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ニュー・シネマ・パラダイス

遠出できないGW、自宅で映画三昧、
という人も多いのではないだろうか。

映画好きが魔法にかかる名画がある。
「ニュー・シネマ・パラダイス」だ。

日本では1989年12月からシネスイッチ銀座で、
未だ破られない単館上映記録を樹立した。

僕は受験で、それどころじゃなかった。

ジュゼッペ・トルナトーレ監督、脚本、
エンニオ・モリコーネ音楽。
カンヌもアカデミー賞も受賞する不朽の名画が、
単館上映だったのには驚いた。

映画が魔法だった時代、地方の町の映画館が、
夢と魔法の国だった時代を描いている。

イタリアの田舎が美しい。
人の心まで美しく見える。

郷愁と言ってしまえば、なんとも薄っぺらい。
50歳を過ぎて最近、僕はよく考える。

人は誰もが、人生という旅をする。

やがてその旅の終わりが近づくにつれ、
生まれたところを遠く離れていることに、気づくのだ。

それに気づいた人はきっと、
この映画の魔法にかかるだろう。

当時銀座に足を運んだ多くの人は、
すでに気づいていた人だったに違いない。

未だ見ぬ明日の景色に希望を抱き、
愛と勇気で荒波を乗り越えようと、
大海原に乗り出したばかりの僕には、
映画の魔法はまた違う意味を持っていた。

名作は、時空を超える。

だが同時に、その人にとって、
宝物になるかどうかは、
その人の心ひとつだと思う。

僕は誰よりもそんな心の宝物に、
魔法をかけられた少年であり続けたいと思う。

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