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“偏在と遍在を編集する”

偏 11画
扁は片開きの網戸の形。扁に片方、ひとつの意味がある。[説文]八上に「頗るなり」とあり、「かたよる、ひとつ、一方、ひとえに」の意味に用いる。偏枯とは半身不随の意味であるが、洪水神の禹は中国全土の治水のために東奔西走し、偏枯となったと伝承されている。
遍 12画
扁は片開きの網戸の形。扁はかたよる、一方の意味であるが、歩く、行くの意味のある彳・辵を加えた徧・遍は「あまねし(広くゆきわたっっている)、ゆきわたる」の意味に用いる。[説文]二下に徧を正字とし、「帀るなり」という。徧のほうが古い字形である。わが国では遍路(空海の八十八か所の霊場を巡ること。また、その人)のように用いる。
編 15画
扁は片開きの網戸の形。[説文]十三上に「簡に次するなり」とあって、竹簡・木簡(文字を書いた細長い竹や木の札)を順次に綴じてゆくこと、一片ずつを編んでゆくことをいう。竹簡・木簡は古くは韋の紐で綴った。「あむ、とじる、つらねる、ふみ、書物」の意味に用いる。

——白川静『常用漢字[第二版]』

 偏在がもたらす、光——闇、細かさ——粗さ、暖かさ——寒さ、存在——不在。それは、神々の、王たちの、悟りを求める者たちの、「あゆみ」や「めぐり」という動きをもって、遍在へといたる。
 その動作は、たちいふるまいは、その言動は、言語と行動は、如何なるものなのか。そして我々はどのように綴り、そして綴じてきたのだろうか。

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2021-04-01 13:32(UTC+0900) @TSD /TT
2021-04-03 09:48(UTC+0900) @TSD /TT

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