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職場でのイビリやイジメを防止する方法

■質問■

今日の授業(*)でお聞きしたいことがひとつありましたので、この場で教えていただければと思いメールをさせていただきました。

経営するにあたって僕の心配は、歯科衛生士との折り合いの付け方です。
歯科医院は他業種と比べても、いわゆるお局(新人イビリをしたりして働きにくい職場にしてしまう)を生みやすい体質にあるという記事を読んだことがあるのですが、どうすればそういう人を生み出さないように出来るかを教えていただきたいです。女性の衛生士に対し男性歯科医師がどう向き合っていくのが正解なのか先生のご意見をお聞かせいただければと思います。

お時間ありますときにご返信いただければ幸いです。どうかよろしくお願い致します。

*筆者注:2020年6月10日九歯大でのマネジメント講義

■回答■(回答者:福重真佐子@医療法人天真会ふくしげ歯科)

将来院長になるにあたって非常に大事な事ですね。一人意地悪なスタッフがいると、大切なスタッフたちがどんど辞めていったり病気になってしまったりします。

これを防止するのは歯科医院程度の小さな組織だと割と簡単です。その方法は以下の通りです。

1.トップが覚悟を決める
2.その覚悟を繰り返し熱く伝える
3.起こってしまったときには速やかに対処する

この中で一番大事なのはトップの覚悟です。では順を追って説明していきましょう。

1.トップが覚悟を決める

トップが「ダメ。ゼッタイ。イジメ」
と胸に刻み、絶対に許さない覚悟を決めます。たとえやられている方に多少の非があったにしても、それとイジメは別問題。イジメは人道的にもダメですし、スタッフがギスギスしている状態では患者さんを幸せにできないから二重の意味でダメなのです。


2.その覚悟を繰り返し熱く伝える

■面接時の訓告
・当院はイジメや嫌がらせは絶対に許さない
・「やられたとき」「やってるのを見たとき」はすぐに上長に報告する
・あなたがやったら当院はそれを容認しない
・不平不満がある時悪口を言っても解決しない
・不平不満は本人に直接注意する、上長から注意する、受け入れるの三択

■入社時初日の訓告
面接時の訓告を繰り返す(大事な事なので2回言います。本気度を見せる)

■定期面談や日常の中で
困ったこと、困った人について聞く

■管理職を置いているなら
管理職一人一人にイジメがないか定期的に確認する。管理職自身が身の回りから情報収集し何か見つけたらすぐ連絡するように伝える。

3.起こってしまったときには速やかに対処する
イジメが有ると明らかになったら、情報収集をしっかり行い。それが真実であると判明したら速やかに対処する。

■いじめられている人に対して伝えること
  気づかずに辛い思いをさせて申し訳なかったことをわびる
  あなたのことを全力で守る覚悟であること
  速やかに注意する事を確約
  そのせいで余計にいじめられたらすぐ知らせるように

■いじめている人に対して伝えること(まずは本人に事実確認)
  事実を認めたとき 当院の方針を伝え止めるように言う
  事実を否認 調査結果、自覚はなくてもイジメに該当する事
  今後また同じ事が起こったら医院としては厳正に対処せざるを得ない
  
これをやめるまで何度か繰り返す。何度繰り返してもやめないときは

「指導してもパワハラを止めない」
「他人の人権を踏みにじる行為を続けている」

という理由で退職してもらうべきでしょう。

大抵何度かはっきりと注意しているうちに「ここはイジメができないんだな」と理解して自分から別の職場に転職していってくれます。

仕事の状況でどうしてもすぐに退職させられない場合は、イジメる人と被害を受ける人を接触させないように配置し、両者の間の全ての業務連絡は上長経由で行うようにします。

何はともあれトップの「イジメは絶対に許さない」という覚悟と気迫が一番大切なのです。

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