【ARI】Dbacksの”いま”~4つのトピック~ #ガラガラヘビの喉の奥【あり担④】
お世話になっております。あり担のあきです。
MLBも開幕してはや2週間。球界全体では様々なトピックがありましたが、アリゾナ・ダイヤモンドバックス的押さえておきたい4つのトピックという形でここまでの戦いぶりを振り返っていきましょう。
俺たちの開幕伝統の一戦クアーズフィールド
NHKBS-1で放送された現地4月1日の開幕戦は、ダルビッシュ相手に1イニング4本のホームランを集め一時は勝ち越すも、中継ぎ陣が何となく失点を重ねあえなく敗戦。敵地ペトコパークでの開幕カードを1勝3敗で乗り切り、現地4月6日からはロッキーズの待つクアーズフィールドへと足を運びました。
空気が薄く打球の飛ぶクアーズフィールドでのロッキーズ戦というのは、互いに投手力に難ありのチーム編成もあり往々にして乱打戦になります。
同地区のドジャース・パドレスに完膚なきまでに力の差を見せつけられた後に、ロッキーズとともにこのクアーズで泥試合をするのはある種の精神安定剤ともいえます。
そんでもって、開幕カードで負傷した体を癒しにやってきたクアーズの初戦も期待に違わぬ乱打戦でした。
ロッキーズのMcMahonに3打席連続ホームランが飛び出すなど、序盤から大荒れの試合展開。
今年も無事このマウンドに上がれたとあいさつ代わりに9回に同点被弾を浴びれば、1点を勝ち越した延長タイブレークの10回と12回ではその裏丁寧にお返し。
不文律破りで3点を勝ち越ししてしまった13回はあわてて接待に回りますが、1点にとどめてしまい、試合終了。ずっとずっと続いてほしかった泥試合は4時間29分で惜しくもお開きとなってしまいました。
なおこの試合で勝ち投手となったPeacockはキャリア初登板で11回から3イニングを投げ、初安打と初得点も記録しました。
MLB用語集⑨
伝統の一戦
一般的にはヤンキースvsレッドソックス、カブスvsカージナルスなどのカードを指すが、当企画では敬意も込めてクアーズフィールドでのロッキーズvsダイヤモンドバックスの試合を伝統の一戦と呼ぶ。
なお、西海岸の伝統の一戦と言えばドジャースvsジャイアンツだったが、少なくとも向こう3年はドジャースvsパドレスがその座を取って代わるだろう
ケテル・マルテ、自力で歩けずフィールドを去る
チームナンバーワン野手Ketel Marteに魔の手が忍び寄りました。
4月8日のロッキーズ戦にて、内野ゴロを打った際、一塁を駆け抜けたところ、右のハムストリングスを抱えながらフィールドに倒れこみました。
第2回の更新記事で『投手はZac Gallen、野手はKetel Marteだけを押さえておけば今年のダイヤモンドバックスは大丈夫』とお伝えしましたが、第3回の更新記事ではZac Gallenの戦線離脱をおしらせし、今回の更新ではKetel Marteの離脱をお知らせしなくてはいけなくなりました。
現状、ダイヤモンドバックスには誰もいないと認識していただいても問題ないかと思います。
この試合が開幕して6試合目だったのですが、1番を打つRojasが.059、3番を打つWalkerが.160、4番を打つPeraltaが.167、6番を打つEscobarが.048と極貧打線に頭を抱えていたチームにとって、26打数12安打.426 OPS1.346とほぼ1人だけで点を取っていた状態のMarteの離脱はあまりにも痛手となりました。
翌日IL入りし、報道では「He’s doing OK」と監督からのお気持ち表明がありました。しかし、その痛がり様は明らかにOKとは言い難く、負傷後に痛みよりも悔しさをにじませているところからも、事の大きさを察することができます。
Marteは数少ない、将来コンテンダーになったときにも共に戦う(可能性のある)選手。目の前の試合を優先するのではなく、選手生命を考え100%完治した状態での復帰をお願いしたいですね。
なお、現在は復帰していますがこの時点で正右翼手のCalhun、正遊撃手のAhmedも怪我でIL入りをしていました。
MLB用語集⑩
IL
故障者リスト(Injured List)のこと。怪我や疾病のために試合出場が困難と診断された選手を登録するリスト。これに登録されることを「故障者リスト入り」と呼び、登録期間中は試合に出場できない。
Fantasy Baseball Playerを悩ます一つの種だが、下手にDTDで出たり出なかったりするよりもスパッとここに入ってもらえた方が助かるとの声も多い。
なお、2018年までは故障者リスト(DL:Disabled List)と呼ばれており、通称Dream Listとも呼ばれ、Fantasy Baseball Playerを悩ませていた。
ティム・ロカストロ、メジャー新のデビューから28連続盗塁成功
上記Ketel Marteの怪我により序列を上げたのはTim Locastro
メジャー最速クラスのスプリントスピードが武器の外野手。
17年から足掛け4年でデビューから26連続盗塁成功の成績を残し今季を開幕。
4月2日のパドレス戦で1つ決め、27連続盗塁成功とすると、4月10日のレッズ戦で28連続盗塁成功のメジャー記録を達成。その後もう一つ伸ばし、現在は29個とし、現在もその記録は継続中。
「盗塁のコツは塁に出ること」とは福本豊さんの名言ですが、Locastroは打率.250に対し出塁率.357、短縮シーズンの昨季も打率.290に対し出塁率.395と高い出塁能力を持ちます。その源泉となっているのは、四球を選べるアプローチの良さ、ではなく、、、死球を呼び寄せるマグネット能力。
Locastroの死球集
2019年は250打席で22死球(11.3打席に1死球)。
2020年は82打席で4死球、そして今季も1つ死球を記録しています。
出場機会の増えそうな今季は、どこまで死球数を伸ばすのでしょうか。注目していきましょう(もちろん連続盗塁成功記録も)
2019年死球ランキング
1位 リゾー 27個 (613打席 22.7打席に1個)
…
3位 ロカストロ 22個(250打席 11.3打席に1個)
MLB用語集⑪
連続盗塁成功記録
NPB記録は山田哲人の38。MLB記録はビンス・コールマン(カージナルス)の50。しかしこれらの数字は1度失敗してから次失敗するまでの間の成功数であり、上記のロカストロはデビュー以来盗塁失敗が一度もない。
ワイドナーとウィーバー、ローテ下位投手の奮闘
開幕投手Bumgarnerが燃えまくる一方、ローテ下位のWidenerとWeaverが好調です。
サンプル数は少ないながら、共にここまで3試合に先発し、以下の成績を残しています。
Weaver 防御率3.78 16.2回 14奪三振 1四球 WHIP0.84
Widener 防御率1.59 17.0回 11奪三振 5四球 WHIP1.12
とくにWeaverは4月12日のレッズ戦で7回を投げ1安打の快投を披露。4月9日にパドレスのMusgroveがノーヒットノーランを達成し、話題となりましたが、それに続く快挙かと(ほんの小さな界隈)で盛り上がっていました。(その後4月14日ホワイトソックスのロドンがノーノ達成)
一方のWidener、4月4日のパドレス戦で6回無失点の好投でキャリア初勝利を挙げました。これがチームの今季初勝利にもなっています。
サンプルが少ないので詳しい分析をするにはまだ十分なデータが蓄積されていないのが現状ですが、強いて挙げるならば、四球率が下がったことと1イニング当たりの球数が少ないことでしょうか。
四球率は昨季の13.6%から7.1%へと下がり、1イニング当たりの球数は15.18とストライク先行のスタイルで主導権を握っていると見て取れます。
今年に関してはチームの勝利は二の次なので、先発に勝ち星が付こうが付かまいが知ったこっちゃないのですが、先発ローテの安定はブルペン陣の負担軽減につながります。ビハインド展開だと相手投手に主導権を握られ、作戦の幅も狭くなり野手陣も苦しくなるので、ローテの安定が野手の助けにもなります。そして何より、見てる側の精神衛生の観点からも優しい。
★★惜しくも選外となったトピックの供養所★★
・プロスペクトのGeraldo Perdomo、MLBデビュー
→AhmedのIL入りに伴いスポット的にMLBデビュー。ポテンヒット1本の10打数1安打とMLBのカベにぶつかる形となりましたが、この経験を糧にさらなるパワーアップに期待。
・Eduardo Escobar、4試合連続ホームラン
→上述、6試合終了時点で.048とスタートこそ最悪でしたが、4月9日~12日にかけて4試合連続ホームランを記録。「頼むから夏までは好調であれ!」
・Zac Gallen、ILより復帰
→4月14日、待望のエースが復帰。8奪三振、1失点の好投。復帰登板ということもあり、5-1と4点リードした4回でマウンドを降りました。なおダ。
…にしてもドジャースが強いですね。それに食い下がるパドレスもカッコいいです。そんなところと同じ地区のチームは大変だ。
それでは、また。