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2023年12月締め請求書のお手紙

私たちデザインモリコネクションは、陶磁器デザイナー・森正洋さんのデザインした製品の卸売を主な活動としていて、毎月、お取り扱いいただくショップのみなさまへ請求書をお送りしています。
ふと思い立って、2021年9月分から、請求書を発送する際、お手紙を同封するようにしました。その時々に思ったことなどを書いています。何を書いたか保管しておく意味もあり、noteに置いておきます。
請求書をデジタル化した方がいいんだろうけど、その場合、こういうお手紙をどういう形でつけたら良いのか、悩ましいところ。


先日、時間を作って久しぶりに福岡の本屋に行きました。ブックスキューブリックや本屋青旗など、個人経営の本屋も気になるところですが、大きなところに行っていろんなジャンルの棚を全体的にざっと見ようと思い、そうなると天神のジュンク堂かなということになります。しかし調べてみると、再開発で元々あったビルがなくなり、縮小して無印の近くに移転していました。元々の取り扱いは約140万冊、移転後は約55万冊ということで、半分以下の規模です。とはいえ、他に福岡の大きな本屋というと、博多の丸善か紀伊國屋くらいしか思いつかないので、天神のジュンク堂を見てみることにしました。

1時間くらいしかないので、とりあえず1階の新刊・話題書コーナーを見ます。東浩紀「訂正可能性の哲学」「訂正する力」、林健太郎「否定しない習慣」、古市憲寿「謎解き 世界の宗教・神話」、キャスリン・ペイジ・ハーデン「遺伝と平等」、トーマス・S・マラニー、クリストファー・レア「リサーチのはじめかた」などが気になります。

次に2階の文庫と新書と社会。岩波文庫のイヴァン・イリイチ「シャドウ・ワーク」を少し立ち読み。文庫や新書はどんどん出るので、本屋で棚を歩いてチェックするのが手っ取り早いのですが、大きな本屋でないと全て並んでいないので、チェックにならないのが難しいところ。岩波文庫、講談社学術文庫、ちくま学芸文庫、講談社現代新書、ちくま新書、中公新書、岩波新書、光文社新書あたりはしっかり見ます。今年デビューした早川書房の新書も気になります。いま調べたら、ハヤカワ新書のロゴデザインは佐々木俊でした。絵本「ぶるばびぶーん」は、こどもと寝る前に読みます。アリス&エミリー・ハワース=ブース「プロテストってなに?」を見つけたのは、2階の社会の棚だったような。帯文を荻生チキが書いています。

最後に3階の人文・理工・芸術。人文の棚で哲学、現代思想、宗教などを見つつ、理工の棚で建築の雑誌や本をチェック。新建築・住宅特集の11月号に、大庭早子建築設計事務所のcasa Kが載っているので買おうかと思いつつ、重いのでやめました。casa Kは武雄市にある住宅なのですが、以前そこの近くのパン屋に行った際、妻と素敵な家があるねと話して、一生懸命検索して設計者を探し出した住宅。芸術の棚も見ましたが、気になる本は特になし。

1・2・3階の棚をざっと見たところで50分くらい経過していて、何も買わないのも書店に対してなんとなく申し訳ない気がするので、東浩紀「訂正する力」を購入。東浩紀というと、ずいぶん前に「存在論的、郵便的」「動物化するポストモダン」「一般意志2.0」など、興味深く読んでいて、久しぶりに読みます。あと、後から思ったのですが、ジェンダーやフェミニズムの本をもっと見たかったのだけれど、どこにあったのだろう。見逃したのか、様々なジャンルに分散していて、かたまりとして展開していなかったのかもしれません。また、医学の棚で、ケアについての本も見たらよかったなと思いました。

久しぶりに行きましたが、本屋さんは面白いですね。当たり前のことですが、図書館との違いは「買える」ことです。読むことが重要なのであれば、図書館で借りるのが良いのかもしれませんが、私の場合、買って、自分の本棚に加えることが大事なようです。自分の本棚って、当然ですが、自分の興味・関心が反映されていて、本棚を眺めることで、自分の興味・関心を振り返ることができるのが面白いです。

本年もお世話になり、ありがとうございます。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。

2023.12.31

デザインモリコネクション有限会社
小田寛一郎

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