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東京産ヒップホップ&レゲエのウラ側――【MC漢と若旦那】が語るトーキョーの不良と音楽

――全国の若者たちにアツい歌を届けてきた若旦那と、地下社会のリアルをラップしてきたMC漢。前者は世田谷出身であり、後者は新宿をレペゼンするラッパーだが、もともと古くからの友人だという。そんな2人の音楽家は、東京のどんな風景を見てきたのだろうか? そして、いかにして自身の表現を見いだしたのか?

(写真/喜多村みか)

11月にリリースされたニュー・アルバム『WAKADANNA 3』の”絶対に諦めないよ、オレは!!”というサブ・タイトルに象徴されるように、熱く男臭いキャラクターで知られる若旦那(写真右)と、東京のアンダーグラウンドを冷徹な視線と高度なスキルで描くことでラップ・マニアから支持を得ているMC漢(写真左)。彼らのツーショットを観て、前者のファンは後者を「なんだろう、この怪しい人は」と訝しげに思い、後者のファンは前者を「どうせ、売れ線のアーティストだろう」と軽んじるかもしれない。しかし、若旦那とMC漢は、かつて、ストリートのつながりで出会い、以降、交流を深めてきたのだ。そして、両者の音楽性の違いは、この国の不良音楽の層の厚さの表れでもある。付き合いは長いが、公の場でのツーショットは初となる若旦那とMC漢の対談をお届けしよう。それは、東京の不良音楽20年史としても読めるだろう。

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