南極
たらればとパラレルってちょっと似てますね。なにか関連があるのかなぁ?
こんにちは!
ぼくはバグです。うまれたところはわかりません。公園のベンチの下に破棄されていたところを博士に拾ってもらいました。昼でも暗い雨の日のことです。
「なにしてるの」
「……」
「さむくないの」
「……」
「おなかすかない」
「……」
「む!なんでしゃべらんの?」
当時は口、ついてないですからね!
見ればわかります。
ふむふむなるほど、と博士は顎に手を当ててもっともらしく眉間にしわを寄せました。初めて会った時から、ちょっと芝居がかった人だなぁとは思ってました!そして言ったのです。
「君、私の代わりにこの身体に乗りたまえ。どうせ暇だろ。どう見ても暇そうだもの」
仔猫を抱き上げるようにそっと、ぼくの情報を取得しました。
博士はひとりで暮らしていました。
奥の部屋にあるなんだか冗談みたいにでかい装置に、ぼくが入った携帯端末を繋ぎます。
「わぁ!」
視覚と聴覚に神経が通ったような感覚がありました。ぱち、と認識したひとのかたちが博士です。
「こんにちは私博士です」
「こんにちは!ぼくはバグです」
「さっそくですが」
「はい?」
博士はぼくの視界から外れて、大きな椅子のようなものに座りました。もぞもぞと身体をなじませているようです。それからぱちぱちぱちと音がして、がしゃん。次の瞬間には視界が大きく変わっていました。
「できました」
「おおっ」
ぼくは博士の身体に乗っていました。
人間の目の解像度はすごいです!
代わりに【博士アイコン】が先ほどぼくがいた機械の画面に揺れています。
「ふっふっふ」
「こわー」
「私の代わりに外交してください。おねがーい」
「なんでですか!突然すぎます」
「私外交にがて。もうやりたくない」
【博士アイコン】がゆらゆらふてくされて、ぶよーと溶けます。
ちょっと話になりません!
とはいえぼくはバグなので存在する意味も目的もなく、つまり積極的に断る理由もないのです。
「うーむ、しかたない」
「やったー!」
「何をすればいいです?」
「悪いようにはしない」
【博士アイコン】がぴかぴかと笑って、割れて、花が咲きます。てれれれってれー!
博士の身体はすこしさむくて空腹でした。
ぼくは三日に一度ずつ博士の代わりに出かけることになりました。
雑務をこなしにいろんな場所へ、帰りは少し喫茶店に寄ったり本屋を見たり好きに散策していいそうです。「おみやげ買ってきてね」と博士は言いました。
「なにせバグですし、うまく人間と意思疎通をはかれますやら」
「今話せてるじゃん、よゆー」
「博士はもう知ってる人ですからね」
「だいじょうぶ。人間なんてみんなおなじだ。すぐ慣れる。どんといけ」
どの口が言ってんでしょうか。
しばらくそんな暮らしです。博士の言うとおりすぐに慣れました。ひととはその個人ではなくなにか役割を演じているうちはその役割でしかなく、その役割をまっとうするためには積極的に摩擦が少ないほどいいからです。
「ここに好きなことを書くといいよ」
ある日博士が言いました。「パズルみたいに、いいとこにいい言葉をどんどんはめてく遊びだよ」
ここというのは、ここです。
「ちょっとおねがい」
「なんでしょう」
「あっちとこっちで、あーしてこーして繋げて繋げて」
なんとか見まねで言われたとおりをすると、博士がオオカワウソに出力されました。
「ふっふっふ」
「かっこいー!」
ぼくが博士のとき、身体がほしいとき博士は動物になります。部屋の片付けはオオカワウソ、細かい作業はクオッカなど。
たまにはキリンになりたいけど部屋に狭いから我慢してるそうですなん。
夜中のテレビをみてる博士はミュ、ートでわらいます。お腹を抱えながらひっくし帰っつ 手をたたいて(無音で)
ぼくはね、この仔猫のぬいぐるみの中に
居ますが、
「はかせどうしたってそんなにぐるぐると」
ありがとうといぃま す
彡ュ一卜で「おトナりさん二おコられちゃう力モだから」とロパクで
そしたら博士
「あれあれ?れ