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ケインとアベル

NHKで放送された海外ドラマで、
最も衝撃を受けた作品は「ケインとアベル」だ。

当時高校生だった僕は、父親と一緒に、
20世紀前半の欧米社会を学ぶ気構えで観ていた。

ところがそこで目の当たりにしたのは、
現実とは思えない天国と地獄。
同じ日にアメリカとポーランドで生まれたふたりの、
対照的な人生が絡み合う運命の物語だった。

自分が生まれ、生きていくその意味を、
考えさせられた。
考えてその答えが見つかるはずもなく、
まずは原作を買い求めた。

著者はジェフリー・アーチャー。
イギリスの国会議員から作家になった彼自身、
数奇な運命を辿った3作目の大作で、
作家としての地位を決定づけたベストセラー。

神話のカインとアベルをモチーフにした作品といえば、
1952年に発表されたジョン・スタインベック原作、
映画化されたジェームス・ディーン主演「エデンの東」。
アーチャーが発表したのが1979年である。

以降、スキャンダルと政界復帰を繰り返し、
服役後も執筆を再開、今も精力的に新作を発表し続けている。

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