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電車に乗るおこわ

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おとなもうんこのはなしがしたい

カントリーマアムのちょこまみれがうまい。 カントリーマアムといえば湿気った粉っぽいクッキー生地にチョコチップが入ったお菓子である。生焼けではないがモニョモニョとした食感がなんともいえない。チョコ味とバニラ味入りの大袋があったらバニラ味ばかりが残る。そういうやつだ。 今日初めて食べたちょこまみれは、チョコレートのクッキー生地にチョコチップが練りこまれており、さらに周りをチョコレートでコーティングされていた。カントリーマアムの面影はなくかなり小さい。 パクッと口に放り込んだ

さようなら

朝6時を過ぎたあたりからバタバタ、ドタドタ廊下を歩く音が聞こえて目が覚めた。犬を迎えに行くのかな、起こされるのかなと思いながら布団にもぐり目を閉じていた。しばらくしてガチャっとドアが開く音がしてシーンとする。 昨日の朝、犬は危篤状態で入院した。もう何をしたって助からないだろうし、家に帰ってくるときはお別れだと思っていたが、今日になっても帰ってこず肩透かしであった。夕方までもたなさそうと獣医師から伝えられたというのに、そのままお願いしますと置いてきたのだという。朝7時に起きて

公園

犬を連れて夜の公園を散歩した。公園はそこそこでかく、ぐるりと1周するのに15分かかる。犬の足が遅いからなので、大人の早歩きなら5分ぐらいかもしれない。 公園の端っこ、野球場の入口付近にはおじさんかいる。初めておじさんを見た日がいつだったかはもう忘れたが、昼下がりも夕方も夜もおじさんはいた。20メートルぐらい離れたところでおじさんがいるかどうかだけを見て通り過ぎる。本当はおじさんなのかもわからない。便宜上おじさんとしておこう。 おじさんはジャージのようなズボンを履いて青いベ

犬と歩くと季節がわかる

2月。アロエとスイセンが適当な間隔で植わったなんかいい花壇を見つけた。寒空の下、アロエの生命力溢れるトゲトゲは花壇からはみ出ていた。赤くてドリルみたいな花を頭につけている。そして、そのとなりに白くて真ん中が黄色花を咲かせたスイセン。またそのとなりにアロエの株。また満開のスイセンがボン、ボン。なんとも謎チョイスな花壇である。 時々犬とこの花壇がある道を通ってアロエとスイセンの様子を見に行っていた。 2週間前。スイセンはほとんど葉っぱだけになった。ニラに見えなくもないが食べた

暑くなるな

珍しく二度寝をする気がおきない。がばりと布団から起き上がった。 天気が良かった。カピカピになった鼻血がついた枕カバーとシーツを洗うか。 昔はよく寝ている間に鼻をこすってしまい寝具を鼻血で染めていたが、今はカピカピの赤っぽい鼻くそで済むようになった。だが、アレルギー性鼻炎は生きている限り続く。 昼下がりに犬を散歩に連れて行く。最近の散歩は、犬の行きたいところに行くというより飼い主が行ったことがない場所に行くマッピング的業務になりつつある。今日は途中でやる気がなくなった犬を

洗った記憶がない服を洗ってみる

晴れた。日差しが暖かい。もしかして、今日は「洗濯日和」というやつではないか。そうだ、洗った記憶がない服を洗ってみよう。 クローゼットには面接で着用したものの、洗った記憶がないちゃんとしたズボン2枚と一度も洗った記憶がないちゃんとしたズボンが1枚に、中途半端な袖の長さで裏がフリース素材のトレーナーが1枚。 この「ちゃんとした」ズボンは、基本的に洗濯の指示がうるさく書かれているが見なかったことにする。洗濯ネットに1着ずつ入れて洗うんだから別にいいでしょう。 あとは、いつ洗っ