せかいにさよなら

こんにちは♪
あなたがたがこれを読めているということは、私は予定通り死んでいるか、病院にいるのか、とりあえず分かりませんが、私、有島みこは、ある睡眠薬を過剰服薬して、ただ眠っているか、遂に死んだか、昏睡状態にあるか錯乱状態にあるか植物状態にあるかのいずれかに該当します。連載で言えば打ち切り、もしくは長期休載といったところでしょうか。ちなみに、足がつかないよう、私は自宅にはおりませんので、くれぐれも警察などに住所をご連絡なさらないよう。
起きたところで、文字が読めたり書けたりする状態に復帰できるかどうか分かりませんので、これは私の自己満足のためではなく、あなたがたが消費し、活用するためのテキストです。私がこれをもって社会へのささやかな檸檬とするように、あなたがたもまた何かをやってやりたいと思ってこのページに辿り着いたのでしょうから。

死ぬ理由なんてものを今更インターネットの海に放流したところでいっぱいいっぱいだと思われますので、簡潔に身の回りの今の状況について(もちろん、理由なんてものではありません)書いておきたいと思います。それから、私よりも切迫した状態で、今すぐに死にたいあなたのために、削除されない程度に手引きをしたいと思います。

私は今、中央線に乗っています。中央線の終点に近いある駅の徒歩2分のところに、すぐに予約ができて、手っ取り早く例のキャンディが貰える、そんな小さなクリニックがあります。一階にセブンイレブンがあるのが目印ですが、まずは池袋駅西口のメンタルクリニックなどで、例のキャンディを渡してくれるクリニックの名前を聞いてみましょう。キャンディを渡してくれるクリニックは非常に少ないので、慎重に行うべきです。
もちろん、法律には一切抵触しないどころか、メンタルヘルスの問題をお金で解決することは、資本主義リアリズムが支配する現代社会においてとても褒められた行いです。労働力を失うという点では良くないので、これはまあ、プラマイゼロと言えます。

私の小さな部屋には今日、『魔法少女まどか☆マギカ』のお菓子の魔女の大きなぬいぐるみと、尊敬する友人の描いた漫画の二巻が届きます。本当は三巻で完結らしいのですが、私がそれを読むことは多分叶いません。このふたつが届かない限り私はキャンディに手を伸ばすことができないので困ってしまいます。
大量のキャンディと、お菓子の魔女のぬいぐるみと、(これは違法の方ですけれども)キャンディの売人の漫画が届くというのはなんだかとても運命づいていますね。

キャンディで死んでみせたのは私の友人でした。とはいえ、非常に親しかった訳ではなく、彼女が亡くなったときや形見分けのときにはやはりそれなりにつらかったのですが、羨ましさの方がずっと強かったように思うので、彼女が私に与えた一番大きな影響は、やはり人はキャンディをたくさん飲めば死ねる、ということでしょうか。

元々私はラムネを飲む方でしたので、こと大量に飲み込むということには苦労しないと思われますが、念のため、ヨーグルト(そう、悪名高いあのマニュアルにそうあったのです)を用意します。キャンディは粒が大きく、時間をかけてしまうと途中でただ眠りこけるという結果をもたらしてしまい、キャンディが勿体ないです。

それではみなさま、私は一ヶ月分のキャンディでこれから深い眠りに落ちますので、ここで失礼させていただきます。
みなさま、よき倫理を。
あなたが、私が、生きていることは、とても尊いことでした。

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