

時は、少々遡る。

「なかなか良さげなところですな」

「あぁ、さっきの爺さんにゃ 感謝しなくちゃだな」

「ええ、良い景色です。ここならフロリアさんからいただいたお弁当を食べるのに丁度いいですね」
「ということで 今からいただくといたしましょう」

「「「いただきます」」」


「あぁ~、美味しい。これは 皇都でもなかなか食べられるものじゃないですよ」

「若、これは 帰りも必ずあの宿に泊まらなくてはいけませんぜ」

「ですね」

「ダンナ、お茶をいれやしょう」

「あっ、ありがとうね。タケさん」

長閑な景色を眺めつつ、美味しい昼食を取るミキたちご一行、そこへ一陣の風が巻き起こる。

「なにやつ!」

「大丈夫ですよ」
「ジーナさんですね」

「ミキさま、おくつろぎ中のところ、申し訳ございません。お伝えしたいことが…」

「はい、何かありましたか?」

「はっ!さきほど、皆さま方がいらっしゃいました休憩所にて 不穏な動きがございます。」

「もしかして反乱でも?」

「反乱と申しましょうか、おそらく仕組まれたものだとは思いますが このままですとあの騎士隊の隊長職の者と副隊長職の者が 危のうございます」

「隊長ってのは、さっきすれ違ったとき指揮を執っていた者でしょうな」

「えぇ、そして 副隊長というのは、お二方が爺さんと呼んでいる者にございます」

「なんだって!」

「あの爺さんとは、多少言葉を 交わしただけなんだが 気骨のあるいい爺さんだと思ってたんだ」とヒサ。

「若、頼んます。無理を承知で お願ぇしやす、あっしを行かせてくだせぇ」
「タケ、おめぇは 若を頼むぜ」
頼まれたタケは、ミキの方を伺い見る。

「ヒサさんや、何を言ってるのかな?ヒサさんは 僕の護衛でしょ?僕の側を離れちゃダメ」

「ダンナ、あっしからもお願いしやす」

「タケさんまで…」とミキ。

「お二人とも 落ち着きなさいまし。ミキさまには こう仰っているんですよ」
「僕の側を離れてはいけないと、だからお二人は こう言うべきなんです、若 拙者とともに…とね」
「ミキさまも、お人が悪うございますね」

「だって、ヒサさんも タケさんも 僕を置いてこうとするんだもん」

「若」「ダンナ」

「それじゃ、ジーナさん。お願い出来ますか?」

「承知つかまつりました」

「「?」」

「いくら、お二人が早いと言っても 間に合わないかも知れないでしょ。転移の魔道具を使っていただきます」

「「転移!」」

「お二方とも、ワタシの近くにお寄りください」

「よろしく願いやす」
「お手柔らかに」

なぜか一人だけ頓珍漢なことを言ってる人がいますが それは ほっぽといていいでしょう。

「転移の際に 多少目眩を起こすかも知れませんが 慌てないように。転移酔いと申しましてすぐにおさまります故」

「「了解っす」」

「では、ジーナさん。二人をお願いします」

「えっ、若「ダンナ」は」

「僕は、いますぐ飛びます、向こうであいましょう。では」


というような、経緯があり 三人は 『サイラス』、『ジラーノ』の危急に駆け付けることが出来たのでした。(影)

「少し離れた場所に 転移しましたが 気取られぬように。」

「「うんうん」」と静かに首を振るヒサとタケ。二人とも初めての転移に多少酔ってしまったようですが…。慌てないところは さすがですね。

ミキはと言うと、既に 到着して反乱者たちの様子を伺っているようです。

(これは…後からきた人たちの方々、かなりの数が反乱者のようですね。ちょっと区別がつきにくいかなぁ。まとめて 草縛りを使いましょうか。それとも 眠っていただきましょうか?おやおや…なるほど 行動を起こしますか。見分けがつきやすいので その方が 都合はいいのですが…)

「(小声で)草縛り×12、揺籃歌(悲愴)」
(騒がれても困りますから、強制睡眠の魔法もね)

「「!」」ヒサとタケの二人も、ミキさまの強制睡眠の魔法は 初めて見るらしくびっくりしているようですね。もちろんわたしもですが…(影)

「さて、あの人は いまのところ話すのに夢中のようですが、騎士隊長殿と爺さんは、さすがに気付かれている様子。この間に、あちらのお二人の略歴をお話しておきます」


「ジーナさん、いつも ありがとうございます。助かりました」

「いえ、ミキさまのお役にすこしでもなれたのであれば 我が身といたしましても光栄の至り」

「あと言伝をお願い出来ますか?」

「はっ、なんなりと。」

「陛下とクラリッサさんにも お体大切にとお気遣い感謝いたしますと」

「委細承知にて」そう言い残すと、一瞬にして ジーナは消え去ったのである。

「驚いたなぁ」「だな」

「クラリッサさまの配下の方ですよね」とヒサ。
「あのお方も凄まじい方でしたが…先ほどの方も…」

何故か、クラリッサ関連の話しとなると妙に緊張感が露わになる二人である。修業時代にどんなことがあったことやら。

「さて、そろそろですね。行きましょう」


そうして この場面につながるのである。

「よっ!あんた隊長さんだったんだなぁ」

「それと 爺さん。いいところ教えてくれて あんがとよ」

「何が起きたのか、解ってないようだな。あんた」と騎士その二に向けてタケが言う。

「どういうことなんだよ、これって一体どういうことなんだ!!」

「そうですね。あなたたち第三騎士隊?でしたっけ」と隊長さんの方を見て確認をとるミキ。

「あぁ」

「では、あなたたち第三騎士隊を装った盗賊団は、旅の行商人を襲い失敗、全員捕縛された、ってことでしょうか?」


ということが 前回の舞台裏で起きていたのですね(影)

046 閑話 登場人物紹介 その二

閑話 登場人物紹介 その二

ミキ
 竜崎未来(リュウザキ ミキ)
 地球出身
 学校からの帰宅途中、召喚に巻き込まれた様子
 落ちてきた当初は、艶やかな黒髪であったが、長らく眠りについている間  に変色、現在のミキの髪色は、艶やかな「白銀」色をしている。
 リプスタット公爵位に就き、領地もあるという

ルージュ・エリステル
 普段は、人型をとっているが その正体は古竜である
 この世界においてのミキの母親
 実際、竜の宝玉のひとつ命玉を使いミキの命を繋いだため義理ではなく実の子であると言ってもよい
 竜皇国国皇
 及び
 リンドブルム帝国皇帝を兼任する
 作中では、明らかにされていないが ミキと同じように白銀色の艶やかな髪である。

ヒサ
 元・雷鳴の響鬼リーダー
 『ヒサ・ヴェルナール・フォン・ブラウン子爵』
 皇都商会『エチゴヤ』従業員兼ミキの護衛として、領都モンド・グラーノの旅へ随行
 ミキの呼び方が、嬢ちゃん>ミキ殿、ミキちゃん>若旦那>若・若さま
 作者イメージ FF-Xのアーロン、クリント・イーストウッド、チャールズ・ブロンソン

タケ
 元・雷鳴の響鬼サブ
 『タケ・マクシミリアン・フォン・メルバーン子爵』
 皇都商会『エチゴヤ』従業員兼ミキの護衛として、領都モンド・グラーノの旅へ随行
 ミキの呼び方が、嬢ちゃん>ミキ殿、ミキちゃん>ダンナ
 ※作者イメージ リー・ヴァン・クリーフ、ジェームズ・コバーン

ジーナ
 クラリッサ配下の侍女集団の一員
 影からミキをサポートしている
 転移の魔道具を所有し皇都との連絡役も兼ねている
 穏行を得意とするも なぜかミキには気付かれてしまいちょっとショック
 ときおり、解説しているのはこの方であるとも?
 今後も登場してきます

◇主要メンバーのうち名前だけ登場した方々
リョージュン
 竜皇国皇城内において 医術師(医者であり魔法医)
 古くからエリステル陛下と、付き合いがある様子

クラリッサ
 エリステル陛下の専任侍女(護衛も兼ねる)
 配下の侍女団を抱えている
 エリステル陛下とは 古くより付き合いがある


ヴェスドラッヘ編

ヴェスドラッヘの宿(ベルの宿)
 ベルニーニ(通称ベル)若き女将
 三十四話にてミキからベルフラワーの髪飾りをプレゼントされる
 ちなみにベルフラワーの花言葉は、「誠実」、「大切な人」である。
 その後、自らのお気に入りの場所へミキを案内する

 シオールという妹ちゃんがいる

ロビーナ
 ロビン商会という小物商を営む、五代目商会主
 ツグミという娘がいる
 夫は、中央区町長マーフィの息子
 ベルニーニのことをベルと呼んで気にかけている
 結構、顔が広く、情に厚い。姉御気質

マーフィ
 中央区町長、現在二度目の町長に就任している
 やはりベルニーニのことを気にかけている
 東区の町長イーサンとは、腐れ縁

サウラ
 南区町長

ノーザン
 北区町長

イーサン
 東区町長

ウェスティーニ
 西区町長

真偽官の人たち

ヴェスドラッヘ代官(騙)
 最後まで名前が出なかった残念な人
 五年に渡って乗っ取り計画を企むも、ミキたちの登場であっけなく水泡に帰す
 ベルの宿のことを寂れ果てた場末の宿と言ってしまったため、ミキの怒りを買うことになる

代官(騙)の倅・長男
 ベルニーニに横恋慕したあげく、妾になれと告白してあっけなく沈没
 諦めきれず、色々と策を弄し ベルニーニの弱ったところにつけ込もうとして、父親と同じくミキの登場によって失敗

代官(騙)の私兵さんたち(二十名)
 vs.ミキ 五名は、ミキの草縛りにて瞬殺(生きてます)
 vs.ミキ リーダー 速攻で投降する、残り三名もそれを見て投降、一人納得いかない私兵さんが、魔法なしで ミキと勝負するも 瞬殺される(生きてます)

残りの十名
 v.s ヒサ、タケによって 撃退、皆さん怪我は負ったものの命に別状なし、全員捕縛


クライン・スタットの町編

クライン・スタットの町の温泉宿
 宿を増築中に 地中から熱いお湯が 湧き出てきた為、急遽外風呂を作り、地球風に言うと温泉宿となる
 初代女将(ウェスティナの母フロリアが 夫を流行病で亡くした後始めた宿、その料理の味に多くのリターン客を掴み現在に至る)
 
ウェスティナ
 母親に代わって女将に就任する
 料理の腕は、からきし。現状女中頭のシーラが、宿の料理を作っている。宿の経営、おもてなしの心をしっかりと身につけている。おおらかである。

フロリア 大女将、ウェスティナの母
 病によって目が不自由になり 娘ウェスティナの事と宿のことを思い自分の病は 喘息であり静養すれば、治ると告げ ウェスティナに宿を任せる。ミキと出会い、失明状態から回復、再び宿の女将として返り咲くか?皇都の名医術師リョージュンぐらいでないと自分の目を治すことは出来ないと言われていたところをミキによってすっかり元通りになったことからミキのことを気に入った様子

シーラ
 宿の女中頭を勤める
 作中において、かつて雷鳴の響鬼によって救われた村の一員であることが明らかにされている。

作中においてミキが使用した魔法

 草縛り
  もっともよく使っています、敵対者を拘束し、身動きをとれなくすると同時に無闇に動くと、動けば動くほどその束縛がきつくなる。

 エターナル・クリーン 
  通常は、エターナルとは言うものの、半永久的程度くらいの意味で 常時浄化する魔法

 リ・クリエイト 
  建物など物体を再構築する、或いは、再創造する魔法

 プロテクション 
  物質を強化・保護する魔法

 サーチ、アナライズ
  通常のサーチとは、違いアナライズの魔法と同時に用いることにより、体内・体外を問わず患部を瞬時に見つけ出し、同時に 解析する魔法

 トリメント・リカバリー
治療し身体を完全回復の状態にする魔法

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