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【ARI】【25周年】2023年前半振り返り #ガラガラヘビの喉の奥【あり担①⑥】

オールスターまでの91試合を52勝39敗.571
首位とゲーム差なしの地区2位で折り返したDbacksの前半戦を振り返ってみましょう。


前半戦成績振り返り

C wRC+71 WAR-0.1 (Off-16.4  Def3.6)


Gabriel Moreno 68G 210-56 .267 OPS.655 wRC+77 WAR0.3
Carson Kelly 14G 43-7 .163 OPS.451 wRC+16 WAR-0.4
Jose Herrera 22G 55-14 .255 OPS.671 wRC+87 WAR0.0

正捕手Kellyを怪我で欠いての開幕。
TORからトレードで獲得したプロスペクトのMorenoを正捕手格に据えました。4月はOPS.709 5月もOPS.697と特徴の打棒を見せていましたが、6月はOPS.479と失速。
ちょうど入れ替わるようなタイミングでKellyが復帰するも、打撃は良いところなし。


1B wRC+124 WAR2.4 (Off12.2 Def-0.8)

Christian Walker 87G 328-87 .265 OPS.848 wRC+124 WAR2.4

いきなりですが、ここでクイズです。
PlayerA 87G 328-87 AVG.265 18HR 58RBI OPS.848 wRC+124 
PlayerB 88G 343-94 AVG.274 13HR 58RBI OPS.787 wRC+120 

正解はAです。問題はBが誰なのかという事。正解はVladimir Guerrero Jr.(TOR)
成績はほぼ同じなのに対し、世間の評価はいかがでしょうか。
昨季は8月までBABIP1割台を推移する不運に見舞われましたが、今年はここまで.277と見事な拠り戻し。『Christian Walkerで学ぶ良く分かる統計学』ビリオンセラー間違いなし。
ちなみにWARでみれば、Walker(2.4) Guerrero(0.4)と大差。守備力の差で。


2B wRC+130 WAR2.3 (Off11.0 Def-0.8)

Ketel Marte 87G 322-92 .286 OPS.857 wRC+130 WAR2.3

振り抜けマルテ~ 飛ばせマルテ~ 夢の放物線~
昂ぶる一打で 挑み戦え♪

復活のMarte
元々球界トップクラスのコンタクト能力はそのままに、打球速度と打球角度を付与。
現地民から「守備時には打球の行方よりも、膨らませたガムと自分がどのようにカメラに写ってるかを気にしてる」と評された守備も昨季のUZR-0.7からUZR0.2へ、DRSは-6から7へと絶賛改善中。


3B wRC+86 WAR0.7 (Off-7.9 Def-3.2)

Evan Longoria 47G 139-33 .237 OPS.828 wRC+117 WAR0.6
Emmanuel Rivera 47G 163-47 .288 OPS.682 wRC+83 WAR0.1
Josh Rojas 57G 183-43 .235 OPS.607 wRC+66 WAR0.0

躍進が期待されたRojasの停滞が大誤算。
クラブハウスでのメンター的存在が主な役割と計算していた37歳のLongriaを戦力としてみなければいけない状況。


SS wRC+97 WAR2.9 (Off4.1 Def10.3)


Geraldo Perdomo 74G 225-61 .271  OPS.787 wRC+117 WAR2.5
Nick Ahmed 47G 133-30 .226 OPS.593 wRC+59 WAR0.3

まさかPerdomoがオールスタープレイヤーになるなんて…
もっとも、この選出には異論はなくWAR2.5はナ・リーグのSSでLindor(3.1),Swanson(2.9)に次いで3番目。怪我で辞退となったSwansonの代替としての選出ですから、いたって順当です。
打順の絡みもありますが、BB%13.5%と自慢の選球眼にますます磨きがかかった一方でstatcast系指標ではAvg Exit Velocity下位1%、HardHit下位1%、Barrel下位2%…となぜこれでAVG.271 OPS.787の成績が残るのか謎の成績。



LF wRC+125 WAR5.0 (Off29.7 Def-4.1)

Corbin Carroll 86G 308-89 .289 OPS.915 wRC+144 WAR3.8

ここで我が軍の真打ち登場。
もはや今更語る必要ないかもしれませんが、あえて数字の羅列をしていくと、
AVG.289 OBP.366 SLG.549 OPS.915 
18HR 48RBI SB26(CS2)
WAR3.8はリーグ4位タイ。Acunaの壁があまりにも高すぎるものの、新人王候補がMVPレースに参戦してるだけで価値あり。
一つ気がかりなのは調べていて気付いたDefWAR-1.9でしょうか。ARM-1.7は肩だけが唯一の欠点と言われていたスカウティングレポート通りですが、RngR-1.0、UZR-2.3は80スケールのスピードを活かしきれてないようで意外。


CF wRC+121 WAR4.8 (Off25.3 Def0.7)

Alek Thomas 58G 171-42 .240 OPS.690 wRC+82 WAR0.3

CarrolがCFを守ることもあったのでチーム全体としてはwRC+は100を超えていますが、個人成績でみると苦戦。
ここまで最も起用されているThomasはトータルではwRC+82にとどまっていますが、5月中旬からのマイナーでの再調整を経て6月中旬に再昇格してからは.327(58-19) の好成績。statcast系の指標も優れているため、今後の活躍に期待。


RF wRC+87 WAR0.2 (Off-7.6 Def-8.1)

Jake McCarthy 60G 183-45 .246 OPS.674 wRC+84 WAR0.3
Pavin Smith   61G 184-35 .190 OPS.642 wRC+79 WAR-0.8
Dominic Fletcher 28G 93-28 .301 OPS.791 wRC+112 WAR0.7
Dominic Canzone 1G 3-0 .000 OPS.250 wRC+1 WAR0.0

チームとしても、個人としても苦しんでいるのがRF
McCarthyでスタートするも、22試合でAVG.289 wRC+28、自慢の足でもわずか2SB(2CS)と結果を残せず4月下旬にマイナー降格。
その後はFletcherがCFとの兼用でAVG.308 wRC+119と優秀な成績を残すもなぜか5月下旬にマイナー降格。
6月は、5月から昇格しおもにDHで起用されるも全く結果の出ていなかったSmithをリードオフマンで重用する愛人起用。中旬からは、5月末に再昇格を果たしたあとCFがメインだったMcCarthyをRFのレギュラー格に、という時系列。
McCarthyは5月26日の再昇格後は136打席でAVG.300 盗塁を19回試みて18回成功と自慢の足でも存在感を出しています。
前半戦最終戦にコールアップされたCanzoneはコンタクトにもパワーにも、アプローチにも優れたプロスペクト。今後の活躍に期待。

DH wRC+101 WAR1.0 (Off-2.3 Def-12.6)

Lourdes Gurriel Jr. 79G 304-80 .263 OPS.810 wRC+115 WAR1.5

Gurriel Jr自身は15HR 54RBIとキャリアハイペースの成績を残しているものの、チームトータルで奮わないのはDHではAVG.206 5HR 24RBIに留まっているから。
ポジションに就いた方が打撃も乗ってくるタイプなのかもしれませんが、外野はCarroll,Thomas,McCarthyで埋まってる状態。後半はどういう起用になるでしょうか。


SP 31W-25L ERA4.61 WAR6.5

19GS 118.1IP 11-3 3.04 WAR3.7 Zac Gallen
16GS 95.0IP 9-4 3.22 WAR1.7 Merrill Kelly
11GS 53.2IP 1-5 6.37 WAR0.6 Zach Davies
13GS 74.1IP 5-1 3.75 WAR0.3 Tommy Henry
18GS 93.2IP 5-5 5.19 WAR1.0 Ryne Nelson
06GS 25.2IP 0-3 9.82 WAR-0.5 Brandon Pfaadt
03GS 40.2IP 3-1 3.32 WAR0.0 Drey Jameson *15G

GallenKellyの2本柱はここまでも盤石でした。
特にオールスターで先発も務めたGallenはサイヤング賞候補に挙げられるほど。ふくらはぎの怪我で離脱中のKellyはブルペンでの投球を開始。マイナーでの調整が順調にいけば7月最終週に復帰か。
3番手にDaviesを数えないといけないように、若手の先発候補が低調。特に先発にリリーフにと雑な使われ方をしていたJamesonが60IL入りしたのが痛恨。

RP 21W-14L 23S ERA4.00 WAR2.4


40G 1-6 7S 12H 46.1IP 2.72 WAR0.8 Scott McGough 
40G 4-3 7S 9H 36.1IP 3.47 WAR0.2 Miguel Castro 
39G 2-2 8S 11H 31.1IP 3.16 WAR0.7 Andrew Chafin 
39G 4-1 0S 6H 34.2IP 2.60 WAR0.6 Kyle Nelson
17G 0-1 0S 7H 12.1IP 3.65 WAR0.3 Austin Adams 
35G 2-1 0S 40.1IP 5.36 WAR-0.3 Jose Ruiz
30G 3-0 0S 34.0IP 2.38 WAR0.7 Kevin Ginkel
01G 0-0 0S 1.0IP 18.00 WAR0.0 Justin Martinez

昨季MLBで唯一リリーフ投手WARでマイナスを記録した点からみると大幅な改善。
McGough,Castro,Chafinが勝ちパターン。セーブ数とホールド数がほぼ均等に記録されていることから、セットアップとクローザーの役割が固定されていないのがよく分かります。
デビュー戦で打ち込まれたものの、最速101.9MPH、平均100.8MPHのフォーシームを投げ込んだJustin Martinezは今のブルペン陣にはいないパワータイプで期待が高まります。
なお、チームとしてセーブシチュエーションでのERA4.71はMLB28位。上には24位からCOL-OAK-STL-DET、下はKC-CWSとプレイオフがほぼ絶望なチームが並んでおり、この間にいるのはプレイオフ進出を狙うチームとしては異端。

今後の展望

まず、後半戦はTOR-ATL-CINとコンテンダーとの9試合から始まります。この9試合の遠征の結果がTDLまでのチームの計画とシーズンの方向性を決定する可能性が非常に高いです。
その後は本拠地に戻ってSTL-SEAとの6試合。積極的な買い手になるためには、15試合を9勝6敗以上で乗り切る必要があるでしょう。

今年のTDLは売り手市場になる見込み。Giolito(CWS)Hicks(STL)の人気銘柄を手に入れるには膨大な見返りを求められることになりそう。
もちろん今年のプレイオフ進出、地区優勝はしたいですが、LADとSDの不調・出来過ぎなCarroll,Perdomo・先発が2枚しかいない…などなど冷静に見れば降って湧いてきたような好位置なだけ。
また、8月に入ると同地区との試合が19試合もあり、9月には2日から17連戦があります。
もともと描いていた長期的な視野に基づいてチームつくりを進めて欲しいです。


ヘッダー画像:公式Twitterより
成績参照:FanGraphs



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