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駿河屋高槻旧裏ジムバトル(ポケモンカード)優勝デッキ「バッドドリーム改」

今宵の貴方に最高の悪夢を

バッドドリーム改

1.はじめに

 2021年7月22日に駿河屋高槻トレカ館で開催された「旧裏ジムバトル高槻殿堂」で優勝しましたので、そのデッキ記事になります。このジムバトルは、世界で唯一の旧裏ポケモンカードの公式イベントとのことで、このイベントの優勝は実質旧裏ポケカの世界チャンピオンを意味するらしいです。本当かなぁ。別記事で紹介している同じく旧裏ポケカの自主開催イベント、シークレットメガバトルのスタッフさんが「全国大会」と言う名称に躊躇していたのと比較すると全国すっ飛ばして世界とはだいぶ強気ですね。(一応誤解の無いように記載しますが、シークレットメガバトルと駿河屋高槻はレギュレーションが違うので、比較して優劣を議論することはできないと私は考えています。レギュレーションは下記参照)

2.構築経緯

今回自分がデッキを組むにあたって、意識したのは以下の2点です。

①.ポケモンぎゃくしめい+プラスパワー戦術

 ポケモンぎゃくしめいで相手の育成中のポケモンを呼び出し、プワスパワーで火力を上げて一方的に倒し切る戦術が最近の流行となっており、今大会でも警戒が必要だと考えました。厳密にはこの戦術が横行していたのは「新殿堂」という高槻殿堂とは別のレギュレーションですが、環境が変わるほど違うルールでもないと判断しました。

②ワニカメ、ひかるライチュウ等の大量ドロー戦術

 「パソコン大暴走」等で大量にカードを引き、豊富な手札から超火力を叩き付ける戦術も警戒が必要だと考えました。特に「ワニカメ」はリモート対戦の高槻殿堂大会で何度も優勝しているので要警戒と判断しました。

〇提唱「かなたシステム」(流行れ!)

 上記の①~②のトレーナーカードを大量に使用する戦術への回答として、「トレーナーロック」戦術を選択しました。該当するのはコダック(化石)、わるいラフレシア(R)、ゴース(緑)等々考えられますが、ロックパーツに殿堂ランクを割きすぎると、デッキ全体のパワーが落ちて先行ロックに失敗した時にガタガタになり後攻からの巻き返しが難しくなるので、最低限の殿堂ランクでトレーナーロックを仕掛けられるコダック(化石)を採用しました。コダックデッキと言えば、SMB2020で優勝したわるクロコダックがあります。

 ただし、このデッキは新殿堂レギュレーションのデッキであり、ミニスカートの制限が強化されている高槻殿堂では作成不可能です。そのため序盤の制圧に特化するのではなく、バリヤード(ジャングル)を詰め筋とするデッキにしました。バリヤードは30ダメージ以上を無効化する強力な特殊能力を持っており、高槻殿堂では3点という厳しい制限が課せられています(新殿堂では2点)。ただし、厳しい制限が課せられているということは逆に他のルールより対策が甘くなっていると予想しました。それに加えてバリヤードの対策カードである「ベトベトガス」や「ポケモンぎゃくしめい」はコダック+ゴースト(緑Lv26)のポルターガイストコンボで早々に消費させられると判断し(手札に握りっぱなしだとポルターガイストのダメージ量が上がるため)、ゴーストの採用も決定しました。ここで、コダック+ゴーストでトレーナーロックからの2ターンキルと、それらをブラフとしたバリヤードによる制圧という2つの勝ち筋を狙うコンセプトが決まりました。この2つの勝ち筋を作ることにより、ロックデッキにありがちな「ジャンケンに負けて先行ロックに失敗して展開を許してしまった」パターンからも反撃可能となります。むしろ、コダックゴースの並びを見て雑にトレーナーカードを切ってくれれば終盤のリソース切れに繋がる可能性すらあります(この考え方はうっどさんの偽装わるラフに近いです)。この3枚をかなたライン・・・は前の記事で使っちゃったのでかなたシステムとでもしましょうか(爆誕)

かなたシステム

3.デッキ内容と解説

デッキレシピは下記の通りになります。撮影は駿河屋高槻トレカ館のスタッフさんなので、私が並べるより100倍綺麗です。(反射しているのはきのみ×3)

デッキレシピ バッドドリーム

〇解説

1ターン目は、バトル場コダックのベンチはゴースが理想です。そのままずつうを連打し、コダックが持たなくなってきたら逃がしてベンチのゴースをゴーストに進化し「ポルターガイスト」を撃ちます。ゴーストで場を荒らし、相手のアタッカーが遅れて育ってきたところでバリヤードの準備をします。そこでゴーストをゲンガーに進化し、「のろい」による援護をしつつバリヤードとゴースト(緑Lv25)でサイドカードを取り切ります。以下いくつか個別解説。

.・ゴースト2種(緑Lv25&Lv26)

このデッキのメインアタッカーです。序盤コダックのトレーナーロックから繋げて大ダメージを与えるポルターガイストに、妨害のナイトメア。終盤の高火力技おんねんとデッキの中核を担っています。計4枚採用。

・わるいゴルダック(R)

わるクロコダックとは違い、序盤は積極的に進化は狙わない方が良いです。序盤であれば、わるいゴルダックが3エネで出せるダメージはゴーストは1エネで出せます。進化のタイミングは、バリヤードで攻撃を防いでいるもののこちらの攻撃も通らない長期戦や、ゴーストのナイトメアで時間を稼いでいるものの決め手が無い硬直状態です。相手がデッキ切れを意識してエイパムとかを出し始めるくらいまで待ってようやく活躍できるのが、HP60のエネ加速無し3エネアタッカーの現実だと思います。

・ゲンガー(化石)

何かと便利です。上記の「のろい」+「ヨガのポーズ」のコンボの他、ゴーストがアタッカーとして非常に優秀なために、ゴーストに対する「なんでもなおし」「きずぐすり」の感覚で進化しても役に立ちます。

・ムチュール

ゲンガーの「のろい」コンボの変化球として採用しています(のろい+なげキッスで1ターンに20ダメージ分好きなところにばら撒ける)。旧裏ポケカは、相手に育成されたアタッカーが育ち、こちらはエネのついてないたねポケモンばかりくらいの状況になるとベイビィポケモンが入っていないデッキはほぼ逆転不可能だと思います。個人的には、ベイビィ枠は殿堂ポイントが付かない無難なものより、殿堂ポイントを割いてパワーカードを採用するのをお勧めします。バリヤードが通用しない相手には貴重な防御札です。

・トレーナーカード類

エリカ+ポルターガイストを狙うのでドロソ周りはかなり特殊です。ニセオーキド博士は、エリカで膨れ上がった相手の手札のリセットと逆に相手の手札が少なすぎる時にポルターガイストのダメージアップの2つの使い道があります。相手の手札が溢れていてバトル場にゴーストがいる場合、ポルターガイストのダメージアップよりにせオーキド博士による手札リセットを優先した方が良い場合が多いです。1ターンで100ダメージ与えて大量展開されるより、相手の足を止めて30~40ダメージをゆっくりのんびり与えていきましょう。エリカで手札が溢れかえるため、オーキド博士は2枚まで減らしました。ドロソ枚数15枚は、現行のポケカで世界大会まで出たことがある友人が言っていた「ハイパーボール×4+ネストボール×4+シロナ×4+テテフ×2+クロバットv×1=15枚」を参考にしています。(確かこんな感じ。自信ないけどとにかく15枚でした)スタジアムカードについては、対無色ポケモン対策として、抵抗力低下ジムとマダツボミの塔で迷っていましたが、そもそもポルターガイストで圧をかける前提条件で成り立っているデッキのため抵抗力低下ジムを採用しました。相談に乗ってくれたカマキリさんありがとうございます。

4.余談

詳細は後日オフレポに載せますが、バリヤードは目論見通り全体的に対策が甘く見事全勝優勝することが出来ました。これは「規制を強化することで制限したはずが、逆に環境に通りやすくなる」という殿堂ポイントの裏を突いた形になったと思います。私は、旧裏ポケカ、延いてはTCGのみならずゲーム全般においてそれに関わる人々はルールを考える「デザイナー」とそのルールで遊ぶ「プレイヤー」に分かれていると考えています。明らかに強すぎるカードが環境に現れた時、そのカードを規制する抑止力となる新規カードを考えるのが「デザイナー」で、カードの対処方法もしくは活用方法を考えるのがプレイヤーであると思っています。「ポケモンぎゃくしめい」と「後攻スタート不利問題」について、私はプレイヤーとしてトレーナーロックによる対策と短期決戦長期戦2つの勝ち筋を用意して対処したつもりです(今回、先行は4回中1回の25%に対して勝率は100%)。ポケモンぎゃくしめいの妥当な殿堂ポイントが何点であるかは、私には判断が難しいです。何故なら私はプレイヤーとして旧裏ポケカを楽しんでいるからです。(殿堂ランクに全く不満が無いわけではないですけどね。ニューラとか)実際、駿河屋高槻店で殿堂ポイントを設定している店員さんは、私の言葉で言うとデザイナーの立場であるため敢えて対戦シーンには参加しないようにしているそうです(その分参加者からのフィードバックが重要になると思いますが)。ルール設定に関わる人は対戦イベントに出てくるなってことではなく、参加者が殿堂ランクに物申すなという意味でもないのですが、私が言いたいのは「プレイヤーの立場であるにも関わらずデザイナー的な対処方法「「しか」」思いつかない人に、私は負けません(っていうか負けるわけにはいかない)」とだけ。以上、旧裏ポケカ2021年7月24日現在世界チャンピオンの言葉でした。って肩書でいいんだよね?違ったらだいぶ痛い発言になるんですが。

本当はこれ、シークレットメガバトル2020を優勝して書こうと思ってたんですけど、準優勝だったからそこから1年かかりました・・・

5.参考文献

・わるクロコダック記事 ジャストさん

・わるラフポルタ―偽装鋼ラッキー記事 うっどさん


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