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第1話 A Change of Direction




今度は僕の修行に関する物語だ

ドドンパ食堂のクローズパーティーは盛大に終わった。



130人ものお客さんが来場し、
クラブのビール樽は全て無くなった。



来てくれたお客さんは
僕の次のステージへ
最高のカタチで送り出してくれた。



僕はそのイベントで得た収益で
焼鳥修行の必須道具である
骨すき包丁を手に入れた。

修行期間
毎日握る事になるの包丁



ニューヨーク行きを控えた
僕は移住のため
チャンスを与えてくれたATSさんと
頻繁に連絡を取り合っていた。

住む場所、
ニューヨークで生きていく上での心構え
様々な相談に親身に乗ってもらった。

居住候補地
ニューヨーク州クイーンズ地区



ニューヨークへ旅立つ1ヶ月前

ATSさんの上司にあたる
鳥心の親方が一度 
如月たかしに食べに来る事となった。

鳥心代表
池田親方


社長と奥さん、鳥心で働く社員さんの3人で
僕はとても緊張した。

当日

その3人から如月たかしの料理を食べながら
色んな会話をした。

社長は僕がまだプロとしての
料理経験がない事と
初めての海外移住を心配していた。

和やかな会話の中で、
厳しいご意見も多々あった。


あと僕が精神的に落ち込んだ経験についても
危惧していたが、奥さんや社員さんが
温かくアドバイスをくれた。

そして1週間後

ATSさんから電話があった。


「ニューヨーク行きは先に見送って欲しい。」

「もし君が本気でニューヨークに来たいのなら
僕達のお店のルーツになった
東京にある名門鳥よしで修行を積んで欲しい。

かなり厳しいお店だけど
それは必ず君はのためになる」


僕は一瞬 受け止められなかった。


でもニューヨークに行く夢は
捨てたく無かったので
是非挑戦させてくださいと返事をした。


憧れのニューヨークは延期となった。




ニューヨークというより
ATSさんの下で働きたい
という想いが強かったかもしれない。




僕は気持ちを改め、
東京の鳥よしに身を委ねることにした。

初めて聞く鳥よしというお店
東京で焼鳥の御三家として君臨するお店
数々の腕のある職人達を輩出している
お店であった。

焼鳥界の名門
中目黒 鳥よし


鳥よしから独立して成功された
目黒 鳥しき



しかし当初
関西に鳥よしは馴染みがなかった。


僕は実際に肌で感じたくなって
お客さんを装い、
中目黒に所在する鳥よしに
視察に行く事にした。

上京する半月前だ。

つづく


#携帯小説僕修行

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