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ジプシー・キングス

1987年、新生ジプシー・キングスは、
アルバム「ジプシー・キングス」を発表し、
世界中に知られるようになる。

とはいえ、日本版が発売されたのは、
1995年まで待つことになったらしい。

僕がこのアルバムを入手したのは、
1991年頃、輸入盤の中古CDだった。

踊りの舞台を観に行くようになって、
ある日全編、彼らの曲で踊る舞台に遭遇した。

特にそのラスト・シーンで使われたのが、
フランク・シナトラの名曲、
「マイ・ウェイ」のカヴァーだったため、
すぐに探し当てることができた。

南フランスのある一族で結成されたバンド。
ワールド・ミュージックのブームもあり、
徐々に日本でも人気が出る。

しかしなぜかバラエティやパロディなのだ。
舞台で聴いた名曲の数々は埋もれたまま。
残念で悲しかった。

そしてまた僕は、まだ誰も知らない、名曲を探し求める。
よく知られた曲だと、固定概念が付き纏う。
踊りで何かを表現するには、それがどうしても邪魔だった。

ジプシー・キングスがまだほとんど知られてない時に、
出会ったあの舞台を、僕も創ってみたかったのだ。

フラメンコに通じる、スペイン語の響きと、
烈しく哀しいギターの音色とリズム。

ハスキー・ヴォイスもいいが、
インストゥルメンタルもいい。
なかなかそんなバンドに、巡り会うことはない。

ソニー・ミュージックだった。
キリン淡麗のCMで、
98年に起用された「ボラーレ」が大ヒット。

2017年にもキリンがスポンサーで来日した。
メンバーの子どもたちは独立して、
ヴォーカルとギターのおじさん従兄弟で、
活動を続けているようだ。

今でもたまに聴きたくなる、
「ア・ミ・マネーラ」。

いい音楽は、時空を越える。

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