白鵬でも相撲だけで2億円は稼げない!タニマチが支え続ける関取たちの収入事情 化粧まわし1つで300万円!

――大相撲といえば周知の通り、「タニマチ」という言葉を生んだスポーツだ。昨今では、そのおカネ事情というと「八百長問題」を喚起させるかもしれないが、本来、力士たちの収入ほど実力主義のものはない。果たして、その収入事情、さらには昨今のタニマチ事情はどうなっているのだろうか?

『今、ここで勝つために』(徳間書店)

相撲が今、ブームとなっている"裏付け"として、冒頭でも触れた遠藤関の懸賞金の本数をはじめ、全国規模の個人後援会が次々に発足されるなど、お金にかかわる話題にも注目が集まっている。こうした背景には、『大相撲事件史』(長崎出版)などの著者で、相撲ジャーナリストの荒井太郎氏も「遠藤や逸ノ城らの台頭はもちろんですが、日本相撲協会による仕掛け、特に、女性の広報さんによる"女性目線の仕掛け"が奏功しているのではないか」と話す。例えば、女性限定で力士に"お姫様抱っこ"してもらえるといったイベントなどは、まさしくそれだ。

「新たなファン層の獲得によって、本場所の人気だけでなく、地方巡業の数も増えました。2013年には29カ所、14年は38カ所とその数を伸ばし、15年はついに、若貴ブーム以来の50カ所を超えるのではないかともみられています。これはいかに、今のブームが本物かを物語っている数字でしょう」(同)

地方巡業は、1度の開催につき、興行主には約2000万円もの費用が必要だといわれている。まだまだ景気低迷中にもかかわらず、これだけ巡業が増えるのは、まさに相撲ブームが推し進められた結果なのだ。

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